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デスクワーカーならこだわりたい!専門店が教えるワーキングチェアの選び方【最新テレワークギア&仕事の靴/鞄/文具】

【最新テレワークギア&仕事の靴/鞄/文具】

在宅勤務環境を整えるために欠かせないワークチェア。ただ座るだけのイスとは違い、人体の構造を研究し長時間座っても体への負担が少なくなるよう設計されている。ビジネスマンにとって体は資本! 正しい座り方と製品選びのコツを聞いた。

*  *  *

店内に選りすぐったワークチェアが常時70脚ほど並ぶ「WORKAHOLIC」。

ここでは、チェアコンシェルジュと呼ばれるプロが付き添い、一緒に製品選びを手伝ってくれるサービスが好評だ。ここでのチェア選びは「病院での問診のようなヒアリングから始まります」と伊藤僚範さんは話す。

「お客様の相談で一番多いのが肩こり、首こり、腰痛といった体の悩み。実際に普段の座り方を見せてもらうと、机に腕を乗せて頭を前に出す前傾姿勢、次にイスにもたれて腰を前に出す仙骨座りが多いですね。どちらも背中が丸まっており、ボウリングの球ほどの重さがある頭を背骨や骨格で支えられず、首や背中に負荷がかかってしまいます」

ワークチェアは決して安価なものではない。だからこそ、まずは正しい姿勢を知ったうえで各製品の特徴や機能をプロと一緒に比較するのが“正解”への近道のようだ。

「人間は元々体が動いていないとストレスを感じる生き物です。ずっと同じ姿勢で座り続けるのはたとえ正しいといわれる姿勢であっても少なからず負担がかかっています。少しでもその負担を減らし、姿勢づくりをサポートするためにはワークチェアが必要です。店頭で実際に座り、フィット感を確かめながら自分にあった一脚を探してほしいですね」

WORKAHOLIC チェアコンシェルジュ/伊藤僚範さん
仕事環境や身体の悩みをヒアリングしたうえで親身にチェア選びを手伝ってくれる「チェアコンシェルジュ」として勤務。座右の銘は「背もたれのように頼られる存在であれ」

 

WORKAHOLIC
住所:東京都中央区日本橋馬喰町2-7-15 ザ・パークレックス日本橋馬喰町 1F
営業時間:12:00-22:00(平日)/10:00-20:00(土日) ※木曜・祝日は休業、土日が祝日の場合は営業
電話:03-6550-9730

■プロが教える理想的な座り方がコチラ!

標準的な人間の姿勢とは、立っているときのように、S字を描いた背骨の上に頭が乗っている状態のこと。S字の背骨がクッションの役割となり頭の重さを支える。この基本姿勢を着席時にも再現できるのが理想だ。

▼肩と肘の位置を確認しよう!

肩こり防止のためには肩の位置から肘までの長さに合わせてアームレストを調節できるのが理想。

▼背面のS字カーブに注目!

ワークチェア選びの際も背もたれのS字カーブに自分の背中が合っているか確認すべし

▼お尻と腰をフィット!

まずはお尻をワークチェアの溝に沿わせるように着席し、お尻と腰をうまくフィットさせよう

▼座面の長さもチェック!

膝を90度に曲げた時、ふくらはぎと座面の間に指が1〜2本入るのがベスト。調節できると尚良し

▼こんな座り方はNG!

左の写真は頭が前に出ていて、右の写真はお尻が前に出すぎている。どちらも背骨がS字を描いていないので首や背中、肩に負担がかかってしまう。

 

■集中したいときにもリラックスしたいときにもコレ

Ergohuman
「PRO2 Ottoman」(15万1800円)

ハイブランドチェアのなかでオットマン付きは意外と少なく、店頭でもこれくらい。もちろん仕事中は使えませんが、休憩時や仕事終わりの映画鑑賞のときにはリラックスできてオススメです(伊藤さん)

前傾チルト機能搭載で、座面を前傾にすることで太もも裏の圧迫を防ぎ、デスクワークに集中できる。体を休めてゆったりと読書などをしたいときには、オットマンを引き出して足を預けてリラックスできる。4Dアームレストやヘッドレストの角度調節もできるフラッグシップモデル。

▲2023年8月にモデルチェンジを行ったが、独立式ランバーサポートは本モデルの変わらない特徴だ

 

■機能性盛りだくさんでコスパ良好

Ergohuman
「ENJOY2 High」(9万9000円)

やはり背面のメッシュは通気性が良く、暑がりな方にも人気が高いです。こちらも8月にモデルチェンジしましたが、価格は据え置きでお買い得なまま。手の届きやすいモデルです(伊藤さん)

オットマンこそないが座面前傾チルト機能や4Dアームレストなど、エルゴヒューマンの基本的な機能を搭載しておりコスパにも優れる。着座した時に背中全体をランバーサポート一体型の背もたれが支えてくれるので、長時間座り続けるデスクワーカーにオススメだ。

