【アウトドア銘品図鑑】
手のひらに載るほど小さくても十分な光を放つLEDランタンが登場して以降、ランタン自体が爆発的な人気となったのはもちろん、シェードや本体カバー、安定感を高めるキャップといった関連アイテムが続々登場し、多くのキャンパーに“カスタム”という楽しみ方が広がりました。
この一大ブームを牽引してきたのがゴールゼロ。次の一手はどうするのか気になるところでしたが、2023年末にゴールゼロが発表したのが「Skylight」(5万8850円)です。
手のひらサイズから一転、超大型のLEDランタンの登場に度肝を抜かれたキャンパーは多いでしょう。
使い勝手が気になったのでサンプルを借りて試してみました。
■でっかくてパワフル!
届いたサンプルは思いのほかでっかい。図面をいれる円筒みたいな収納ケースに入っていて肩がけできますが、その長さは125cm!
スペックを事前に確認していても「ゴールゼロ=ライトハウス」のイメージがあるため巨大に思えてしまいます。もっとも、クルマのラゲッジに無理なく収まるのでそのあたりはご安心を。
ただ、本体が細長いので、収納ケースへの出し入れは注意。不意に落下する不安があるので、できれば2人で作業するほうがいいかも。
ボタンを押し込んで三脚部分のロックを解除し、広げます。不意に開いたり閉じたりすることがないのは安心。
ロック解除のひと手間を除けばあとはカメラの三脚と同じで、3本の脚をつなげるスプレッダーをしっかり下げて広げたら、各脚のレバーを開放して1本ずつ伸ばすだけ。
設置場所を微調整したらペグで固定するのですが、秀逸なのはあらかじめ脚にペグが格納されていること。
脚からペグを引き抜いたら先端の穴に差し込みます。
写真ではわかりやすいよう途中までしか差し込んでいませんが、しっかり頭まで地面に埋めましょう。
レバーでランタン部分の高さを調整したら、三脚と6つのライトが組み合わさった「スカイライト」の完成。
ランタンは高い位置に吊すほど、広範囲を照らしてくれます。
「スカイライト」の場合、高さは最大365cmまで伸ばせるわけで、最大光量にすれば約90mの広範囲を照射可。
一般的な区画サイトでは高さ200cm程度まで伸ばせられれば十分ですが、広範囲を照らすこのポテンシャル、イベントや2〜3家族でフリーサイト利用なんてときに間違いなく活躍します。
■アクセサリソケットやポタ電利用が現実的
光量はLow:400lm/Medium:1350lm/High:3500lm/Boost:6000lmの4段階で調節可能。
ファミキャンの場合、リビング全体を照らすLEDランタンは500lm、卓上ライトだと200lm程度、そしてサイト全体を照らすためには1000lm程度が目安とされているので、「スカイライト」をファミキャンで使う場合、LowやMediumモードのどちらかで十分でしょう。
6つのLEDライトは無段階で角度を変えられるので、混雑したフリーサイトでは少し閉じて照らす範囲を狭める、といったように使えるのも便利。
反対に少人数のイベントやグルキャンではLEDライトをすべて広げ、広範囲を照らせます。
キャンプイベントでは明るすぎると興ざめしかねないので、Mediumのまま広範囲を照らしてもいいかも。
角度と光量を組み合わせ、1台で使い勝手のよい光になるのはオトクです。
イマドキのLEDランタンは白色・昼白色・暖色といった具合に光の色を変えられますが、「Skylight」は潔く昼白色一色のみ。
残念に思えますが、色変えOKのランタンでも、結局は明るさと心地よさのバランスがいい昼白色を選んでほかの色にすることはマレだと考えれば、あえて色を変えられるようにしてコストをかけるよりも良心的。
33Whの内蔵バッテリーを搭載していて、Lowモードなら最大8時間点灯可能。1泊キャンプなら自宅で充電しておくだけで使えるのが便利です。
ただ、Mediumモードだと2.5時間、Highモードでは1時間とグッと短くなるので12V出力が搭載されたポータブル電源があるほうが安心なのは間違いありません。
ちなみに「スカイライト」自体はIPX4の防水規格にも対応しているので、単独利用なら雨の日でも安心して使えますが、ポータブル電源と組み合わせるときは本体が濡れないようにする必要があります。
コードに沿って水滴が伝うとやっかいなのでコードをまとめ、できるだけ地面に付着しないようにしておくわけですが、「スカイライト」は上下2カ所にフックが付いていて余ったコードをたるませることなく引っかけておけるんです。
これならコードが地面に付着して濡れるのを防げるし、コードに脚を引っかけて転倒する不安も低減します。単純だけどよく考えられた機能です。
また、6つのLEDライトは独立して角度を変えられるので、ライトを閉じることである程度、光を押さえられます。隣接したテントに光を当てないよう配慮できるのがステキ。
* * *
ポータブル電源の12V出力やクルマのアクセサリソケットを利用して内蔵バッテリーを充電しながら長時間点灯できる仕様。キャンプ場では夜間にクルマのエンジンをかけられないわけで、一般的なUSBやACではないのは不便に思えますが、そもそもゴールゼロはポータブル電源のパイオニアで、電気のない貧困層をなくすことを理念としてスタートした企業。クルマでの充電を想定するのは当然です。
いざというときはクルマのアクセサリソケットにつないで長時間使用ができる。そして、明るさとフレキシブルな照射範囲は、キャンプのみならず万が一の備えとするのに十分。そう理由付けて手にしたくなる、不思議な吸引力があります。
<取材・文/大森弘恵 撮影協力/アスク>
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/582277/
- Source:&GP
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