国民への統制が厳しいイランでは、スマートフォンを当局に登録することが義務付けられていますが、2023年よりiPhoneの新モデルについては新規の登録が認められていません。
そうした背景を悪用し、登録できる旧iPhoneを市場相場よりも大幅に安い価格で販売するという触れ込みで、被害総額50億円超の詐欺がイランで行われていたことが発覚しました。
国内相場は定価の数倍
以前から米国が経済制裁をイランに科しているほか、両国間との対立がここ最近激しさを増していることで、iPhone14やiPhone15を登録する手立てはありません。
もちろんAppleは公式販売を行っていないので、イラン国内では現在、登録が許可された最後のモデルであるiPhone13の市場価値は大きく高まっています。例えば新品のiPhone13 Proだと登録手数料込みで13億リアル(約34万円)の値がついています。
そこに目をつけたのが、今回問題となった詐欺集団Kourosh Companyです。
「半額で販売できる」と豪語し50億円詐欺
彼らは約700ドル(約10万円)でiPhoneを販売すると発表、サッカー選手や俳優、インフルエンサーなどの有名人を宣伝に起用しプロモーションを大々的に展開しました。
市場相場よりも大幅な安価で提供できるのは、仲介業者を排除して自分たちで仕入れるからだ、という宣伝文句に人々が飛びついた結果、Kouroshはあっという間に20兆レアル(約52億円)を集めることに成功します。
注文から配送までに要するとされていた45日間を過ぎても、手元にiPhoneが届かなかったことで、ようやく詐欺だったことが判明したというわけです。
日本も他人事ではない?
イラン当局の捜査によって、すでに中核メンバーの一人は逮捕されているそうですが、主犯格の男性はトルコへ国外逃亡しているそうで、改めて事件のあらましの解明が待たれます。
ちなみに今回イランで起きた事件は、日本人にとっても決して他人事ではありません。Apple製品が世間の人気ブランドなのは日本も同じで、数年前には「iPhoneが当選しました」と称して金銭を払わせる詐欺が横行、日本サイバー犯罪対策センターが警告を発したほどです。
- Original:https://iphone-mania.jp/news-576411/
- Source:iPhone Mania
- Author:kihachi