高度な写真を撮るためには、瞬時にシャッターを切ったり、フラッシュや彩度を調整したりするテクニックや、それを補うツールが必要だ。しかし、複数のツールを別々に用意すると出費がかさむだけでなく、撮影時に不便だろう。こうした問題を解決するのが、カメラトリガー「KOMET」だ。
プロアマ問わず、写真家の可能性をさらに広げてくれるKOMETは、現在クラウドファンディングサイトINDIEGOGOにてプロジェクトを実施中だ。
創造性を高める機能が満載の「KOMET」
KOMETは、ユーザーの創造性を高める多様な機能を備えたカメラトリガー。カメラのホットシューに直接取り付け、USBポートを通じて操作可能。搭載されたタッチスクリーンアプリやモバイルアプリから、直感的にアクセスできる。KOMETの魅力は高速撮影 、ワイヤレスフラッシュ撮影、タイムラプス撮影、HDR撮影、 長時間露光撮影などの機能を1つに集結している点だ。
同製品は周囲の光と音のセンサーを内蔵しており、息を呑むような照明の当たりや瞬間的な飛沫などを簡単に撮影することが可能。ワイヤレスでフラッシュを制御するための「Receiver」モジュールも採用。キヤノンやニコンのフラッシュと互換性があり、電源とズームをリモートでコントロールできる。昼から夜の複雑な変化を撮影している場合でも、プロレベルのタイムラプス撮影を実現。スマートフォンのGPSを活用しているため、タイムラプスの間隔を「時間」ではなく「移動距離」で設定してドライブラプスで遊ぶといった使い方もできる。
さらにKOMETアプリにはND値(輝度値)計算機が組み込まれており、タップするだけで希望のND値を選択し、カメラの露出を自動的に調整できる。露出、ISO、絞りによるブラケット写真、あるいはブレンド写真によって、一歩前進したHDR写真の撮影が楽しめそうだ。
KOMET開発までの道のり
KOMETを開発したのは米国デラウェア州ミドルタウンにあるLUMIONIXというスタートアップ。同社は写真に情熱を注ぐクリエイティブなエンジニアチーム。フォトグラファーのワークフローを改善し、生産性を高め、芸術的な可能性を広げる最先端のデバイスを提供することを使命に、カメラアクセサリーの開発に努めている。KOMETを製作するまでの道のりは、コロナが猛威をふるった困難な約3年間と共にあった。同社を創設したNazmus Sakib氏は、エレクトロニクスエンジニアであり、またアマチュアのタイムラプス写真家でもあり、KOMETの開発者でもある人物だ。
KOMETのアイデアは、個人的なタイムラプス撮影用にと、露光装置を開発していた際に思い付いたそう。探求を続けるうちに、KOMETには高速撮影やワイヤレスフラッシュトリガーなど、タイムラプスの領域を超えた機能を統合できる可能性があることに気づいたという。
KOMETの開発は“才能あるチームによる共同作業”によって進められた。Nazmus氏はエレクトロニクスエンジニアとして熟練したメカニカルエンジニアやソフトウェア開発者と協力し、2年以上の歳月をかけて取り組んできた。長きにわたる開発プロセスを経て、このほどKOMETは生産準備が整い、INDIEGOGOでのお披露目にこぎつけたというわけだ。
(文・根岸志乃)
- Original:https://techable.jp/archives/226029
- Source:Techable(テッカブル) -海外テックニュースメディア
- Author:根岸志乃