三寒四温という言葉どおり、寒暖差に振り回されつつ冬の終わりを感じる今日この頃。人々の気持ちが軽やかになり、動物たちも活発になる春の訪れはもうすぐそこだ。今回はそんな今の季節にぴったりの話題、クラウドファンディングサイトで人気を博しているスマートバードハウス「Birddy」を紹介したい。同製品はスマホから巣箱内部の様子を観察できるもの。KickstarterおよびIndiegogoでそれぞれ1400人を超える支援者から5千万円超の資金を獲得している。
ライブもタイムラプス視聴も可能、Chat GPT連携のスマートバードハウス
同製品は、組み立て不要のため配達されたら箱から出してすぐ利用できる。高さ・幅約40センチ、奥行き約20センチの大きさで、少し歪んだ不思議な五角形の理由は、二重になった天井の空間にカメラが仕込まれているためだ。これにより、スマホを使って24時間いつでも巣箱内部の様子を音声つきで“視聴”できる。
バードハウスに搭載された小型カメラは、開発を手掛けた企業Reli Technologies社の主力製品。155度のワイドアングルとHD画質1080Pの解像度を誇るほか、7800mAhのパワフルバッテリーを内蔵。動体検知機能によって鳥の羽ばたきや“帰宅”を感知して即座に撮影開始、映像はクラウドまたはSDカードに保存される。
カメラ内蔵バッテリーの電源については、バードハウスの屋根または木の幹など日光がよく当たる場所に太陽光パネルを設置することで確保。アンテナ搭載により電波も確保され、人間側の住居から100メートル離れていてもWi-fiをキャッチする。
カメラのデュアルナイトビジョンにより、夜間は赤外線モードとフルカラーのいずれかを状況に合わせて自動で切り替える(鳥の睡眠を邪魔しないためには赤外線モード推奨)。タイムラプス機能のおかげで、産卵から孵化したばかりのヒナの様子、初飛行を果たす雄姿まで感動の瞬間を見逃すこともない。 「スマートバードハウス」の名にたがわず、Chat GPTとの連携により数千種以上の鳥を識別、彼らの日々の活動をまるで教育番組のように楽しめる。鳥類について質問すればChatGPTのAPIが答えてくれるのだ。排水・換気・採光にまで配慮し、快適な住空間を実現
セキュリティカメラが自然観察の定点カメラやペットカメラにも
Birddyを開発したReli Technologies社は米デラウェア州の企業。事業内容はセキュリティカメラを中核とするスマートホームデバイスとソリューションの提供である。
同社の主力製品であるポータブルカメラ「Reli Light Cam Battery D1」は、セキュリティカメラとしてはもちろん、木の幹などに設置すれば野生動物を観察する定点カメラに、室内で使えばペットカメラにもなり、屋外・屋内を問わず動物の様子を観察できる製品だ。もちろん、Birddyにもこのカメラが搭載されている。
Reli Camは2018、2019、2022、2023年にそれぞれ著名なデザインアワードの受賞歴があり、革新的なデザインと環境配慮性・持続性が評価された実績を持つ。「自然とテクノロジーが融合する屋外スマートホーム・ソリューションの国際的リーダー」を目指し、「従来のスマートホームデバイスの枠におさまらず、自然の美しさと繊細さを製品に組み込む」という使命を掲げるReli Technologies。シグネチャープロダクトであるReli Camを鳥の巣箱と組み合わせたBirddyは、まさにこの使命を形にした製品なのだ。自然界との融合により人々のアウトドア体験をより良いものにすべく、イノベーションを続ける同社。これからの季節にふさわしく、庭先にやって来る鳥たちを迎え入れるバードハウスを準備してほしいと語っている。
プロモーション動画では「息子がクリスマスに贈ってくれたんだ」という高齢男性のセリフがあるが、Birddyは親から子へのプレゼントとしても理想的ではないだろうか。鳥の生態観察・学習を通して子供たちの知的好奇心を刺激されれば、将来の夢に結びつく可能性もありそうだ。Kickstarterのプロジェクトは終了したが、Indiegogoでは現在もおよそ3万円から購入可能だ。配送開始は3~4月の予定。日本の野鳥の繁殖時期は5~8月らしいので、鳥の引っ越しシーズンに十分間に合うかもしれない。
引用元:Reli Technologies
Indiegogo
(文・根岸志乃)
- Original:https://techable.jp/archives/227098
- Source:Techable(テッカブル) -海外テックニュースメディア
- Author:根岸志乃