2023年1月〜12月における国内携帯電話端末の出荷台数の調査結果をMM総研が公表しました。2007年以来で初めて、出荷台数が3,000万台を割り過去最少となりました。理由として、端末の買い替え需要低下に加えて、総務省の規制による割引幅の縮小などが挙げられます。メーカー別では、iPhoneがシェアを54.7%に伸ばして12年連続の首位を獲得しています。
■3行で分かる、この記事のポイント
1. 2023年の携帯電話出荷台数、2007年以来で過去最低だった。
2. メーカー別ではAppleのiPhoneが12年連続シェアトップ。
3. 端末販売の低迷は、総務省による割引規制も一因か。
2007年以来初の3,000万台割れで過去最少の出荷台数
MM総研によると、2023年1月〜12月における国内携帯電話端末の総出荷台数(スマートフォン+フィーチャーフォン)は2,801.3万台で、前年比16.9%の減少を記録しました。
この出荷台数は、日本でスマートフォンが登場した2007年以降で初の3,000万台割れとなり、過去最少となりました。
このうち、スマートフォンの出荷台数は2,628.6万台(同17.0%減)で、スマートフォンの比率は93.8%です。
5G対応スマートフォンの出荷台数は2,603.1万台で、スマートフォン出荷台数の99.0%(前年比4.0ポイント増)に達しています。
しかし、5Gの特徴である高速大容量通信を活かせる、ミリ波対応モデルの出荷台数は137.6万台で、出荷台数の比率では5.2%にすぎません。
iPhoneは2020年に発売されたiPhone12シリーズで5Gに対応しましたが、日本で販売されているiPhoneはすべてミリ波非対応であるほか、Androidスマートフォンでもミリ波対応モデルは一部の高価格端末に限定されているため、普及が進んでいないとMM総研は分析しています。
iPhoneはシェア伸ばし54.7%、12年連続トップ
メーカー別では、AppleのiPhoneがシェアトップの座を12年連続で獲得しました。
Appleの出荷台数は1438.9万台(前年比6.8%減)で、スマートフォンに占めるシェアは54.7%(同6ポイント増)でした。
iPhoneのシェア増加についてMM総研は、市場全体で買い替え需要が低迷したものの、ブランド力と底堅い人気に加えて、中国市場の需要が低迷する中で日本市場向け出荷を優先した結果、前年のiPhone14シリーズと比べてiPhone15シリーズの在庫が潤沢であったためではないか、と分析しています。
スマートフォン市場のシェア2位以下は、シャープ、Google、Samsung、ソニーの順で続いています。
2023年末のスマホ割引販売規制の影響、高価格端末が不人気に
2023年の総出荷台数が2007年以降で過去最低となった理由について、MM総研は以下のように分析しています。
- 端末の機能性・耐久性・品質向上による買い替え需要の低下
- フィーチャーフォン利用者減によるスマートフォンへの特別販売施策の減少
- 端末割引施策の縮小
2023年12月27日には、電気通信事業法の省令改正によって、端末単体の割引販売が規制され、割引上限額が原則40,000円(税別)に設定されました。
この新規制により、販売の現場では高価格帯の端末が不人気となる懸念がささやかれている模様です。
MM総研は、今回の改正による影響が、ミリ波対応端末や高価格端末の普及に及ぼす影響を慎重に把握し、新たな議論が必要かもしれない、と提言しています。
Photo:MM総研
(hato)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-574867/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania