【アウトドア銘品図鑑】
2020年、“function is beauty”と“Light&Fast”をコンセプトに幅広くアウトドア用品を開発しているモンベルが、初めてモンベルブランドの焚き火台「フォールディング ファイヤーピット」を発売しました。円筒形が多い二次燃焼式なのに、薄型収納+パッと開くだけで焚き火ができると話題になったアレです。
燃え残りが少ないし、とにかく手間がかからないのはいいんですが、Sサイズでも2.88kg。それに二次燃焼式はみるみるうちに薪を消費するので、薪購入派の場合、ランニングコストがまぁまぁかかります。
2023年に登場したモンベルの焚き火台「コンパクト ファイヤーピット」(8800円)は、二次燃焼しなくていいから“function is beauty”で“Light&Fast”な焚き火台を作ってくれないか…という願いに応えた小型焚き火台です。
■耐荷重10kgなのに総重量950g
「コンパクト ファイヤーピット」の魅力はなんといっても収納サイズと軽さでしょう。重量は1kgを切り、収納サイズもだいたいA5サイズくらいと「コンパクト」を裏切らない設計となっています。
同クラスのチタン製焚き火台ほどではありませんが、片手に載るサイズで十分薄型・コンパクト。それでいて静止耐荷重が約10kgとなかなかのタフさを誇ります。
収納ケースに入っているのはこの3つ。真ん中の板は風防ではなく底板なんです。「ファイヤーピット」シリーズの先輩モデルは本体が一体化されていたので、まさか底板後付け構造だったとは。
本体を広げていきます。ほかの「ファイヤーピット」シリーズと同じく側面の真ん中あたりで折りたたむ構造ですが、長辺側の板をたたみます。そのままだと互いの板がぶつかってしまいますが、「コンパクト ファイヤーピット」ではほんの少しだけ側面板の長さを変え、互いの板を干渉させずたためるんですね。
本体を広げると確かに底が抜けています。
底板は接続部分が凹凸していないほうを上にして谷折りにし、本体に置きます。
本体には大きめの受け板があるので、底板を置くだけ。どこかに引っかけたり穴に通したりする必要はなく、とっても簡単です。それに熱で歪んだとしても組み立ての際にイラッとすることはなさそう。
最後にロストルを底板の上に載せて完成。底板がV型になっているので、そこに空間ができるようロストルは山型にして入れます。
組み立て時間は1分もかかりません。
焚き火が恋しいこれからの季節、厚い手袋をはめてもちゃちゃっと組み立てて、さっさと焚き火ができるのは、これほどうれしいことはありません。
■小さいけれど燃料を追加しやすい
小型焚き火台を使う際、一番ストレスになるのが“長い薪はいちいち切らないと入らない”ということでしょう。それにクッカーを火にかけているとそのままでは薪を入れる隙間がないのでクッカーをおろさなくてはいけません。このときがデンジャラスタイム。クッカーの湯があふれたり、シェラカップをひっくり返したりしやすいんですから。
「コンパクト ファイヤーピット」の、モンベルロゴが記された短辺2面には窓が付いています。この窓部分は2つツメがあり、それが引っかかっているだけ。真ん中の出っ張りを持ちあげると簡単に開きます。
窓を開くとほぼ水平部分で止まります。これは窓の下側にある出っ張りのおかげ。とても単純な仕掛けですが、どこかに引っかける手間がないし壊れる心配もないでしょう。
窓を開けばクッカーを載せたまま横から燃料を投入できます。
窓を開くとぐらぐらしそうに思えますが、窓をひっかけるフレームは脚と一体化していて安定感大。さすが耐荷重10kgというだけあります。
太目の薪が焚き火台の上からはみ出すと少々おっかないですが、窓を開いて横置きができれば安心でもあります。
今回取り寄せたのはサンプルなので火をいれていませんが、四隅と底板の折れ部分に大きめの空気取り入れ口があいています。それにほかの「ファイヤーピット」シリーズ同様に本体は深めでドラフト効果を期待できます。
ただ、底に空気取り入れ口があいているので細かな灰は落ちやすそう。焚き火シートは広めのものを使うといいかも。
「コンパクト ファイヤーピット」には二次燃焼機能はありませんが、少しくらい長い薪でもそのまま入れて安定するのはうれしい限り。ドラフト効果を期待できるので最後に窓を閉じれば燃え残りも少ないでしょう。
「コンパクト ファイヤーピット」は小型焚き火台に感じる不便さを低減し、ひとり焚き火の楽しさに浸れる焚き火台です。
>> モンベル
<取材・文/大森弘恵>
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/567428/
- Source:&GP
- Author:&GP