キャンプで焚き火を楽しむために必須な道具といえば、革手袋。汚れや怪我、火傷から手を守るため、必ず準備しておきたいものです。
ですが、なかなか「これだ!」というものに出合えなかったり、いいなと思ったものが高価だったりで、とりあえずワークマンやホームセンターなどで販売されている溶接用の革手袋使用している人もいるのでは。
そんな方々にピッタリな「使い勝手と価格のバランスが良いらしい」と噂の革手袋を入手。実際にキャンプで使ってみました。
■プロ向けグローブの老舗が作る人気の革手袋
今回ご紹介する革手袋は、プロ向けの作業用手袋を手がける東和コーポレーションの「EXTRA GUARD TAKIBI EG-014 TAKIBI」(実勢価格:1480円前後)。
1947年に創業の同社が「プロ仕様の革手袋をアウトドアシーンに」と2020年に発売を開始した商品です。
一般に革素材の柔らかさは、鹿が最も柔らかく、次に牛、豚の順だと言われています。柔らかければその分、ゴワつかず作業性も高くなるため、素材の柔らかさは革手袋選びに重要なポイントといえます。
そしてこの「EXTRA GUARD TAKIBI EG-014 TAKIBI」は厚みのある牛革仕様。にも関わらず、非常に柔らかく感じます。鹿革の手袋に比べると、さすがにゴワつきはありますが、それでも牛革でこの柔らかさなら期待値以上。
その秘密は、使用されている「牛床革」という素材にあるそう。牛の革の2層目を加工したもので、柔らかいのがその特徴。本革に比べて耐久性が弱いとされる床革ですが、その中でも十分に厚みのあるものを選んで使用しているようです。
加えて、オイル加工も施されているため、使い始めから柔らかさを実感できます。このオイル加工が重要で、未加工の革手袋ってすごく硬いんです。握り込もうとしても指が曲がりにくいし、なんなら少し痛い。強めに揉んでからじゃないと使いにくい。
その点、即使用できるこの柔らかさはかなりアリ。
ちなみに「EG-014 TAKIBI」は裏地にメッシュ加工を施したポリエステルを使用しているので、使用時のベタつきを抑えられているという特徴も。
さすがに長時間つけたままだと蒸れ感が多少は気になってきますが、不快に思うほどではありません。
さて、うんちくはほどほどに、果たして操作性はどうでしょうか。
薪割りをしてみましたが、厚みがある分ゴワつきは感じますが、ナイフも握り込めるし、薪をしっかり掴めるので、バトニング時も問題なし。
火ばさみの操作も◎。一般的なトング形状の火ばさみであれば、何も気にならずに使用できます。
ただ、ハサミのようなデザインの火ばさみを使う際は、多少操作が難しいかもしれません。
使い心地という点でも満足感を感じる仕上がりで、着用する際は、そのまま手をガボッと突っ込むだけ。
面ファスナーで手首を締めてフィットさせるタイプではありませんが、手首の絞りと指へのフィット感から、操作性への不満は感じません。
* * *
ホームセンターで見つけた、作業用手袋の老舗メーカーの焚き火用革手袋。実際に使ってみたところ、それも納得の仕上がりでした。ちなみにワークマンでも探したのですが、人気なのか売り切れでした。
手に取りやすい価格で、使い勝手は十分。「どんな革手袋を買えばいいか分からないけど、信頼できるメーカーのものを購入したい!」という人にはピッタリかも。
<取材・文/山口健壱>
山口健壱(ヤマケン)|1989年生まれ茨城県出身。脱サラし、日本全国をキャンプでめぐる旅ののち、千葉県のキャンプ場でスタッフを経験。メーカーの商品イラストや番組MCなどもつとめる。著書に「キャンプのあやしいルール真相解明〜根拠のない思い込みにサヨウナラ」(三才ブックス)
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/577903/
- Source:&GP
- Author:&GP