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複雑な交通事情にも対応するインド初の自動運転スタートアップ「Minus Zero」。AIとカメラを活用した完全自律走行車に期待

インドのベンガルールに拠点を置くMinus Zeroは、2021年にガガンディープ・リーハル(Gagandeep Reehal)氏とグルシムラン・カルラ(Gursimran Kalra)氏によって設立された。この新興企業は、自動運転車の分野で印象的な進歩を遂げ、インドで初となるAI駆動型の自動運転車「zPod」を発表した。

移動そのもののコストを損失と捉え、その再定義を目指している。

インドから生まれた未来の自動運転車「zPod」

「zPod」は、Level 5の自律走行能力を備え、あらゆる環境と地理的制約の中で運転可能である車である。これは、すべての運転条件と環境で人間の介入なしに操作できることを意味し、現行の自動運転技術における最高レベルを示す。

Minus Zeroが開発したこの電気自動車は、「NIA」と「TVA」という独自の技術を駆使して革新的なソリューションを提供。

「NIA」は、人間の脳内のニューロンの計算に基づいており、学習、行動認識、適応、エピソード記憶、予測的意思決定を行う。

一方の「TVA」は完全にカメラベースで、ロボタクシー、物流、ラストマイル配送、個人輸送など、さまざまな用途に簡単にスケールアップできる。

「True Vision Autonomy」(TVA)技術は、高解像度カメラのネットワークを主要なセンサーシステムとして使用し、周囲のリアルタイム画像をAIシステムが処理することで、ナビゲーション、速度制御、障害物回避を行う。このカメラベースのアプローチは、手頃な価格で新しい自動運転の可能性を広げている。

この2つの技術を利用することによって、より安全で効率的な自動運転機能の開発に貢献することを目指しているのが「zPod」だ。

それ自体が印象的なデザインの車両であるが、同社は、同社が車両メーカーではなく、あくまで堅牢なAIベースの自動運転技術のデモンストレーションとしてこの車両を使用していることを強調している。

「zPod」に寄せられる期待はさらに大きく

「zPod」の初期の使用事例は、技術公園、大学キャンパス、企業キャンパスなど、特定の制御環境内での移動に限定されているが、常に技術を微調整しながら、定義されたエリア内で効率的な移動ソリューションを提供している。

インドをはじめとした東南アジア諸国では、道路が未整備で交通ルールの遵守がままならない地域も多い。道路環境や交通ルールの未整備、あるいは自然の多く残る地域では野生動物の出現など、自動運転には多くの困難がある中、現状を打破しようとしているのがMinus Zeroだ。

複雑な交通状況や予測不可能なシナリオにおいても、安全で信頼性の高い自動運転を実現するための道を切り開いている。同社の革新的な技術と独自のアプローチは、インドだけでなく、世界の自動車業界においても注目されており、将来の発展に期待が寄せられている。

文・Alley(有吉隆浩)

参考・引用
Business Today
Minus Zero

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