ミニマルデザインの電子コンパス「Beeline」シリーズに待望の新型となる「Beeline Moto II」が登場し、現在クラウドファンディングサイトKickstarterにてプロジェクトを実施中だ。終了まで残り数日の時点ですでに1億円を超える資金が集まっており、世界中のファンの高い期待がうかがえる。日本からは4月14日(木)までKibidango Storeで支援することが可能。
Image Credits:Kickstarter
シリーズ初代は2015年にクラファンプロジェクトを成功させたスマホ連動コンパス「BeeLine」だ(この製品だけLが大文字)。当初は自転車用だったが「バイク用もぜひ!」という要望を受けて、翌年にはシンプルで実用的なバイク用ナビデバイスとして「Beeline Moto」が登場している。2021年には自転車用の新型「Beeline Velo」が誕生。今回のMoto IIはバイク用Motoの後継機となる。
新型の「Beeline Moto II」、進化した点は?
初代Motoのユーザーを含め、世界中から寄せられる声をもとに5年の時をかけて進化したBeeline Moto II。走る楽しさを追求したバイク用ナビゲーションデバイスで、使いやすく洗練されたインターフェースにより、快適なナビゲーション体験が得られるという。
グローブを着けたままでも操作しやすいようにボタンを上面に付け操作性が向上したほか、画面が超広視野角のIPS TFTにアップデートされさまざまな角度からも見やすくなった。
画面は前機種の半透過型液晶から、超広視野角で近年大人気のIPS TFTにアップデートされた。Image Credits:Kickstarter
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14時間持続するバッテリー、豊富なマウントオプション
長持ちするバッテリーも冒険を妨げないための特徴の1つで、充電の残りを気にすることなく14時間という長時間のツーリングを楽しむことができる。新たに開発された「充電用インサート」を使用すれば走行中の充電も可能。バッテリー切れの心配なく冒険に集中できるとしている。
充電用インサートはオプションで追加可能。Image Credits:Kickstarter
屋外で長年使用できるよう配慮された設計も心強いポイント。雨の日でも使える完全防水で耐衝撃性も備えているので、どんな天候や路面状況でも安心だ。万が一故障したり、バッテリーの交換が必要になった場合でも、簡単に対応できるようモジュール式の修理方法を採用している。
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3種のモードで意外なルートを提案、仲間と共有も
単なる移動ではなく自由と発見を楽しむというツーリングの醍醐味を最大限活かすために、Beeline Moto IIには「Fastモード」「Funモード」「コンパスモード」の3種が用意されている。
急いでいる時や時間短縮にこだわるライダー向けのFastモードは、最速で駆け抜けるルートを。Funモードは単調な直線ではなく変化に富んだルートを選択し、景色や街並みを楽しみながらのツーリングを提案する。コンパスモードは目的地の方向のみを指し示し、自分の頭で考える自由なルート探索を可能にする。
また、GPXルートを簡単にインポートでき仲間と共有することも可能。自分のお気に入りルートを共有したり、仲間のルートを参考に新しい旅に出かけたり…ツーリングの楽しみが広がりそうだ。訪れた場所などの走行記録も残せるので、ツーリングの良い思い出となるだろう。
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類似品と比較してBeelineは何が違う?
バイク用の「Beeline Moto」を実際に日本で使用したユーザーには、一般的なナビと違って進む方向や曲がり角など、道案内に必要な情報“しか”表示しないシンプルさが新鮮に受け止められている印象だ。また、「Funモード」や「コンパスモード」で示されるルートが予想外で面白いという感想も。普通のナビでは案内されないようなマイナーなルートを提示されることが多く、「新たな発見と喜びを体験できた」という声も寄せられている。
また、他社の類似製品と比較してみると、見た目の美しさやシンプルさに関してはBeeline製品が突出している感がある。
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イギリスのサイクリスト2人が開発・起業
Beelineはロンドン西部のチジックに拠点を構えるスタートアップ。元科学教師でトライアスロンに夢中なMark Jenner氏と、以前住んでいたアフリカが大好きで、無類の冒険好きでもあるTom Putnam氏という異色のコンビが共同設立者だ。
設立者の2人は、スーツ姿で働いていた2011年に出会って以来の仲間。共同設立のきっかけは2015年の実体験だった。2人はランチの約束をしたものの、自転車で道に迷って辺りをウロウロしたのだ。「自分たちみたいに道に迷ってグルグルしてる人は他にも大勢いるのでは?」と考えた彼らは、解決策を見出すべく起業することに。
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始まりは自転車向け製品だったが、2018年にバイク乗りからも要望が寄せられたことでユーザーベースは「二輪車に乗るすべての人」に拡大。以来同社は、世界中で10万人を超えるサイクリストとライダーのコミュニティを築いている。
合計で1億4千万キロもの距離を走ってきたBeelineユーザーたちは、βテストにも参加しフィードバックすることで製品改良に貢献している。オフィス外のコミュニティメンバーにも支えられた企業なのだ。
(文・根岸志乃)
- Original:https://techable.jp/archives/229025
- Source:Techable(テッカブル) -海外テックニュースメディア
- Author:根岸志乃