【アウトドア銘品図鑑】
朝晩の冷え込みが厳しくなっています。都心部でも最低気温が一桁となり、いよいよ冬が到来!
シェルターにストーブを持ち込むキャンパーが増えていますが、そうはいっても一歩外に出れば寒いわけで、カイロは手放せません。
ところが使い捨てカイロは火を使わず便利な半面、捨て方がややこしい。自治体によって可燃ゴミか不燃ゴミか、はたまた金属ゴミか…対応が異なるので出先で処分しづらいんですね。それに安いからといって大量に買ってシーズンを越して期限切れにしちゃうと、使用時間や温度が期待外れになることも。
そこで注目されているのが、繰り返し使えるZIPPOの「ハンドウォーマー」(5280円)です。
「ハンドウォーマー」は気化したライターオイル(ナフサ)が触媒(プラチナ)に触れ、酸化発熱する化学カイロ。触媒作用を用いたカイロは決して目新しいものではありませんが、分別に悩むゴミが出ず、なによりも立ち上がりが早くてあたたかいんです!
■燃料はライターオイル
「ハンドウォーマー」の燃料はナフサ。ベンジンとも言われるアレです。
Zippoが推奨しているのはZippoのライターオイル。世界で3億個以上販売されているZippoのオイルライターですから、コンビニやホームセンター、ドラッグストアなどいろいろな店で購入できます。
それでは早速使い方をチェック!
付属の注油カップにZippoオイルを規定量だけ注ぎ入れます。
1回分のオイルは約20cc。小さいライターオイル1缶(135cc)で6〜7回使える計算です。
バーナー部分を取り外し、中央の丸い穴から本体の中にZippoオイルを注ぎこみます。購入後、初めて注ぐ場合は内部の綿状のものに染みこむまで時間がかかるので本体を立てた状態で、2〜3分キープするといいようです。
気をつけたいのが、バーナー部分をつけたまま注いでしまうこと。シーズンはじめなど、うっかりバーナーをつけたまま注ぐことがありますが、脇からダバダバ漏れます。お気をつけあれ。
もしバーナーをつけたまま注油してしまった場合、ドライヤーなどの温風を遠くからあてて乾燥させてから炎であたためましょう。オイルがついたまま着火すると劣化の原因になりますよ。
さて、きちんとオイルを注いだらティッシュなどを敷き、その上で本体を逆さまにして余分なオイルを抜いておきます。
注油カップで計量していても、内部にオイルが残っていて規定量以上のオイルが入っている場合があるので、この作業をしておくほうが安心。また、こぼれたオイルはティッシュで拭き取ることも忘れずに。そうして使い終わったティッシュは、火の気に近づけないように捨てましょう。
触媒がついたバーナーを取り付け、マッチやZippoのオイルライターなどでバーナー部分をあたためます。
「ハンドウォーマー」は炎ではなく触媒作用を利用するので炎は不要。あくまでバーナーをあたためるだけなので5〜10秒ほど炎を当てるだけで十分なんです。
また、最近は青い炎が出るライターが人気ですが、これでは触媒を傷める危険があるのでオレンジ色の炎であたためることも大切。
炎が出ないのであたたかくなるのか不安ですが、少しずつバーナー部分から熱くなってきます。
うまく写真を撮れませんでしたが、キャップをバーナーに被るよう当てると蒸気で金属キャップが曇ります。これを確認できれば点火できている証拠。
数分で熱々になるので手早くキャップを被せ、付属の袋に入れて使用開始!
■においは思ったほど気にならない
ライター用オイルを使うので「ハンドウォーマー」を室内で口の前あたりに持っていくとわずかににおいを感じますが、「ハンドウォーマー」はアウトドア用。風などの影響を受けるのでさほどキツいにおいではありません。
とはいえ不意ににおいを感じることがあるので、首周りを温めたいときは背中側のほうがいいでしょう。
また、炎は見えませんが内部では燃焼しているわけで、燃焼には空気が不可欠。
肌に近づけて効率よくあたたまろうと重ね着したウエアの一番奥に入れると、うまく空気を取り込めず立ち消えする場合があるんだとか。立ち消えしなくても低温やけどの危険があるので、アウターのポケットに突っ込むのが一番いいのかもしれません。
SNSなどには「バーナーのために購入したホワイトガソリンで代用している」なんてコメントを見ることがあります。
キャンパーとしては魅力的な提案ですが、似ていても専用オイルとは違うのでにおいや添加剤によるダメージなどが心配です。
それにホワイトガソリンよりも圧倒的にZippoのライターオイルのほうが手に入れやすい。安全と快適が担保された指定オイルのほうが気持ちよく使えます。
2000年代に手に入れた「ハンディウォーマー」と並べたところ、Zippo「ハンドウォーマー」の基本構造は20年近く変わっておらず、全体のサイズ感もほぼ変わっていないことがわかります。
もっとも本体の底は旧モデルが丸いのに対し、現行モデルは平らな部分が多くオイル注入時に安定するデザイン。微妙にですが確実に進化しているのがたまりません。
−20℃でも使えるよう設計されていて、1回の注油で約12時間連続使用OK。
電気式カイロよりも安定しているし、使い捨てカイロのように氷点下で発熱しづらいなんてこともありません。
ほかの火器同様、冷めるまで燃料を注ぎ足せないし、飛行機移動時は燃料はおろか本体も機内に持ち込めません。そこらへんのちょっぴり不便さはありますが、圧倒的なぬくもりは正義! 通勤からキャンプ、スポーツ観戦などあらゆるアウトドアシーンを助けてくれますよ。
>> マルカイコーポレーション
<取材・文/大森弘恵>
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/570717/
- Source:&GP
- Author:&GP