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Appleの挫折!マイクロLED Apple Watchを高コストで断念

AppleがマイクロLED搭載Apple Watchの開発を中止した、と著名アナリストのミンチー・クオ氏が述べています。先に伝えられた、AppleのマイクロLEDサプライヤーの開発中止に続く情報で、マイクロLED搭載Apple Watch開発の中止は確定的といえそうです。

マイクロLEDによる付加価値の小ささ、コスト高で開発中止に

AppleがマイクロLED搭載Apple Watchのプロジェクトを中止した、とApple関連の精度の高い予測で定評のあるTF International証券のアナリスト、ミンチー・クオ氏がXに投稿しています。

Appleが開発を中止した理由についてクオ氏は、マイクロLEDが製品に追加できる付加価値が限定的であり、製造コストが高すぎて採算が取れないと判断したため、と述べています。

同氏はまた、マイクロLED開発チームから多くの従業員をレイオフしており、現在のところマイクロLED関連プロジェクトの存在はまったく見えてこないとのことで、次世代ディスプレイ技術技術で競争力を高めたいAppleにとって大きな後退となるのは間違いない、と指摘しています。

さらに、AppleのマイクロLED独占サプライヤーだったOsramが、マイクロLEDにおけるAppleとの協業関係を中止したことが、AppleがマイクロLED搭載製品を量産する計画がないことを示している、ともコメントしています。

2023年に一気に盛り上がったマイクロLED搭載Apple Watchの噂

AppleがマイクロLEDディスプレイの研究開発や試験生産をしているとの情報は、2017年頃には伝えられており、同社が以前からマイクロLEDに強い関心を持っていたのは間違いなさそうです。

マイクロLEDを搭載したApple Watch Ultraの開発が進んでいるとの情報は、2023年の初頭から盛んに報じられるようになり、ディスプレイ情報に詳しいDSCCの最高経営責任者(CEO)ロス・ヤング氏が、発売時期を2025年と発言したことで注目を集めていました。

また、Appleが取得した特許を更新した動きも、マイクロLED搭載Apple Watchが現実味をもって語られる要因となっていました。

最近はOsramがAppleへの供給中止を示唆する発表

しかし、2024年に入ってからは、製造コストの高さゆえに向こう2〜3年間の発売は無理なのではないかと指摘されるようになりました。

最近では、AppleにマイクロLEDを供給するサプライヤーとみられるOsramが、Appleへの製品供給が中止になったことを示唆しており、マイクロLED搭載Apple Watchの開発は中止されたのではないかと伝えられたばかりです。

OLEDより薄型軽量化、高輝度を実現可能なマイクロLED

2015年の初代発売以降のApple Watchや、iPhone X以降のiPhoneのディスプレイには、有機EL(OLED)が採用されています。

自発光型のOLEDは、液晶で必要なバックライトが不要なので薄型・軽量化が可能であり、視野角が広く、コントラスト比が高く、黒の表示に電力を消費しないなどのメリットがあります。

マイクロLEDは、OLEDと同じく自発光型ですが、さらに薄型・軽量化が可能であり、より高い輝度、OLEDの弱点である焼き付きが起こりにくく長寿命といったメリットを持ちます。

しかし、比較的新しい技術ということもあり、製造コストの高さや歩留まり(良品率)の低さが課題となっています。

Photo:Apple

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