米国時間2024年2月2日、Appleはゴーグル型ヘッドマウントディスプレー「Apple Vision Pro」を米国で発売した。
Apple Vision Proは、現実とデジタルが融合する“空間コンピュータ”。現実の空間映像にパソコンやスマートフォンの画面を重ねて表示し、視線や指先の動きで操作できる。
2つの超高解像度ディスプレイにより、まるでデジタルコンテンツが自分のいる空間に物理的に存在しているかのような臨場感を味わえるのが魅力だ。一方で、長時間の着用にともなう身体への負担、またバッテリーが外付けであることなどに関して賛否両論の声も。いずれにしても、いま世間が注目するデバイスのひとつであることは違いないだろう。
そんなApple Vision Proの発売に伴い、さまざまな企業がApple Vision Proに対応したアプリ・サービスの提供を開始している。今回は、国内企業が近日リリースしたApple Vision Pro対応のアプリのなかから、日常生活のなかで身近に使えそうな3つを紹介したい。
天気を“体感”できるアプリ「SunnyTune」
従来の天気アプリは天気の情報を平面の文字情報で伝えるものだが、SunnyTuneは空間コンピューターならではの“3次元表現”で天気の変化をデザインしている。ユーザーはただ天気の変化を知るのではなく、目や耳を通して天気の変化を感じることができる。
たとえば、雨が降り始めると雨粒がSunnyTuneの空間内にも降り始め、風が強くなってくると木や草が揺れる音がSunnyTuneから聞こえるといった仕様だ。
さらにApple Vision Proで利用できるほかのアプリとの併用も可能。Apple Vision Proを装着しているあいだ、空間内でSunnyTuneを常に起動して、たまに目を向けて天気の変化を感じる…といった使い方ができそうだ。
目や耳を通して世界中の天気を“感じる”SunnyTuneは、天気予報アプリのカタチを変える先駆的なアプリとして注目されるかもしれない。
参考元:PR TIMES
TOPPAN、日本文化・景色を4K映像で配信するアプリを提供
次に紹介するのは、TOPPANがリリースしたApple Vision Pro向けアプリ。同社は、日本の魅力を臨場感溢れる映像で体験できる「Meet Japan!アプリ」と、癒しの空間を体感できる環境コンテンツ「Natural Windowアプリ」をリリースしている。 Meet Japan!アプリは、歴史的文化財や自然遺産をはじめ、伝統芸能、四季、食などのさまざまな日本の魅力を体感できる映像コンテンツを視聴できるというもの。Apple Vision Pro内に設置したスクリーンでは、錦鯉や伝統芸能、桜、富士山など日本の魅力が詰まったビジュアリーロスレス(※1)の4K高精細映像を楽しめる。なお、提供開始時は1本の作品が配信され、順次コンテンツを拡充させる予定だ。
一方、Natural Windowアプリは家庭用TVや窓を設置できない閉鎖的空間向けに、ヒーリング効果が期待される4K映像を配信するというもの。Apple Vision Pro内に設置したカーブドスクリーンには竹林や桜、富士山をはじめとする複数のコンテンツが収録された高品質4Kの作品が再生され、その場所にいるような気分を味わえる。窓のない空間でも景色を堪能できるため、休息効果の向上や家事・作業の効率向上が期待できそうだ。
ビジュアリーロスレス*1…ヒトの視覚では劣化を知覚できないレベルの低い圧縮、若しくは非圧縮のデータ方式
参考元:PR TIMES
英文ニュース閲覧アプリ
毎日新聞社では、Apple Vision Pro向け英文ニュースサイト「The Mainichi」のコンテンツを読めるアプリをリリースした。The Mainichiは、毎日新聞社が運営する英文ニュースサイト。日本の最新ニュースや深掘り記事を世界に発信している。
専用OS「visionOS」上で動作するアプリをインストールすれば、ユーザーはThe Mainichiで公開している政治、経済、社会、スポーツ、カルチャーなどのニュースをすべてApple Vision Proで読むことが可能。アプリのダウンロードと英文コンテンツの閲覧はいずれも無料で利用できる。
参考元:PR TIMES
今後のアプリ動向にも注目
Appleが“空間コンピューティング時代の幕開けを告げる”と称するApple Vision Proは、未来のコミュニケーションやインタラクションを形成するアイテムとして、教育、エンターテイメント、ビジネスなどのさまざまな分野での活用が期待されている。iPhoneやiPadでお馴染みの数十万ものアプリもスムーズに動作し、Apple Vision Proのために開発された新しい入力操作システムと自動的に連係するという。
各分野の企業がどのようなコンテンツを開発・提供するのか、今後も動向を追っていきたい。
(文・Haruka Isobe)
- Original:https://techable.jp/archives/226487
- Source:Techable(テッカブル) -海外テックニュースメディア
- Author:Haruka Isobe