2016年に設立されたVAST Dataは、大量の非構造化データを保存・合成してAIモデルをトレーニングするデータ・コンピューティング・プラットフォームを提供しているテック企業。米国やイスラエルなどを拠点にサービスを展開している。
2023年12月には日本市場へ進出。日本初の顧客として合同会社DMM.comが動画配信サービスにてVAST DataのAIデータプラットフォーム「VAST Data Platform」を導入したと発表した。
今回は、国内でも注目を集め始めているVAST Dataのサービスを紹介していく。
大量のデータを処理するAIデータプラットフォーム
近年、ビジネス現場における「データ管理・分析」の分野で、アナリティクスだけでなくAIも活用されている。企業は大量のデータを活用して、機械学習や生成AIモデルのトレーニングを行っているが、その作業負荷は大きいという。
こうした課題を解決するため、VAST Dataは高速で大量のデータを処理するAIデータプラットフォーム「VAST Data Platform」を提供している。
VAST Data Platformはストレージ、データベース、コンピュートを単一の拡張性の高いソフトウェアプラットフォームに統合したもの。最新のデータセンターとクラウドでAIと機械学習を強化する。同プラットフォームでは、構造化・非構造化を問わず、あらゆるデータを理解し、優れた洞察を生み出すことが可能だ。ライフサイエンス、アニメーション、放送、取引などの幅広い業界で活用されいてる。
データ主導の意思決定をより速く
VAST Data Platformは、1秒間に数百万件の行ベースのトランザクション・データを取り込み、きめ細かなカラム・フォーマットを使用してクエリ(データベースに対する処理要求)を実行。
ストリーミングと分析のワークロードを統合することで、企業はリアルタイムのデータとアーカイブされたデータを分析できるようになり、データ主導の意思決定をより迅速かつ効率的に行える。
効率よくシームレスにデータを管理
VAST Data Platformはオンプレミス・クラウドを問わず、1つのグローバル・ネームスペースにすべてのデータを格納する。そのためデータのサイロ化が解消され、企業は効率よくデータを管理できる。
さまざまなユースケースに対応する柔軟な同期ポリシーにより、データが書き込まれるとどの場所でも即座に利用可能。ファイル、オブジェクト、テーブルなど、きめ細かなレベルでの独自の分散ロッキングにより、書き込みのたびに厳密な整合性を確保し、正確で最新のデータを提供する。
ストレージ階層を1つに。低コストを実現
VAST Data Platformでは、QLCフラッシュドライブとストレージクラスメモリ、NVMe-oFを採用。さらに独自開発のSIMILARITY技術を活用して、これまで複数の製品を組み合わせて多段階に分かれていたストレージ階層を1つにまとめている。
そのため、従来のフラッシュテクノロジーのシステムよりも低コストだ。
ディズニー子会社でも活用。日本市場にも参入
創業以来、VAST Dataはパートナー各社と緊密に連携し、顧客体験全体を向上させてきた。
過去には、ウォルト・ディズニー・カンパニーの子会社であるピクサー・アニメーション・スタジオ(以下、ピクサー)と連携。2023年公開の映画『マイエレメント』にて、VAST Data Platformが活用された。
2023年12月には、合同会社DMM.comが動画配信サービスで扱うデータ量の増加による運用管理の負担を解決するため、VAST Data Platformを導入。安全で効率的なデータ運用に期待しているとのことだ。
VAST Dataは日本市場の参入に伴い「VAST Data Platformによって、日本の自動車や航空宇宙産業、農業分野、ヘルスケアやライフサイエンス分野、学術分野、金融サービス分野の企業は、データを活用することでこれまで以上に広範囲、多様なビジネスの可能性を見出すことが可能になります」とコメント。
同社の日本チームは、企業がデータ主導の経営を自薦し、ビジネスの可能性を最大限に引き出すサポートを行う方針だ。
参考・引用元:
VAST Data 公式サイト
PR TIMES
(文・Techable編集部)
- Original:https://techable.jp/archives/225712
- Source:Techable(テッカブル) -海外テックニュースメディア
- Author:Haruka Isobe