2023年の生成AIの市場規模は$14.1billion(約2兆円)、2019年比で11倍以上、2022年比で約6倍近くに拡大している。とりわけ、OpenAIが単体で約1兆円以上を占め、後を追うのがInflection、Anthropic、Adeptなどだ。
長期的には生成AIはまだ初期段階にあり、これからさらなる市場拡大が予想されている。そこで気になるのが、生まれたばかりのスタートアップの存在だ。今後の活躍が期待されている生成AIスタートアップ3社を、Crunchbaseのデータを参考に紹介していく。
GitHubをスケールアップする「XetHub」
「XetHub」は、ソースコード・インテグレーションの名称で、生成AIを使った商品開発やプログラミングに活用できるアプリケーションだ。PythonやCLI(コマンドラインインターフェース)、IDE(総合開発環境)など、多様なレポジトリーを1つに統括していける。すでに利用しているGitHubのアップグレードに最適だ。 運営会社は2021年設立、米国ワシントンを拠点とするXetData.Inc。AppleのMLデータ・マネジメント・プラットフォームの開発者 Yucheng Low氏がCEOを務める。同社の総資金調達額は 2023年6月の時点で$7.5 million(約10億円)を超え、シード期のスタートアップでは最大規模を誇る。料金プランは月額$240からで、現時点では英語版のみとなるが、制限つきの無料プランも提供している。
保険会社向けの生成AI「Sixfold AI」
Sixfoldは2023年5月、NYで設立されたばかりのスタートアップで、保険会社向けの生成AIを提供している。ここ数年で、ビックデータやAIによるデーター管理があらゆる分野において導入が進む中、以前から保険業界ではデジタル化の実現が難しいと言われていた。なぜなら、保険業務は、医療、警察、役所、裁判所など複雑で多岐に渡る公的書類の取り扱いも多く、業者ごとにレギュレーションも異なる。そもそもビジネスモデルとなる基準が存在しない。そこで、Sixfoldは保険業界のみに有益な生成AIの開発に取り組んでいる。
異なるファイル形式のデータを総合的に管理するRIPデータ・エクストラクションで、徹底して書類分けを自動化する。さらには、書類の作成から保険料金の設定や詐欺案件の検出も可能となる。まだ、日本では導入事例はないようだ。ライティングのクオリティを高める「HyperWrite」
ライティングのクオリティーを高めてくれる「HyperWrite」は、レポートやブログ、メールやSNSの作成に使える生成AIだ。ChatGPTを応用したアシスタントツールで、2020年にNYのスタートアップOthersideAIが提供を開始した。キーワードの入力で文章を作成するAutoWrite機能、Summarizerでは文章を要約、Rewriteは同じ内容を数パターンの文章で表現。作成した文章にMagic Editorを使えば、より的確で効果的な言い換えを提示してくれる。
他にも翻訳など100種類以上のツールから必要なアシスタント機能が選択できる仕組みだ。
英語の無料版はメールの登録だけで即お試しできる。有料プランは月額20ドル~。今後、さらなる拡大が見込まれる生成AI市場。次々に立ち上がる新興企業から目が離せない。
参考・引用元:
XetHub 公式サイト
Sixfold 公式サイト
HyperWrite公式サイト
Crunchbase
(文・MI001YOU)
- Original:https://techable.jp/archives/224397
- Source:Techable(テッカブル) -海外テックニュースメディア
- Author:Haruka Isobe