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ドリンクホルダーが不評のジムニー。そこで市販ドリンクホルダーの使い心地を試してみた

2023年10月にジムニーが納車されてから約3ヵ月。そのあたりから籠もり仕事が増えてなかなかクルマに乗れていないのですが、そんな中でもジムニーライフをぼちぼち楽しんでおります。

取材などでロングドライブをする際に意外と困っているのがペットボトルやコーヒーカップの置き場所です。

現代の軽自動車は限られたスペースの中にさまざまな収納を用意。ドリンクホルダーも手が届きやすい場所に乗車人数分設置されていて(前席は複数箇所用意されているものもあります)、しかもファミリーユースを想定したトールワゴンやスーパーハイトワゴンだと、牛乳パックや600ml以上の容量がある太いペットボトルも置けるようになっています。

ところが悪路走破性を高めたジムニーはフロアに副変速機やサイドブレーキのレバーがあったり、助手席前に大きなグリップがあったりするので、前席周りにドリンクホルダーを配置できる場所がありません。

そのためリンクホルダーはサイドブレーキの後ろ側、「これって後席用だよね?」と言わんばかりの場所に申し訳なさそうに配置されています。運転時は後ろに手を伸ばしてペットボトルなどを取るのですが、これが非常に使いづらい。ジムニー乗りの間では『ドリンクホルダー問題』と言われています。

それもあり、アフターパーツメーカーからさまざまなジムニー専用のドリンクホルダーが販売されています。私もタイプの違うドリンクホルダーを3つ入手し、使い勝手を試してみることにしました。

■タイプの異なる3つのドリンクホルダーの使い勝手をチェック

今回試してみるドリンクホルダーは次の3つです。いずれもJB64ジムニー/JB74ジムニーシエラ専用モデルになります。

・APIO「フリップアップドリンクホルダー」5500円
・カーメイト「ジムニー専用ドリンクホルダー2」3850円
・(メーカー不明)「JIOQY」2800円前後(※アマゾン販売価格)

ジムニーカスタムの老舗ブランドであるAPIO、大手カー用品ブランドであるカーメイトという安心感の高い2つの製品をチョイス。最後の製品は、アマゾンで私が選んだものは“アズーリプロデュース”というブランド名でしたが、同じ製品が複数のブランドから発売されていることがアマゾンで確認できました。

 

■まずは3つの製品を取り付け。どれも設置は簡単にできます

では、それぞれの製品をクルマに取り付けていきましょう。

▼APIO「フリップアップドリンクホルダー」| エアコンルーバーを使って固定

箱の中には、以下のものが入っています。

ホルダー、ベース、クッション、クリップ、ビス2個、回転止めテープ2枚、六角レンチ。

取り付け方法はドリンクホルダーが世に登場してから定番である、エアコンルーバー固定型。まずはジムニーのエアコンルーバーを開けて、上から押しても閉じない向きで水平にします。そして、設置後にルーバーが回転しないよう、ルーバーを回転止めテープで固定します。ルーバーの向きを逆にしてしまうと取り付け後にぐらついてしまうので気をつけてください。

ベースにクッションをはめ込み、裏にクリップをつけてビスを使って仮止めします。そしてクリップがルーバーの上側に入るように設置したら、ビスを締めてベースをルーバーに固定します。実はこの際、手が滑ってビスを落としてルーバーの中に入ってしまいました。ルーバーが斜め上向きになっているのでそのまま滑っていきます。幸い途中で引っかかったのでなんとか取り出すことができましたが、もし引っかからなければ完全に内部に入ってしまい大騒ぎでした……。みなさん、作業時は気をつけてくださいね。

ホルダーの付けをベース側の溝に合わせ、時計回りに「カチッ」と言うまで回して取り付け完了。作業時間は説明書を見ながらでも10分弱で終わりました。

 