▲アームレストが内側に大きく可動するので、体格にとらわれることなく腕を乗せるポイントが作りやすい

 

■デザインや機能はそのままに環境に配慮して進化

Herman Miller
「Aeron Chair Remastered」(24万9700円)

メッシュのワークチェアを初めて世に出したと言われるのがこの「ハーマンミラー」です。このモデルは前傾姿勢にできるので、ペンを使った書き仕事やイラスト仕事をする方に特に好まれています(伊藤さん)

人間工学に基づいて設計されたハイクオリティなワークチェアの決定版。優れた体圧分散と、脊椎全体をサポートするバランスの取れたデザインは1994年の発売以来愛され続けている。リサイクル素材と海洋プラスチックを取り入れることで地球に優しいチェアに進化した。

▲「ポスチャーフィット」という独自機構を搭載。2枚のパッドが仙骨はもちろん腰椎もしっかりサポート

 

■360度グライディングで揺れながら集中力も持続

KOKUYO
「Ing」(13万3760円)

筋肉を動かすことで血流も良くなるので、長時間作業するときは適度に動くのがオススメ。私も動かずにずっと座り続けるのが苦手なので、会社ではこのチェアを愛用しています(伊藤さん)

2層のメカの組み合わせによって、前後左右に揺れることができる360°グライディング機能が新しい。体をサポートしながらまるでバランスボールに乗っているように体を揺らすことができるので、運動効果も期待できる。この心地よいリズムで自然と作業に集中できるハズ。

▲座面が自由に動き、座る人の動きに追随。じっとしていても、体を動かしても、自分が働きやすい姿勢をサポートしてくれる

 

■ハイエンドモデル直系の快適な座り心地

OKAMURA
「Baron」(21万5490円)

男女問わず人気です。男性なら身長170センチ前後ぐらいの方と相性が良いですね。店頭のモデルは「オカムラ」に依頼して脚部をブラックにした別注モデル。シックでカッコいいです!(伊藤さん)

スタイリッシュなデザインで自宅にも溶け込みやすく、日本人の体格にフィットしやすい。背もたれのグラデーションサポートメッシュは部分ごとに密度を変えて硬さにグラデーションを付けている。腰回りはしっかり支え、背中はソフトにフィットするのが特徴だ。

▲大型のヘッドレストは、高さはもちろん前後にも調整可能。前に出すことで首への負担を軽減してくれる

 

■多様な姿勢&デバイス&環境を考慮した設計

Steelcase
「Gesture(USモデル)」(23万9800円)

アームレストを自由に動かせるのが大きな特徴。体の大きな人でもアームを広げれば座りやすいですし、反対に狭くすればスマホを触るときに支えにもなって便利です(伊藤さん)

人体の一部のようにシンクロして背面と座面が動くような設計は、様々な姿勢や体格に対応。さらにはスマートフォンやPCなどデバイス毎の姿勢の違いにも注目し、9つのタイプの座位姿勢に追従するようアームレストを自在に動かせるなど、豊富な可変性が特徴のチェアだ。

▲ファブリック生地のモデルが多いアメリカメーカーのなかでも、特にファブリックの種類が充実。豊富なカラーから自分好みのものをチョイスできる

 

■メッシュでもファブリックでもないエラストマー素材がユニーク

ITOKI
「Act」(12万2430円)

メッシュ同様に蒸れにくいですが、メッシュよりも動きはすごく柔らかいのがユニーク。背もたれの縁まで柔軟性に優れています。ただ座ったときだけでなく、体をねじっても密着感がありますね(伊藤さん)

座り心地も特徴的な背面のエストラマー素材は見た目にもスタイリッシュで部屋でも存在感バッチリ。加えてファブリックラインはインテリアに馴染む美しいデザインだ。肩の動きに合わせて追従するピポット機能や、座面のスライド機能が搭載されており、機能性も申し分ない。

▲背面のフレームは上部と下部を柔らかなパーツで繋ぐ。この部分がねじれることで、人の肩の動きに連動することができる

 

■独自開発のメッシュ生地で圧迫感を緩和

Steelcase
「Karman」(18万4980円)

「スチールケース」の新作チェア。座面はメッシュですがその下にクッション素材を入れたことで、メッシュ独自のハリ感を軽減。蒸れにくく座り心地も良い「いいとこ取り」なモデルです(伊藤さん)

独自開発の「インターミックス」生地はバネのような弾力性で、メッシュチェアの欠点であった大腿部や背中への圧迫感を緩和することを可能にした。体重感知機構や4Dアームレストなどのワークチェアに欲しい機能も備えている。独特な風合いで見た目も美しい。

▲座面や背もたれのエッジ部分にはプラスチック製の柔軟な素材を採用。体が触れても違和感が少なく座りやすい

※2023年11月6日発売「GoodsPress」12月号40-43ページの記事をもとに構成しています

>> 特集【最新テレワークギア&仕事の靴/鞄/文具】

<文/山本晃平 写真/逢坂聡>

 

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