自動運転やコネクテッドカーの需要増加に伴い、5G通信の車両搭載が加速している近年。リアルタイムなデータ通信を実現し、高度化する自律型サービスの信頼性要件を満たす上で、アンテナ性能の向上が技術課題になっている。
この課題は、アンテナデザインと車体搭載の最適化により解決できるが、その検証には実環境をエミュレートできる再現性と柔軟性が備わったラボ環境が求められる。
そんななかアンリツは、RanLOS、東陽テクニカ、AeroGT Labs Corporationと協業。コネクテッドカーの普及を促進する5GアンテナOTA(Over-the-Air)測定ソリューションの提供を開始した。
自動車、ミニバスなどのアンテナ特性を定量化
2016年にスウェーデンで設立されたRanLOSは、フルビークルでの接続性試験およびアンテナ試験向けの“OTA試験ソリューション”のプロバイダー。何年にもわたる研究をベースにハードウェアや独自のソフトウェアを開発し、関連するすべての規格に対する試験ができるよう設計している。
静的な条件下でのスループット*1性能とアンテナ放射パターン*2およびダイナモメータを用いた動的環境下でのスループットの劣化を評価し、自動車、ミニバス、自律型輸送車両などのアンテナ特性を定量化する。
*1…一定の時間で処理できるデータ量
*2…アンテナが電力を伝送するときの形状
シームレスな統合で導入コストを抑制
従来の車載アンテナ評価システムは、専用のOTAチャンバーを必要とするため高額な初期投資がかかるという課題があった。しかし、RanLOSとアンリツによる5G車載OTA測定ソリューションは、既存のEMCチャンバーにシームレスに統合可能で、導入コストを大幅に抑制できる。
なお同ソリューションのシステムインテグレーションは、東陽テクニカ、および北カリフォルニアに本社を置くOTA測定ソリューションプロバイダーのAeroGT Labs Corporationにより提供される。
コネクテッドカーにユーザエクスペリエンスの向上をもたらし、加速するスマート社会の発展に貢献するソリューションとして、今後も注目が集まることだろう。
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000053.000109169.html
(文・Haruka Isobe)
- Original:https://techable.jp/archives/222685
- Source:Techable(テッカブル) -海外テックニュースメディア
- Author:Haruka Isobe