▼カーメイト「ジムニー専用ドリンクホルダー2」| 4ヶ所に取り付け可能

カーメイトのドリンクホルダーは『ステアリングサイド』『助手席乗降グリップ』『運転席側ドアグリップ』『助手席側ドアグリップ』の4ヶ所に取り付けられるようになっています。今回は助手席乗降グリップに取り付け、妻の意見なども聞きながら使用感を試していこうと思います。取り付け方法は場所によって異なります。

箱の中に入っているものは以下の通り。

本体、フック、ボルト、スペーサー、スポンジテープ2枚、キャップ。

また、取り付け時にラジオペンチやプライヤー、6mmの六角レンチが必要です。

まずはラジオペンチを使って、助手席乗降グリップのドア側のゴムキャップを取り外します。取り付け後はゴムキャップを使用しませんが、ドリンクホルダーを外したり別のものに変えたりする際にゴムキャップがないと困るのでなくさないようにしましょう。

本体の左の穴と中央の穴をキャップで塞ぎます。キャップはAとB、2種類あるので、指示に従って取り付けます。

本体に粘着テープを付けて、右側の穴にフックを通してボルトで固定します。ボルトをきつく締めすぎるとグリップに跡がついてしまう可能性があるので要注意。作業は5分程度で完了しました。

 

▼「JIOQY」| 置くだけで完了な超簡単設計

こちらはセンターフロアに本体を置くだけで設置が完了します。

本体裏にマジックテープがついているので、設置後はズレたりしません。もちろん取り外しも簡単にできます。パッケージには「現車採寸の専用設計」と書かれているだけあり、トランスミッションレバー、副変速機レバー、サイドブレーキの間にすっぽりはまります。無駄な隙間がないのもいいですね。

取り付け後は付属の滑り止め用マットを敷いて完了。マットは3色入っているので、好みのものを使いましょう。私は2024年のラッキーカラーをチョイスしました(笑)。

■3つの製品の使い心地は?

ここからはそれぞれの製品の使用感をリポートしていきます。

▼APIO「フリップアップドリンクホルダー」| デザインが秀逸! 主張しすぎない感じが◎

APIOのフリップアップドリンクホルダーの素晴らしい部分は、ドリンクホルダーとして使用していないときのデザインが秀逸なこと。さすが、スタイリッシュなカスタムに定評がある人気ブランドが手掛けただけのことはありますね。素材感もジムニーのインパネにマッチしているので、後付けの製品なのにまるで最初からついている装備のようにすら感じます。中央にさりげなく配置されたブランドロゴもオシャレ!

ドリンクホルダーとして展開するときは、まず外側のリングを上に上げ、ホルダーを下に下げる形になります。ペットボトルはサイズによって太さがまちまち。細めのものを入れると走行中に動いてしまう可能性があるため、そんなときはリング部を少し下げて使います。

写真は500mlのペットボトル。これだとリングを少し下げて使うのがベスト。最近増えている600mlオーバーの容量になっている太めのペットボトルを試してはいませんが、リング部には余裕があって下のホルダー部にも隙間があるので、問題なく使えるでしょう。

ちょっと気になったのはこちら。コンビニで買うSサイズのコーヒーカップです。写真で見ると普通に見えますが、運転席に座りながらカップを取ろうとすると、上部があまり出ていないのでリッドの下あたりに手をかけることになります。そのため、リッドが取れてしまうかもと感じることがありました。しかもホルダーのリング部分にカップがピタッと密着しているのでうまくカップを取れないこともありました。

でもドリンクホルダーはさっと手が届く位置にあり、ペットボトルなどを置いてもステアリング操作に干渉することもありません。強いて難点を挙げるなら、本体をエアコンルーバーに固定しているため、ルーバーを閉じられないこと。我が家は私と妻で快適に感じる室内温度が結構違うため、冷房使用時に私が快適な温度設定にしていると「寒い」と言われることが多々あります。そんなときは妻側のエアコンルーバーを閉じることで解決していたので、これを両側に取り付けたときは夏場にどうやって温度調整をすればいいかなと考えました。

