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「1円iPhone」終了へ!総務省、転売ヤー撲滅や携帯料金引き下げの新計画発表

iPhone15 Pro hato/iPhone Mania
 
総務省は11月7日、「新品のiPhoneが1円」などのスマートフォンの極端な値引き販売を規制し、MNPワンストップ化の促進、MVNOの競争力強化などを含む「日々の生活をより豊かにするためのモバイル市場競争促進プラン」を発表しました。2024年夏には、更なる競争促進策や、中古品を含む端末市場の活性化策も取りまとめる方針です。

 

■3行で分かる、この記事のポイント
1. 総務省がモバイル市場の競争促進を狙った新プランを発表。
2. 1円端末などの値引き規制による転売ヤー対策などを盛り込む。
3. 2024年夏には、更なる競争促進策もまとめる計画。

 

デフレ脱却の掲載対策を踏まえた総務省の新プラン

総務省が発表した「日々の生活をより豊かにするためのモバイル市場競争促進プラン」は、11月2日に閣議決定された「デフレ完全脱却のための総合経済対策」に、携帯電話料金やサービスの競争促進が盛り込まれたことを受けて、総務省の対策をまとめたものです。
 
総務省は今回のプラン発表にあたり、技術革新のスピードが速くイノベーションが生じやすく、国民の日々の生活に密着したモバイルが、納得感のある料金で良質なサービスとなれば、日々の生活はより豊かになる、と趣旨を説明しています。
 

 

総務省の従来の取り組みに、新たな方針をプラス

携帯電話事業の競争促進という、総務省が従来から続けている取り組みに加え、今後の取り組みとして以下の方針が掲げられています。
 

  1. 納得感のある料金・良質なサービスの実現
  • 事業者間の乗換えの円滑化の加速
  • 事業者間の公正な競争環境の整備の促進
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    「1円端末」の規制強化

    通信と端末の完全分離と、端末の割引規制により、端末の割引は沈静化していましたが、規制の抜け道とも言える、端末を単体で購入しても割引を提供する「白ロム割」により、「新品のiPhoneが1円」などの大幅な値引きが行われ、転売目的で端末を購入する、いわゆる「転売ヤー」問題が発生しています。
     
    これは、顧客獲得目的で端末を大幅値引きする原資は、元をたどれば利用者の払った料金であることを考えると、転売ヤーが不正に利益を得る、不健全といえる状況です。
     
    今後、端末の割引額を2万円から減速4万円へと引き上げるとともに、「白ロム割」を規制対象とすることで転売ヤーの抑制を図る方針です。
     

     

     

    中古端末の安心・安全な流通の促進

    端末価格が高騰傾向にあり、中古端末の需要が増加する中で、総務省は中古端末の流通を促進する方針です。
     
    中古端末市場の健全な発展と消費者保護を目的として、端末取引のガイドラインなどを公開している業界団体「リユースモバイルジャパン」の活動をサポートし、スマートフォンへのマイナンバーカード機能搭載の開始を受け、中古端末取引時の適切な処理のための業界団体の自主ガイドライン策定促進のため、年内に議論を開始します。
     

     
    なお、iPhoneへのマイナンバー機能搭載については、岸田首相がAppleのティム・クック最高経営責任者(CEO)に直談判したものの、クックCEOは、日本政府が導入を計画しているアプリをApp Storeからも入手可能にするサイドローディングはセキュリティ上の懸念となる、と釘を刺しています
     
    Appleは、総務省のパブリックコメントでも、サイドローディング導入に対して「日本の社会と国民をを危険にさらす」と強く反対を表明しています

     

    MNOによる代理店の指導強化

    利用者からの苦情のうち約8割を店舗関係によるものであることを踏まえ、携帯ショップを運営する代理店への指導強化のため、年内にガイドラインを改正します。
     

     

    新料金プラン移行の検討促進のための広報

    新料金プランが導入されても「手続きが面倒そう」などの理由で旧来のプランを使い続ける利用者が約半数であること、MNPワンストップ化の認知度が14%にとどまることから、手軽に料金プランの変更ができることの広報を強化する経費を、総務省が補正予算で要求します。
     

     

    MNOワンストップ化の推進

    乗り換え先の手続きだけで携帯電話事業者を乗り換えられるMNOワンストップ化(2023年5月開始)が、MNO4社、日本通信、オプテージのみにとどまっているため、対応事業者の拡大をはかります。大手MVNOについて、各社の導入予定時期を年内に公表する予定です。
     

     

    通信・端末分離規制の基準値の引き上げ

    MNOの新料金プラン導入などで、MVNOの競争力が相対的に低下していることから、通信・端末の分離に関する規制の基準を、これまでのシェア0.7%から4%へと引き下げる省令改正を年内に行います。
     
    この変更により、大手MVNOのIIJとオプテージが規制の対象から除外され、積極的な販売キャンペーンなどが可能となります。
     

     

    周波数(4.9GHz帯)の追加割り当て

    先日、楽天モバイルにプラチナバンド(700MHz帯)を割り当てたのに続き、広い帯域が確保できて超高速通信が可能な4.9GHz帯の周波数について、技術的要件を年度内をめどとして取りまとめます。
     

     

    接続料の更なる低廉化

    MVNOからMNOに支払う、ネットワーク利用料であるデータ接続料を、MVNOがMNOと同等のサービス提供が可能かを検証し、2023年度の水準から2025年度までに約3割低下させる方針です。
     

     

    来年夏には端末市場の活性化、競争の更なる促進に向けた方針も

    総務省は、今回発表したプランのフォローアップに加えて、更なる競争促進のための方策として、ニーズに応じて中古を含む多様な端末から選択できるよう市場の活性化することや、寡占的状況が続くモバイル市場の競争促進のための対策を、来年夏をめどに取りまとめる考えです。
     
    対策は、有識者会議「競争ルールの検証に関するワーキンググループ」や「消費者保護ルールの在り方に関する検討会」などで検討が進められる予定です。
     
     
    Source:総務省
    (hato)

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