【アウトドア銘品図鑑】
2000年代後期に登場したLEDランタンはキャンプの夜をガラリと変えました。テントやタープの下を安全に光で満たしてくれるLEDランタンは、衝撃に強くて虫が寄りにくいというおまけ付き。それまで主流だった燃焼系から、瞬く間にLEDがメインの光となったのはご存じの通りです。
LEDランタン登場から約20年、その間にバッテリーの進化という後押しもあり、手のひらサイズの小型ランタンでも2〜3泊なら充電不要が当たり前。そのため防災アイテムとしても注目されているLEDランタンですが、スマホなんかと同じで充放電を繰り返すとだんだん点灯時間は短くなるし、しばらく使っていないと放電されていざというときに「電池がない!」と慌ててしまうんですね。
同じく防災アイテムと名高いポータブル電源やモバイルバッテリーには、放電しづらくて安全性の高いリン酸鉄リチウムイオン電池搭載モデルが続々登場していますが、ついに小型ランタンにもリン酸鉄を採用したプロダクトが誕生、話題となりました。それがNATURA「B.F.F」(6600円)です。
■しっかり持てるサイズ感
「B.F.F」に搭載されているリン酸鉄リチウムイオン電池はコンパクト化しづらいのですが、ほかのリチウムイオン電池のサイクル回数が500回ほどなのに対して2000〜2500回と高寿命。さらに自己放電率が1カ月に1%ほどと非常に少ない、安全、寒冷地に強いという“大きさ”を補って余りあるメリットを有しています。
「B.F.F」の内蔵電池がリン酸鉄であるためでしょう、決して超コンパクトではありませんがポケットに入れてスマートに持ち運べる絶妙なサイズ感。小さすぎると見失うし、大きいと収納に困る。収納性と存在感をいい具合にカバーしあっている印象です。
手にすると思いのほかズッシリ。“持ってる”って感じがするし、テーブルに立てたときの安定感はさすが。
この重量感は、ライトの反対側に強力マグネットとネジ穴を装備していることも関係してそうです。
■アンバー色の光がいい感じ
ボタンはひとつだけで、これを長押しするとオン/オフ。短めに押すとモードが変わります。
ボタンはフラットで、指で触っても意識していないとどこがボタンかわからないほどです。
それほどフラットであればピンポイントを指先で押し込むのが大変なイメージですが、親指をボタンに載せて軽い力でクリックするのみ。これがイイ。
ただ、暗くなってからボタンを探り当てるのはちょっと大変かも。
ボタンを押すごとに、電球色の強→中→弱、アンバーの強→中→弱、電球色とアンバーの同時点灯→懐中電灯(白昼色)→フラッシュ(白昼色)→SOS(白昼色)の順番に変わります。
アンバー色は虫が寄りつきにくい効果があるとも言われていて、これが標準で設定されているのは大きなアドバンテージ。
下部ランタンは、吊したときに光がいい感じに広がるよう下がすぼまっています。暗闇が苦手な子がいるファミリーなら、アンバーの弱を灯し、逆さまにしてテント入り口の床に置いて常夜灯替わりにしてもいいかも。
内蔵電池への充電はtype-Cポートから行います。1.5〜2時間ほどで満充電できるので、キャンプ後の車内で充電しておけば帰宅後、すぐに備えられるというわけ。
こちらのtype-Cポートはキャップをきちんと被せておけば、雨に当たっても問題なし。シャワールームの明かりとして使えるほど高い防水性も自慢です。
■“いざ”に備えた機能がうれしい
「B.F.F」の連続点灯時間は、フラッシュで25時間、ランタンの同時点灯で24時間。電球色の弱なら55時間ほど。
冬キャンプだと夕方4時すぎから消灯時間となる夜10時頃まで6時間ほど光が必要となりますが、充電なしでも1〜2泊なら余裕。気温など環境によりますが3〜4泊でも保ちそうです。
内蔵バッテリーは4000mAhで、満充電ならスマートフォンを1〜1.5回充電できる容量。
1〜2泊のキャンプで明かりを灯しても容量を使い切るわけではないので、モバイルバッテリー替わりにちょこっと充電ができるんです。持参したモバイルバッテリーに雨がかかって使えなくなっちゃった! なんてときも安心ですね。
こうした機能は災害時でも大いに役立ちます。しかも業界初のリン酸鉄リチウムイオン電池搭載で、備えとしてはバッチリ。
近頃はマグネットで浮かす収納が人気で、キッチンや玄関ドアをマグネット対応にしている家庭も多いわけで、ここに「B.F.F」をくっつければいざというときも慌てず活用できそう。しまい込まないのでキャンプへの持ちだし忘れも防げますよ。
撮影協力/SYRIDE
>> SYRIDE
<取材・文/大森弘恵>
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/573350/
- Source:&GP
- Author:&GP