でも見た目もいいし、かなり気に入りました。一つ5000円を超える価格はかなり強気なので、これに納得できるなら自信をもって勧められる製品です。

 

▼カーメイト「ジムニー専用ドリンクホルダー2」| インパネ側に設置すればかなり使いやすい

取り付け編でも書いたように、この製品は車両のボルト穴を利用するので、「ステアリングサイド」「助手席乗降グリップ」「運転席側ドアグリップ」「助手席側ドアグリップ」の4ヶ所に取り付けられること。ただ、仮置きしてみたところ、室内スペースに限りがあるジムニーなので、ドアグリップに付けるとふとした時に足に当たってしまうかなと感じました。ドア開閉時にドリンクホルダーにカップなどを入れておくのもこぼしそうで怖いので、ステアリングサイドか助手席乗降グリップに取り付けるのが無難だと思います。

取り付け位置はエアコンルーバー固定タイプのものとほぼ変わりませんが、ルーバーには干渉していないので、ルーバーを閉じることもできます。APIOの製品のところで触れた“我が家の事情”を解決するのに適しています。

ペットボトルを置くとこんな感じです。ホルダー部と上部のリング部の間隔が狭いため、最初に使ったときは「もしかしたら意外と不安定で発進時やブレーキングでペットボトルが落ちるかも……」と感じましたが、私が使う中でそのようなことはなかったので一安心。リング内にはペットボトルに合わせてリングサイズを調整できるスライドウォールもついています。ただ、林道などを走る際は念のためペットボトルなどを入れないほうがいいかもしれません。

カップを置くとこんな感じ。上部がこれだけ出ているので非常に出し入れしやすいです。APIOの製品のように畳むことはできませんが、本体はインパネや助手席乗降グリップのシボ感とマッチするデザインになっているので、使用しない時も違和感がありません。取り付けで使ったボルトをコンビニフックとして活用することができるのも便利なアイデアです。

実際に使ってみると、助手席側ドアグリップに取り付けた場合限定で気になることがひとつ……。助手席側のエアコンルーバーよりも乗員側にあるドアグリップにつけることで、ペットボトルなどを入れた際に微妙にドアミラーの視界に干渉してしまうのです。背が高くシートを後ろに下げている私のドラポジだとミラー内に映る左側ボディが少し隠れるくらいなのでなんとかなりますが、背が低くシートポジションを前よりにする人だと干渉範囲が大きくなるかもしれません。このあたりはミラーの角度などを各自で調整して対応しましょう。

 

▼「JIOQY」| すっと手が伸びる場所にあるので、なにげに一番使いやすい!

現在、多くのクルマはドリンクホルダーがセンターコンソール付近に配置されています。この製品も副変速機の位置にドリンクホルダーを設置できるので、ペットボトルやコーヒーカップが非常に取りやすく、とても便利です。飲み物以外にちょっとした小物や小銭、カードも置くことができるのもメリットです。

ホコリやゴミが中に入っても滑り止めマットを簡単に外せるので楽に掃除することができます。

背が高いペットボトルだと2速の位置にレバーがある際にペットボトルに手が触れることもありましたが、邪魔だなと感じるほどではありません。

あえて弱点を挙げるとしたら、ここには1人分のドリンクホルダーしか設置できないこと。2人で乗る機会が多い場合はエアコンルーバーなどに助手席用のドリンクホルダーを取り付けるか、助手席に乗る人には『ドリンクホルダー問題』を抱えた標準でついているものを使ってもらうか、ですね(助手席の人は運転するわけではないので、標準のものを使ってもそこまで不便を感じることはないので)。

もう1つの難点はプラスチック感が強く安っぽく見えてしまうこと。他の2つの製品より値段がかなり安いので仕方ない部分ではありますが……。

なお、今回テストしたのはMT車専用品で、AT車用は形状が異なります(トランスミッション側の小物入れがなくなります)。購入時は間違えないよう注意してください。

<取材・文/高橋満(ブリッジマン)>

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