ベッドやキッチン、トイレやシャワーなど生活に必要な装備をそろえた「キャンピングトレーラー」。その魅力は、何といっても好きな場所に居住空間を持ち込めることだろう。また一体型のキャンピングカーよりも広さを確保できるのもポイントだ。
ただ移動にはヘッド車を使う必要があり、牽引する際には大きな負荷がかかるという。そんななか、米サンフランシスコのスタートアップLightshipは、バッテリー駆動の電動トレーラー「L1」を開発。同製品は、ヘッド車の負荷を軽減しながら自走し、車内の全電化製品に電力を供給するというものだ。電動パワートレインと太陽光発電で電気ロスを軽減
L1は、テスラやリビアン、ルーシッドなど電気自動車(EV)メーカー出身のメンバーらで構成された設計チームが、EV開発・設計の経験をいかして開発した電動トレーラー。Lightshipの初の製品となる同製品が従来のトレーラーと大きく異なるのはまず、牽引される必要があるトレーラーでありながら電気駆動のモーターを搭載しており、自走能力を有している点だ。また、走行時に空気の抵抗をなるべく受けないデザインとなっている。
トレーラーによる電気のロスがない分、EVの充電回数を抑え、1回の充電でより遠くまで移動することが可能だ。
しかもL1は、屋根にある太陽光パネルで発電するようになっていて、この電力で牽引車のバッテリーを充電できるとのこと。最長7日間、オフグリッドで過ごせるという。
ゆったり設計、4〜6人収容
L1は長さ約8.2メートル、幅約2.6メートルと、ゆったりとしたサイズ。高さは走行時とキャンプ時で変更できる仕様で、キャンプモードでのトレーラーの床から天井までは約2.3メートルだ。内部にはキッチンや、ソファなどの居間空間、バス・トイレを備える。居間空間はベッドルームに変えられる設計。配置にもよるが、4〜6人収容可能だという。
内部の設計で売りの1つが、窓が多いこと。これは、ソファでくつろぎながら、キッチンで料理しながらなど、いつでもどこからでもパノラマビューを楽しめるようにとの意図で、開放感にあふれている。ちなみに、調理のための電気コンロなど、暮らしに使う電化製品の電気も太陽光発電で賄える仕様になっている。
約50億円を調達、生産を加速
2024年1月、Lightshipは資金調達シリーズBのラウンドをクローズし、3400万ドル(約50億円)を確保したと発表した。この資金をもとに、今年後半にL1を生産開始するための製造システムとサプライチェーンを構築する予定。コロラド州の工場での生産を加速させるという。米国限定ながら、同社はすでにL1の予約を受け付けていて、価格はベーシックモデルが12万5000ドル(約1850万円)〜、航続距離がより長いモデルは15万1500(約2240万円)〜となっている。
参考・引用元:Lightship 公式サイト
(文・Mizoguchi)
- Original:https://techable.jp/archives/225807
- Source:Techable(テッカブル) -海外テックニュースメディア
- Author:溝口慈子