【アウトドア銘品図鑑】
ユニフレームの「焚き火テーブル」は言わずと知れたキャンプ好きの“神アイテム”です。
オートキャンプブームが一段落した1990年代後半〜2000年、キャンパーが密かに夢中になっていたのがダッチオーブン。ユニフレームでも2001年に、鋳物ではない黒皮鉄板のダッチオーブンを発売し、ごはんをおいしく炊けると話題になったのですが、いかんせん熱いフタの置き場に困る! かといって食材がはいった熱々の鍋を地面に置くのもためらわれます。
そんな声を拾い上げ、2003年に登場したのが「焚き火テーブル」(7920円)。持ち運びやすくて耐荷重も抜群、焚き火時間じゃなくてもサイドテーブルとして使えるとあって、一家に1台は当たり前に。ロースタイルが主流となった現在では2台持ち、3台持ちのキャンパーも珍しくありません。
初登場から20年を越えてもなお愛される「焚き火テーブル」の魅力とは? そして昨年リリースされた初オプション「焚き火テーブル レッグラック」(2750円)の使い勝手とは?
■薄い!組み立て簡単!
いろいろなアウトドアメーカーがテーブルを販売していますが、その多くが天板に取り付けられた脚を広げるか、脚をねじ込むか。
「焚き火テーブル」の場合、脚を天板裏のフチに引っかけるというありそうでなかった構造です。
天板は両側は天然木。残りの2辺は折り曲げられていて、脚がぴったり収まります。オプションの「焚き火テーブル レッグラック」もいい具合に収まっています。
「焚き火テーブル」の組み立ては、ストッパーを開いて脚フレームを取り出し、広げた脚フレームを天板裏のフチに当て、ストッパーを閉じるだけ。簡単です。
それに脚フレームと天板の設置面積が広く、安定感バッチリ。分散耐荷重50kgで、食材たっぷりのダッチオーブンを置いてもぐらつきません。
ユニフレームにはかつて、「2WAYミニテーブル」という木製天板のサイドテーブルがラインナップされていました。
「2WAYミニテーブル」は天板裏にあるコの字型の金具に脚を差し込み固定するという方法で、金具の位置によって高さを変えられます。便利な機能なんですが、ふとした拍子に脚が外れることがままあります。
それに金具は木製天板にネジ止めされていて、長年使っていると金具自体が外れやすくなってしまうわけで…。
「焚き火テーブル」のシンプルだけど簡単で安定する構造は、「2WAYテーブル」をベースに脚が外れにくいよう進化したもの。ストッパーはかしめているのでゆるみにくくなっているんですね。
ロースタイルにちょうどいい高さ。2台、3台並べても使いやすいデザインで、グルキャンでは持ち寄った「焚き火テーブル」を並べるのがお約束です。
2000年代はじめは高さ70cmのテーブルが主流で、長らくサブキャラ扱いでした。なのに今ではメインを張るシーンも多いんですから、まさに“継続は力なり”を体現しています。
■待望のオプションがソロキャンを変える?
「焚き火テーブル」ユーザーの中には天然木部分を加工して小物を吊り下げられるようにしたり、メッシュ鍋敷きを脚にはめ込んでラックにしたりしていますが、2023年、ついに純正オプション「焚き火テーブル レッグラック」が誕生しました。
ソロやデュオではシングルバーナーを使うことが多いわけで、天板下のラックにスパイスや食器を置くと「焚き火テーブル」がちっちゃなシステムキッチンみたいになります。手を伸ばしたり、周囲をぐるっと見渡したりしなくてもいいのは便利。
焚き火台のそばではグローブやライターなんかを下のラックに置けるので、いちいち熱い鍋を載せるために小物を片付ける必要はありません。
このラック、ただステンレスの板に穴があいているだけではなく、樹脂パーツを取り付けているので、金属同士がこすれる耳障りな音やぐらつきはほぼありません。
「焚き火テーブル レッグラック」は片側にだけ天板が広がります。“だったら両側に天板が広がるカスタムのほうがいい”と思うかもしれませんが、それは早計というもの。
この「焚き火テーブル レッグラック」、取り付け直後に約1度上向きになります。そして“モノを置いたときは前下がりにならず平らになる”という緻密な設計。さすが純正。
また「焚き火テーブル」の天板は耐熱性にすぐれ、傷が付きにくい特殊エンボス加工を施しているのはご存じの通りですが…。
「焚き火テーブル レッグラック」も同様のエンボス加工を施したステンレス鋼を採用しています。メンテナンス性の良さもたまりません。
フチを折り曲げていて歪みにくいようになされているのですが、この折り曲げが反対側(上向き)になっていると心理的に安心できるのに…というのがちょっぴり残念ポイントです。
ユニフレームの「焚き火テーブル」は、決してメジャーではなかった耐熱テーブルをメジャーアイテムに押し上げ、オプションの登場でちっちゃなシステムキッチン化するという新たな可能性を見いだしました。
次の20年でまた新しいスタイルを生むかも…そんな期待が高まるプロダクトです。
<取材・文/大森弘恵 取材協力/新越ワークス>
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/580125/
- Source:&GP
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