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久しぶりの日本登場!新設計の6代目三菱「トライトン」はオフロードだけでなく通勤でも使える快適性を目指して開発された

ピックアップトラックは、オフロード派の憧れ。市街地のすぐ外に大きな自然が広がる北米では当然人気が高いうえ、西海岸では街中で乗るのもある種のステータスです。

三菱自動車が2024年2月に日本で発売した1トンピックアップ「トライトン」は、レジャーや仕事のときの悪路でも、通勤とかの公道でも、問題なく使えることを目指して開発されたというモデルです。

■シャシーもエンジンも新設計の6代目トライトン

1978年を初代と数えて、6代目になる新型トライトン。日本では先代はお休みでしたが、今回、シャシーもエンジンも新設計で晴れての再デビューです。三菱独自のオフロード技術も盛り込まれていて、パジェロからの買い換えもけっこういるとか。

日本仕様は2439cc4気筒ディーゼルエンジンに6段オートマチック変速機の組合せ。内外装のプレミアム性の高い「GSR」と、機能性を重視した「GLS」の二本立てとなります。

クロスカントリー型4WDの定石であるセパレートシャシーに、リアサスペンションは固定式の3枚リーフスプリング。「剛性を上げていると同時に快適性をめざしたチューニングを施した」と三菱自の開発者が言うように、ドライブしてみると完成度が高いことがよくわかります。

ホイールベースは3130mmと長く、ボディは全長5360mm(GLSは5320mm)。おかげでダブルクルーキャブと呼ばれる4ドアで後席も重視のキャビンと、奥行きが1470mmもある広大な荷室が実現しています。

開発者がジマンするのは「オフロード・オンロード両方とも、いつでもどんな状況でも安心してドライブできる」ということ。

オンロードのためには後輪駆動の2H。パジェロで培った技術によるトルク感応式センターデフが働く4Hモードもあります。オフロード走行には、センターデフロックの4HLc、そして超がつくような悪路のための4LLcと、4つのモードをもつ「スーパーセレクト4WD-Ⅱ」搭載です。

ドライブモードは「ノーマル」や「エコ」をはじめ「グラベル」「スノー」「マッド」「サンド」「ロック」と7つのパターン。さらに、ランサーエボリューションの技術を使った「AYC(アクティブヨーコントロール)」で、曲がりにくいカーブや滑りやすい路面でも車体の安定性と走行性能を確保します。

 

■最大470Nmのトルクが活きるオン・オフ性能も快適

ドライブした場所は山梨県。富士ヶ嶺オフロードと、本栖湖周辺のオンロードを走りました。

クロカン4WDの走破性が確認できるようにと、山の斜面を使いながら、あえて難しく作った富士ヶ嶺オフロードでは、三菱の技術者の言葉どおり、見事な走破性を体験できました。基本的には4HLcモード。470Nmもの最大トルクが1500rpmから発生するだけあって、4Hモードでもけっこういけちゃえました。

2つの車輪が浮き上がるようなモーグル(コブ)路面では、4LLcを使ってみました。ぐいぐいと大きな力で後ろから押されるような感覚で、スタックするか、と思うような場所でも、あっというまに脱出できてしまうのには驚愕です。

それでいて、「SUVのような快適な室内で、長距離移動でも負担が少ない」と三菱自がうたうオンロード性能にも感心。第一点は乗り心地がいいこと。サスペンションのファイン(細かい)チューニングを行ったことの成果でしょう。縦揺れはほぼ感じられません。

それからハンドルの操舵に対する車体の動きのよさ。かつ、ハンドルは切ったあと自然に中立位置に復元するキャスターアクションがそれなりにあって、オンロード重視のSUVなみのドライブフィール。慣れていないひとでもまったく違和感なく運転できるでしょう。

 

■室内も空間的余裕たっぷり

室内は空間的余裕がたっぷりあり、後席も広く、かつシートのクッションはソフトで、居心地がよさそうです。私はあいにく後席での移動を体験していないのですが、静粛性の高さといい、ファミリー向けでもある、と三菱自が言うのに納得できそうです。

荷台の使い勝手も、トライトンの重要なポイントです。広いうえに、オプションが豊富。キズ防止のライナー、電動やハードタイプなど各種トノーカバー、さらに、電動ポップアップウインドウを備えたキャノピーまで用意されています。それもトライトンの楽しさです。

【Specifications】
三菱 トライトン GSR
全長×全幅×全高:5360×1930×1815mm
ホイールベース:3130mm
車重:2140kg
エンジン:2439cc 4気筒
駆動:全輪駆動
最高出力:150kW[204PS]/3500rpm
最大トルク:470N・m[47.9kgf・m]/1500-2750rpm
価格:540万1000円

 

>> 三菱自動車「トライトン」

 

<文・写真/小川フミオ>

オガワ・フミオ|自動車雑誌、グルメ誌、ライフスタイル誌の編集長を歴任。現在フリーランスのジャーナリストとして、自動車を中心にさまざまな分野の事柄について、幅広いメディアで執筆中

 

 

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