米国の制裁によって独自OSを開発してきたHuaweiが、2024年にAndroidアプリと互換性のない「Harmony OS NEXT」を正式リリースする見込みです。プレミアム価格帯を中心に勢いを復活させてきたHuaweiは、はたして“中国のApple”となり得るのでしょうか。
■3行で分かる、この記事のポイント
1. Huaweiは米国による制裁に長らく悩まされてきた。
2. 新OSではAndroidから完全に脱却し、アプリとの互換性もない。
3. Appleの提供するiOSのような存在になれるかに注目が集まる。
Androidからの完全脱却へ
安全保障上の懸念から、Huaweiは米政府によって米企業との取引を禁じられています。そのため、Googleが提供するAndroid OSを使用できず(オープンソースの無償バージョンのみ可能)、独自の「HarmonyOS」の開発を2019年から進めてきました。
実態はその多くがオープンソースのAndroidに依存していたのですが、Huaweiによると、2024年第4四半期(10月~12月)に正式リリース見込みの「HarmonyOS NEXT」は、Androidと完全に決別した、独自のエコシステムとしてリリースされるとのことです。
Huaweiの消費者ビジネス部門を率いるユー・チェンドン(余承東)最高経営責任者(CEO)は、HarmonyOS NEXTについてAndroidのようなLinuxベースですらないとし、用いる独自カーネルはLinuxより3倍効率的だと強調しました。
Appleのような独自路線を追求か
したがって、iPhoneでiOS向けに開発されたアプリしか動かないように、Huawei NEXTがインストールされたスマートフォンでは、従来のようにAndroidアプリをそのまま使うことはできず、デベロッパーは独自のバージョン用意する必要があります。
つまり、Huaweiが今回このような決断に踏み切ったということは、デベロッパーや消費者がついてきてくれると判断したことを意味します。
かつては世界スマートフォン市場でAppleを抜くシェアを有していたHuaweiですが、米国の制裁によって、2023年第4四半期は中国国内でのシェア4位にとどまっています(13.9%、IDC調べ)。
それでも、2023年に登場したフラッグシップモデル「P60」や「Mate 60」シリーズは、高価格帯のデバイスとして中国国内で一定の人気を博していたように思います。
特にMate 60 Proは、従来より評価の高かったカメラ性能はもとより、非公式ながら5Gに対応したほか、中国企業SMICが開発した7nmチップを搭載しており「中国市場においてiPhone15の売上の最大38%を奪う可能性がある」との予測まで出たほどでした。現にCounterpointの調べでは、Huaweiがプレミアム市場でAppleのシェアを若干とはいえ削ぎつつあることも分かっています。
かねてより「傑物同士は考えが似るものだ」とAppleとの類似性をアピールしていたHuaweiですが、今後は独自プラットフォームやエコシステム方針についても模倣していくのしょうか。
(kihachi)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-573791/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania