Appleは現地時間12月13日、iPhoneやMacをユーザーが修理できる「セルフサービス・リペア・プログラム」の対象として、iPhone15シリーズやM2ファミリープロセッサ搭載Macを追加しました。Apple正規サービスプロバイダと同等の製品診断プログラムの提供も開始されます。対象国としてヨーロッパの24カ国が追加されていますが、日本は対象となっていません。
■3行で分かる、この記事のポイント
1. Appleのセルフサービス・リペア・プログラムの対象にiPhone15、M2 Macが追加。
2. ヨーロッパで対象国が24カ国追加されたが、日本は対象外のまま。
3. 製品診断用プログラムも、アメリカとヨーロッパで順次提供される。
最新のiPhone15シリーズもセルフ修理の対象に
Appleは現地時間12月13日、ユーザーが製品を修理可能にする「セルフサービス・リペア・プログラム」の対象として、iPhone15シリーズのほか、M2シリーズプロセッサを搭載するMacBook Pro(14インチ/16インチ)、15インチMacBook Air、Mac mini、Mac Pro、Mac Studioを追加すると発表しました。
2022年4月のサービス提供開始当初、iPhone12シリーズ、iPhone13シリーズ、iPhone SE(第3世代)のみが対象だった同プログラムの対象製品は、35製品にまで拡大しています。
提供地域をヨーロッパで追加、33カ国に(日本は未提供)
Appleはセルフサービス・リペア・プログラムの提供地域として、ヨーロッパ圏の24の国(クロアチア、デンマーク、ギリシャ、オランダ、ポルトガル、スイスなど)を追加すると発表しました。
今回の対象地域追加により、Appleのセルフサービス・リペア・プログラムは、33カ国・24の言語圏で利用可能となりました。
残念ながら、現時点では日本はサービス提供地域に含まれておらず、今後の提供予定についての発表もありません。
製品診断プログラムの提供も開始
Appleは対象製品と地域の追加に加えて、Apple製品修理の知識と経験を持つユーザーを対象に、製品診断プログラムを提供することも発表しています。
この診断プログラムは、Apple正規サービスプロバイダや、Appleの認定を受けた独立系サービスプロバイダで利用されているのと同等のもので、交換の必要な部品を素早く特定でき、効率的な修理が可能となります。
診断プログラムはまずアメリカで提供が開始され、2024年にはヨーロッパでも提供される予定です。
Apple「知識・経験のない方はプロに任せて」
Appleは、セルフサービス・リペア・プログラムの利用者向けに、Webサイトで詳細な修理マニュアルを公開し、修理用キットのレンタルサービスも提供しています。
しかし、iPhoneやMacの修理には、一定の経験と知識が必要で、誰にでも簡単にiPhoneを修理できるわけではありません。
Appleは、電子機器修理の経験のないユーザーに対して、Apple正規サービスプロバイダでプロによる安全で信頼できる修理を受けることを推奨しています。
日本では「技適」制度もありセルフ修理の提供は困難か
「修理する権利」に対応して提供されているAppleのセルフサービス・リペア・プログラムですが、日本では電波を使用する通信機器をユーザーが分解修理することは、電波法が定める技術基準適合証明(通称「技適」)に抵触してしまうため、日本での同サービス提供には、法制度の改正が待たれます。
仮に日本でサービスが提供されたとしても、実際に自分の手でiPhoneやMacを修理できるユーザーは多くはなく、多くのユーザーは修理をプロに委ねることとなるでしょう。
AppleのWebサイト、あるいは「Apple サポート」アプリで、Apple正規サービスプロバイダを検索・予約できます。
Apple正規サービスプロバイダとしては、カメラのキタムラ、ビックカメラ、C smartなどが全国的に店舗を展開しています。独立系修理プロバイダは、Apple正規部品を利用した修理サービス提供のためAppleの認定を受けた業者です。
iPhone Maniaでは、2021年3月に東北地方に初出店時のC smartや、日本で独立系修理プロバイダが認定された初期にサービスを提供開始した栃木県の企業に、認定取得に向けた苦労などをお聞きしたインタビュー記事も掲載しています。
Appleの修理業者検索ページの改善に期待
AppleのWebサイトの「Appleの修理」ページは、修理業者の名前と所在地を入力して、Apple正規サービスプロバイダ、あるいは独立系修理プロバイダに該当するかを確認できます。
ただし、この検索用フォームは「プロバイダ名」「都市」両方の入力が必須であり、都市名も「京都」「京都市」「京都市上京区」が混在しているなど、あまり使い勝手が良いとは言えません。Appleの純正部品での修理が受けられるお店を簡単に探せるよう、改善に期待したいところです。
Photo:Apple (1), (2)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-562066/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania