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ONOE「万能調理器」は見た目もシステムもちょっとレトロなところがたまらん

【アウトドア銘品図鑑】

2023年に「火消しつぼになる七輪」という名作を生み出したONOEより、新作「万能調理器」(2970円)が発売されました。この「万能調理器」、同じくONOEの「火消しつぼになる七輪」と相性抜群なのはもちろん、単独でも使い勝手がいいと問い合わせが集中しているそうで、新たな名作となる予感がプンプン。

何が人々を惹きつけるのか? サンプルを取り寄せて試してみました。

 

■自分で鍋底を組み替えるのが新鮮

「万能調理器」のなにが万能なのかというと、“2種類の底板を付け替えていろいろな調理ができる”ことです。

▲切り込み入り底板と切り込みなしの底板、本体、ふた、網、ゴトク

どういうことかというと、底が抜けた筒だけの鍋に、細い切り込みが入った底板またはトレイ状の切り込みがない底板を、自分で取り付けて鍋を完成させるんです。

▲底板を選び、押し込む

本体をひっくり返して底板を押し込むだけと、取り付けはめっちゃ原始的。ツメでロックするとか、段差に載せるとかそんなものはありません。

▲底板を押さえ、本体を上に引っ張れば外れる

外し方は、底板を手で押しながら本体を上に引っ張り上げるだけ。

これで大丈夫?と不安になりますが、底板は本体にピタッとはまってぐらつきなし。

本体には下の方に溝があるので、ここにハマるまで押し込みます。本体の継ぎ目部分に多少の隙間ができるので煮込んだり茹でたりするのは無理ですが、蒸し料理やオーブン、燻製は十分可能です。

底ができたら次は網。

網は本体よりも直径で10mmほど小さいのですが、本体に載せてもそう簡単に内側に落ちません。

「ホントに入るの?」と疑わしく思えますが、網を斜めにするとスルッと入ります。あとは本体に刻まれた上の溝に載るよう網を押し込めばこのとおり!

あつらえたかのようにピタッと収まる! 鍋底といい網といい、力業というかアナログな組み立て方なんですがそれが愉快。

「これでいいじゃん!」って感激します。

本体と底、ふたは亜鉛鉄板。いわゆるトタンです。薄く、力を加えると適度にしなるので底板や網を入れるといい具合に伸びてフィット。

使っているうちに、熱や力のいれ方によって微妙に変形することもあるでしょうが、素材の“遊び”がいい仕事をしてくれそうです。

▲φ245×145mm、重量900g

ちょっとレトロな雰囲気の網付き鍋が完成しました!

 

■シェラカップ2個、肉まんは4個入る

切り込み入りの底板は「オーブン」「燻製」用、シンプルな底板は「蒸し料理」用です。

▲肉まん4個。ファミキャンの朝ごはんにいいかも

▲シェラカップやロッキーカップなら2個

「万能調理器」は、燻製やカキの蒸し焼きみたいな料理をのぞき、基本的に食材を耐熱容器に入れるか、クッキングシートやアルミシートを敷いてから食材を置いて調理します。

どんな容器が使えるかというと、シェラカップやロッキーカップ! ピタッと2個収まって、フタに干渉することはありません。

とはいえギリギリなのでグローブの着用はマストだし、置くときに斜めにしかねないので茶碗蒸しみたいな液体は容量に注意したほうがいいでしょう。

▲水は底板の半量まで

蒸し料理は底板に水を入れますが、これは大体400ml。少なく見えますが、弱火推奨なのでこれで十分です。

▲「丸形卓上コンロ」で蒸し料理

他社製BBQコンロでも、安定して載せられればOK。もちろん「火消しつぼになる七輪」にも対応します。

バーナーの場合は対応する鍋の大きさ、ダッチオーブンや鉄板を使えることを確認してから「万能調理器」を使いましょう。

▲「丸形卓上コンロ」や「火消しつぼになる七輪」では付属のゴトクを使用する

ONOE製の「丸形卓上コンロ」や「火消しつぼになる七輪」を使うときは付属ゴトクの出番。ゴトクを載せることで炭への空気の供給ができます。

また、スモークウッドを使う場合は熱源不要ですが、地面に「万能調理器」を置くとスモークウッドが立ち消えしちゃいます。この場合も付属ゴトクに載せておきます。熱くなった「万能鍋」の置き場所としても使えるので忘れず持っていきましょう。

 

■軽い鍋は正義かも

ダッチオーブンも万能鍋として知られています。煮込みや炒め物などもできるダッチオーブンではなく、あえて「万能調理器」を手にする必要はあるのでしょうか?

▲蒸し料理、燻製は「万能調理器」で手軽に

ダッチオーブンで蒸し料理や燻製をする場合、アルミホイルなどで底網を少し持ち上げなくてはならないことも。

一方「万能調理器」はちょうどいい高さに網があるので、スマートに調理を始められます。

▲手軽にオーブン料理をはじめられる

またダッチオーブンより薄いので弱火でも温度は上がりやすく、予熱時間は短め。温度計が付いていないので直感に頼るしかないのですが、それはダッチオーブンも同じです。

オーブン料理は引き分けですが、軽くて持ち運びやすいのは正義!

「万能調理器」は調理後、冷めるのが早いし洗うのも簡単で片付けに時間を取られずにすむのもメリットです。

残ったご飯やおかずを翌朝、蒸して温めるなんて使い方ができるので、電子レンジのないキャンプでは蒸し器があるとめちゃ便利。

レトロかわいい「万能調理器」が熱視線を浴びているのも納得です。

>> 尾上製作所

>> [連載]アウトドア銘品図鑑

<取材・文/大森弘恵 撮影協力/尾上製作所>

大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。X

 

 

 

 

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