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山手線の通信品質調査、最速は?安定性トップは?Opensignalが調査

山手線主要駅と沿線における4キャリアの通信品質の調査結果を、Opensignalが発表しました。ダウンロード速度ではauがトップで、動画再生やゲーム利用時の品質、通信の安定性ではソフトバンクがトップ評価を獲得しています。山手線エリアの5G利用率は東京全体や全国平均を上回っています。

山手線沿線での下り速度はauがトップ

Opensignalが公表した、山手線周辺の通信品質調査結果は、山手線の主要駅(東京、品川、渋谷、新宿、池袋、上野、秋葉原)周辺500メートルと、線路の周辺100メートルの範囲における4キャリア(NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル)利用者の実際の通信状況を分析したものです。調査期間は、2023年11月1日から2034年2月29日の4カ月間です。

ダウンロード速度(下のグラフ上段左)は、au(66.9Mbps)がトップで、ソフトバンク(56.3Mbps)やNTTドコモ(54.6%)より約20%の差をつけています。楽天モバイル(29.6Mbps)は大きく差をつけられています。

アップロード速度(同グラフ上段中央)は、楽天モバイル(18.2Mbps)が最速で、2位のソフトバンク(11.5Mbps)以下に大きく差をつけています。

5Gに絞って分析すると各キャリアの差は小さくなり、ダウンロード速度(グラフ下段左)はNTTドコモ(169.9Mbps)、au(158.4Mbps)、ソフトバンク(143.3Mbps)、楽天モバイル(136.5Mbps)の順で並んでいます。

5Gのアップロード速度(グラフ下段中央)は楽天モバイル(24.7Mbps)、ソフトバンク(23.3Mbps)がともに高速でした。

動画再生、ゲームの使用体験ではソフトバンクとauが上位

ビデオ再生(読み込み、再生中の停止、画質)、ゲーム(リアルタイムのマルチプレイヤープレイ)、音声アプリ(LINEなどの通話アプリ)の使用時のユーザー体験をスコア化したのが以下のグラフです。

ビデオ再生体験の全体(以下グラフ上段左)ではソフトバンクとauがともに高いスコアを獲得しています。5Gにおけるビデオ再生(グラフ下段左)では、ソフトバンク、au、NTTドコモが同程度のスコアなのに対し楽天モバイルのスコアがやや低くなっています。

ゲーム体験の全体(グラフ上段中央)は、ソフトバンクとauが同程度の高スコアを獲得しています。5Gに限定すると(グラフ下段中央)、ソフトバンクとauはともに90点近いスコアとなりました。Opensignalは、特に5Gのゲーム体験でソフトバンクが単独で89.7点と高スコアを獲得したことを高く評価しています。

なお、ソフトバンクはOpensignalが2022年2月に発表した世界の携帯キャリアの通信品質比較調査において、ビデオ部門で3位グループ、ゲーム部門で2位グループに食い込んでいます。

音声アプリ体験では、全体(グラフ上段右)、5G(グラフ下段右)のどちらも、各社が80点以上のスコアを獲得しています。中でも、auとソフトバンクが同程度の高スコアで上位となりました。5Gに限定しても、評価の傾向に大きな差は見られませんでした。

最も安定して通信できるのはソフトバンク

通信品質の一貫性(以下グラフ左)では、ソフトバンクが84.5%でトップとなりました。au(79.7%)とNTTドコモ(78.8%)がほぼ同率で続き、楽天モバイル(75.4%)は4位でした。

Opensignalは、山手線周辺では東京周辺全体と比べてユーザーの体感する通信品質がわずかに劣っていると指摘し、これはトラフィックの多さによるネットワーク輻輳が原因だろうと分析しています。

ネットワーク接続中の5G接続時間の割合を示す、5G利用率(以下グラフ中央)でも、ソフトバンクが28.3%でトップとなりました。Opensignalによると、山手線周辺の5G利用率は東京全体と比べて高く、2023年10月に調査した全国平均(最高がauの9.9%)よりも大幅に高くなっています。

モバイル通信に接続されている時間の割合を示すネットワーク利用率は、各社とも99%を超えており、Opensignalは4社の間に統計的に優位な差はない、とコメントしています。

ICT総研も山手線各駅と駅間の通信速度を調査

山手線関連の通信状況を比較した調査といえば、ICT総研が、2023年7月に山手線全30駅と駅間の合計60地点における通信速度を調査した結果を発表しています。

ICT総研による調査では、5Gを優先する設定ではauとソフトバンクが特に高速であり、Opensignalの調査に近い傾向がみられます。

なお、ICT総研がまとめた駅別の通信速度によると、4キャリアの平均ダウンロード速度は、駒込駅ホームが293.2Mbpsで最速だった一方、最も遅い渋谷駅ホームでは10.0Mbpsにとどまりました。

Photo:Opensignal

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