Appleが先日配信したAirTagのファームウェアアップデートは、本来は全体の1%にしか公開されないはずの配信開始初日に、全世界の全ユーザーを対象に公開されてしまいました。その理由は単純な人為的ミスだった、とXユーザーが解説しています。
通常は段階的に公開、今回は世界一斉に配信!
Appleは現地時間3月19日、AirTagのファームウェアアップデートバージョン2A73(2.0.73)を公開しました。
世界中のユーザーのアップデート要求が集中することでシステムに過大な負荷がかかるのを避けるため、Appleは通常、アップデートを何回かに分けて段階的に提供しています。
今回のアップデートでは、3月19日には全ユーザーの1%、3月26日に10%、4月2日に25%、4月9日に全ユーザーに提供、と徐々にリリースされるはずでした。
しかし、実際にはファームウェアバージョン2A73(2.0.73)は、公開初日の3月19日に、全世界のAirTagユーザーに一斉配信されてしまいました。
世界一斉配信の理由は単純ミス
その理由は、AppleがAirTagのアップデート公開日をシステムに設定した際の単純なミスだった、とXユーザーのiSoftware Updates (@iSWUpdates)が指摘しています。
アップデート配信日は通常、「m(月)/d(日)/2024」の形式で記載されるのですが、今回のアップデートでは「m/d/24」と西暦が下2桁だけで記載されていました。
西暦24年を大幅に過ぎていると認識したシステムは、段階を踏むことなく、一気に全ユーザーを対象とした配信を実行してしまったのです。
Xに投稿された画像の1枚目は、前回のアップデート(バージョン2.0.61)のものですが、「goLiveDate」が「10/31/2023」と西暦4桁で記載されています。
対して、2枚目(バージョン2.0.73)では「03/19/24」と、西暦が下2桁だけで記載されているのがわかります。
今回のアップデートでの変更点は不明
Appleはバージョン2A73(2.0.73)での変更点を明らかにしていないため、今回のアップデートでの変更内容を確認することができません。
AirTagのファームウェアバージョンは、「探す」アプリでAirTagの名前をタップすると確認できます。
AirTagのアップデートは、ペアリングされたiPhoneの近くにあれば自動で実行されるため、ユーザーの操作によって実行することはできません。
今後はApple内部でも対策が?
筆者もAirTagファームウェア配信開始当日、自分のAirTagがアップデートされるのはまだ先だろうな、とバージョンを確認したら最新バージョンが適用されていて驚きました。
Appleのソフトウェア配信システムで、入力できるデータ形式に制限を設けていなかったのは意外な印象を受けます。また、同様の操作に慣れているであろうエンジニアが単純なミスをしたと考えると、人間は誰でもミスをするという前提でシステムを設計する必要性を思い知らされます。
今回の一斉配信によって、何かの不具合が引き起こされたという情報は出ていないようですが、今後、同様の人為的ミスを防ぐための対策が強化されるかもしれません。
Photo:iSoftware Updates/X
- Original:https://iphone-mania.jp/news-577876/
- Source:iPhone Mania
- Author:hato