アフリカの多くの地域では医師や看護師が不足しており、医師1人あたりに対する患者数が多いという。とくに放射線科医の不足が深刻だ。
手頃な価格で質の高い医療へアクセスできないなか、感染性疾患・非感染性疾患により多くの人が亡くなっており、早期の診断と治療の必要性が説かれている。
こうした課題を背景に、ガーナのグレーター・アクラを拠点に置くminoHealth AI labsは、AIを駆使したテクノロジーを通じて質の高い医療を提供。すべての人が質の高い手頃な価格の医療にアクセスできるように支援している。
ガーナの医療テック企業minoHealth AI labs
minoHealth AI labsは、2018年に設立されたガーナの医療テック企業。AI、データサイエンス、バイオメディカル・サイエンスを通じて、医療診断、予後予測、予測を自動化するソリューションを提供している。創設者兼CEOであるDarlington Akogo氏は、医療分野で最も影響力のあるアフリカ系の人々(MIPAD)の世界トップ100の1人に選ばれた人物だ。
同氏は、国連国際電気通信連合(ITU)の放射線医学用AIに関するトピックグループ、および世界保健機関(WHO)の「健康のためのAI」フォーカスグループ(FG-AI4H)の議長を務めている。
「放射線学用AI」「感染症AI」を開発
そんなDarlington Akogo氏が設立したminoHealth AI labsの主な事業としてあげられるのが、「放射線学用AI」「感染症AI」の開発である。
放射線学用AIは、胸部X線による肺炎、線維症、ヘルニア、胸水、マンモグラフィによる乳がんを含む14の胸部疾患の自動診断のためのAIシステム。一方、感染症AIはマラリア、COVID-19のスクリーニング、胸部X線からの結核関連障害に向けたAIシステムだ。
minoHealth AI labsのAIシステムでは症状を診断・予測することが可能。AIフォームに記入・患者の医療画像と情報を記入すると、医療画像が解析され、診断結果が表示されるという仕組みだ。 診断は1分以内に可能。スピーディーな診断だけでなく、誰もが利用できるような手軽な価格帯も魅力だろう。なお、現在minoHealth AI labsはAIソリューションのテストと改善を行っている。放射線医学・ヘルスケア用の大規模言語モデルを構築
minoHealth AI labsはビル&メリンダ・ゲイツ財団から助成金を受けて、放射線医学とヘルスケア用のマルチモーダル大規模言語モデルである「minoChat」を構築している。
GPT4に類似しているというminoChatの初期段階の専門分野は、医療画像の解釈(放射線学)だ。最終的には、世界中のすべての臨床医をサポートできる真の総合的な“AIスーパー放射線科医”になることを意図しているとのこと。
AIを駆使した医療テクノロジーを開発するminoHealth AI labsは、今後のアフリカの医療課題を解決へと導く存在として注目を集めるだろう。
参考・引用元:minoHealth AI labs 公式サイト
(文・Techable編集部)
- Original:https://techable.jp/archives/226548
- Source:Techable(テッカブル) -海外テックニュースメディア
- Author:Haruka Isobe