<&GP編集部員の買ってみた!使ってみた!>
コロナ禍以降、料理をする頻度が増え、ここ1年はほぼ毎日料理をしています。元々料理上手でもなく、凝ったモノなんて作れないんですが。
毎日料理をするようになると、気付くことがありまして。包丁って使ってると切れ味が落ちてくるんですね(当たり前)。そんな時は、昔気まぐれで買った簡易的なシャープナーに差し込んで前後にジャコジャコ動かして研ぐわけですが、あまり切れ味が戻った気がしない…。
それもそのはず。よーく見ると刃こぼれがそこかしこに。
これまで包丁なんて、ホームセンターで適当に手にしたモノしか使ったことがなく、ダメになったら、刃こぼれがなくなるぐらい研ぐのではなく買い替えてました(といっても過去に使った包丁は数本だけ)。でも毎日料理するようになった今だからこそ、長く使えそうなちょっといい包丁を選んでみようかと思い立ったわけです。
といっても予算は約1万円。上には上があることは知ってます。&GPでもこれまで、さまざまな包丁を紹介してきましたしね。でも、これまで数千円の包丁しか買ったことがない身とすれば、1万円って十分“いい包丁”なんですよ。
そして1カ月ほど悩みに悩んで選んだのが、日本有数の刃物の産地、岐阜県関市の三星刃物が手掛けるオリジナルブランド“和 NAGOMI”の「三徳包丁」(1万2100円)。ちょいとばかり予算オーバーでしたが、使ってみると、なにこの気持ち良さ!
■メンテナンス性がいいステンレス
包丁を新調するにあたり、いろいろ調べてみたところ、包丁って「沼」でした。気になる人はぜひ一度調べてみてください。素材好きなら楽しいと思います。
今回は、まず予算ありき。さらにそこから、どこにこだわるかがポイントになります。重視したのはメンテナンス性の良さ。プロほどの頻度で切るわけではなく、かつ毎日研ぐのはさすがに無理。むしろ、できるだけラクしたい。
そして見つけたのが和 NAGOMIの「三徳包丁」だったわけです。
公式サイトでは“プロが認める切れ味”や“優れたグリップ感”と紹介されていて、包丁としてのクオリティの高さが伝わってくるわけですが、目が止まったのが“新聞紙で数回研ぐだけで、切れ味が長持ち”という部分でした。
そういえば、アウトドアのナイフも新聞紙に刃を当ててザッザッと動かして研いだことあるわ! と思い出したわけです。
和 NAGOMIの場合、サイトには
硬すぎない鋼だから月に1~2度程度、新聞紙で数回研ぐだけ
と書いてあります。そう、プロが使うような硬い鋼でできた包丁は、硬いがゆえに砥石で研ぐ必要があるが、そこまで硬くないから切れ味保つのがラクというわけです。
使われている素材は「440A モリブデン鋼」。要はステンレススチールにモリブデンを混ぜたモノで、錆びにくく強度や靭性(粘り強さ)があり、包丁の素材としては一般的な素材のようなのですが、そこは150年以上の歴史を誇る三星刃物。「巧みな焼入れで硬度を高め、刃先の硬さと靭性の高さを両立し、刃こぼれしくくく、鋭い切れ味が長く続く」とのこと。
そういえば、ロードバイク(自転車)のフレームでも“クロモリ(クロムモリブデン)”は、カーボンやアルミと違い適度にしなるから乗り心地が良くて、しかも素材自体は丈夫(ちょい重い)だから細身のパイプにできるんだよな、ということを思い出したり。
話が逸れまくりですが、とにかく、一般的なモリブデン鋼を技術力で切れ味良く、かつメンテナンスしやすくしている、ということがわかったわけです。そういうの惹かれちゃうんですよね。
■切れ味はもちろん手の馴染みもイイ!
ということで、さっそく切ってみました。届いたばかりだから、当然刃はちゃんと研がれていて切れ味が良いのはわかってるんですが、使い心地も気になるじゃないですか。
これまで使っていた包丁で不満を感じていた3つの食材でお試しです。
あー気持ち良い! 切れる包丁ってこんなに気持ち良いものなんですね。軽すぎず重すぎずなことも、気持ち良さにつながってるかも。そして、とにかくラク。食材を切る作業が本当にストレスだったんですが、これなら切りまくりたいかも。
天然木にコーティングを施したハンドルは、美しいカーブを描いていて手にスッと馴染みます。ハンドル部分の長さもちょうど良く手に収まるサイズ感。刃体との境目もキレイに処理されているので、刃とハンドルがひとつの塊のよう。積層模様もたまりません。こういうところの処理からも、質の良さや丁寧な仕事が伝わってきます。
そして切った後もラクラク。
錆びをさほど気にしなくていいメンテナンス性の良さはステンレスならではの利点ですね。
* * *
そして最後に、これも決め手のひとつなんですが、和 NAGOMIには、無料の「研ぎ直し券」が付いているんです。
月に1~2度の新聞紙、それでも切れ味が戻らなくなったらサンドペーパーで研いで、それでもダメなら砥石で研ぐ。でも砥石は難しい。そんなときには、パッケージの箱に入れて研ぎ直し券と一緒に送れば、研ぎ直しをしてもらえる。そう考えると、コスパいいのではないかと思ったわけです。
毎日使って、早く、重さと長さとグリップ感を体に覚え込まさなければ。
<取材・文/円道秀和(&GP)>
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/581525/
- Source:&GP
- Author:&GP