Appleはカリフォルニア州において「修理する権利」を支持する方針へと方向転換したものの、iPhone自体はモデルが新しくなるごとに、同じモデル間でも交換できない部品が増えており、正規業者以外での修理がほぼ不可能となっていることが、iFixitとNew York Timesの調べで明らかになりました。
■3行で分かる、この記事のポイント
1. iPhone15では同じモデル間で交換して修理すると機能しなくなる部品が7点へ増えた。
2. iPhone Xではこの部品点数は3点だった。
3. iPhoneは新しくなるごとに正規業者以外での修理は難しくなっている。
iPhone15では7点の部品が交換できない
iPhoneを含むApple製品を分解、報告しているiFixitによると、2017年発売のiPhone Xでは、同じモデルの正常に機能している部品を使って修理しようとすると、iPhoneが機能しなくなってしまう部品は3点でした(Face ID、ディスプレイ、フロントカメラ)。
たとえばiPhone Xのディスプレイが割れてしまい、ほかのiPhone Xのディスプレイを外して交換した場合、iPhone Xが機能しなくなる、という意味です。
ところが今年発売のiPhone15シリーズでは、交換できない部品の点数が7点まで増えているそうです(バッテリー、タプティックエンジン、リアカメラ、LiDARセンサー)。
ソフトウェアで管理されている部品
機能しなくなるのはAppleがそのようなソフトウェアをインストールしているためで、ユーザーは正規修理業者に修理を頼むか、Appleが提供するセルフサービス・リペア・プログラムを利用して自分で修理するかの、どちらかを選ぶ必要があります(後の選択は一部地域のみ)。
つまりiPhoneのモデルが新しくなればなるほど、正規業者よりも安価な、サードパーティーの修理業者での修理は難しいということです。
Appleの修理サービスによる年間売上は90億ドル
ディスプレイの割れや故障が不安なら、AppleCare+に加入するという手もありますが、こちらも結構な額をAppleに支払わなければなりません。
New York Timesの見積もりによると、Appleはこうした修理サービスで年間90億ドルの売上があるそうです。
「修理する権利」には穴がある?
Appleは環境保護やカーボンニュートラルを率先している企業です。しかし本当に環境のことを考えるのであれば、iPhoneを含むデバイスの修理コストを引き下げて修理しやすくし、長く利用できるようにすべきでしょう。
Appleは今年、これまで反対してきたカリフォルニア州の「修理する権利」を一転して支持すると表明しました。またそれに先立ち、ユーザーが自分でiPhoneなどを修理できるようにするセルフサービス・リペア・プログラムを立ち上げています。ただしこのプログラムも「真にオープンではない」とiFixitは評価しています。
しかしこの「修理する権利」(カリフォルニアおよびその他の州でも)には、前述した同じモデル間での部品交換による修理に関する文言は含まれていないと、New York Timesは指摘しています。
Source:New York Times
Photo:Apple
(lunatic)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-559439/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania