MM総研は、2023年度上期(2023年4月〜9月)における国内パソコン出荷台数を発表しました。全体では3年連続の減少となっていますが、個人向け市場ではAppleのMacが出荷台数を伸ばし、メーカー別シェアで2位に躍進しています。
■3行で分かる、この記事のポイント
1. 2023年度上期の国内PC出荷台数は537.9万台で3年連続減少。
2. 個人向け市場ではAppleのMacが出荷台数を増やし、シェア3位から2位に。
3. 平均出荷単価は11.5万円で、コロナ禍前から約2.5万円上昇。
2023年度上期の国内PC出荷は537.9万台
MM総研によると、2023年度上期の国内パソコン出荷台数は537.9万台で、前年度同期比2.7%減少し、3年連続での減少となりました。
出荷台数減少の要因として、コロナ特需の消失、円安による製品価格上昇、Windows10のサポートが2025年10月に終了するのを前にした買い控えなどがあるとみられます。
メーカー別シェアの首位は、NECレノボの23.0%(前年度同期比0.2ポイント減)でした。Appleのシェアは7.2%(同1.1ポイント増)で6位でした。
製品出荷価格は11.5万円で、コロナ禍の前と比べて2.5万円近く上昇しており、買い替えを鈍らせる要因となっています。
主要メーカーの出荷台数をみると、前年度同期比で出荷台数を伸ばしたのは5位のDynabook(46.8万台、前年度同期比105.9%)と6位のApple(38.5万台、同113.9%)の2社でした。
個人向け市場、Macがシェア2位に躍進
個人向けPCの出荷台数は174万台で、前年度同期比で5.9%減少しています。出荷台数全体に占める割合は32.4%で、前年度同期の33.5%から1.1ポイント低下しています。
メーカー別シェアでは、NECレノボが21.6%でトップでした。2位はApple(シェア17.5%)で、前年同期の3位から2位へとランクアップしています。
品不足を解消して以降、デスクトップ、ノートブックともに出荷台数を伸ばしているAppleは、出荷台数を前年同期の26.5万台から30.5万台へと増やし(前年同期比15.1%増)、シェアを14.3%から17.5%へと伸ばしています。
法人市場は1.0%減、年度下期には買い替え需要で出荷増加か
法人市場の出荷台数は363.9万台で、前年度同期比1.0%減でした。この減少はGIGAスクール特需の反動が若干残ったことによる影響で、GIGAスクール需要を除くと3.0%とプラス成長しています。
メーカー別では、NECレノボがシェア23.6%でトップでした。
2023年度下期以降は、Windows10の延長サポート終了が2025年10月で終了することを見据えた買い替え需要があるとみられます。また、2024年度から2026年度にかけて端末の更新を控えているため、需要増が見込まれます。
平均出荷単価は11.5万円、コロナ禍前から2.5万円増
2023年度下半期の平均出荷単価は11.5万円で、コロナ禍前の2019年度上期(9.1万円)から約2.5万円上昇しています。
MM総研は端末価格上昇の要因を、デジタルトランスフォーメーション(DX)や人工知能(AI)の進展に伴うハイスペックPCの需要増、円安による製品価格高騰によるものと分析しています。在宅勤務が増加した現在、ハイスペックなモバイルノートやノートブックの需要が高くなっています。
2024年度には出荷台数増加の見込み
2023年度下期も、パソコン出荷台数の減少が見込まれているものの、2024年度には買い替え需要による台数増加が見込まれます。
2023年度上期の出荷台数は前年度同期比2.7%減少していますが、出荷金額は6,205億円で前年同期比3.2%増加しています。
Source:MM総研
Photo:Apple
(hato)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-561241/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania