【達人のプラモ術】
ハセガワ
「1/35 タダノ ラフテレーンクレーンGR-130NL/N クレヴォ mini G4」
03/06
ラフテレーンクレーンの製作の第3回となる今回は、シャシーに乗せるクレーンの旋回台とフロア(運転席)を組んでいきます。キットには出来の良いオペレーターのフィギュアが付属しているので、こちらも塗装して乗せましょう。(全6回の3回目/1回目、2回目)
長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTube「
モデルアート公式チャンネル」などでもレビューを配信中。
■旋回台の製作…その前に
いよいよ製作も佳境に突入。
前回完成させたシャシーにクレーン旋回台や運転席を乗せていくのですが、旋回台を仮組みしてシャシーに乗せたところ、前回製作したシャシーの左側に取り付ける補器類のボックス取り付け位置を間違えていることが発覚。そのままだと旋回台が回転できません。なので位置を修正しました。インストをちゃんと確認しながら取り付けを進めないといかんなと猛省しきりです。
■可動部にはミニ四駆用グリスを使用
クレーンの旋回台はクレーンのアームやワイヤーのドラムといった可動部分が存在するので、“パーツを組んでしまって一気にイエローに塗装”ができません。パーツ単位で塗装した後、ワイヤードラムの可動部分は塗装を剥がしてスムーズに動くように擦り合わせをしつつ組み上げていきます。
この際ワイヤードラム(パーツD2・D3・C12)とワイヤーの巻き上げ用リールとなるパーツC4は、軸部分グリスを塗布しておくとスムーズに可動させられます。グリスはシリコンオイルなどを使います。作例は、スチロール樹脂を侵さないミニ4駆用グリスを使用しています(CRC556のような潤滑用オイルはスチロール樹脂を劣化させて割れてしまうので絶対使用しないこと)。またクレーンアームの油圧ステーはビスで固定するのですが、ステーの向きとネジの締め過ぎに注意してください。
■フロアの製作。フィギュアの組み付けとデカール貼りのタイミングに注意!
旋回台が完成したらフロア(運転席)を組んでいきます。シートにダッシュボード、ハンドルなど、カーモデルの製作にいちばん近い工程でもあります。基本的にはインストの指示製作を進めていきますが、いくつか注意点があります。
キットには出来の良いオペレーターのフィギュアが付属しています。運転席を組む際にハンドルを先に取り付けてしまうと、パーツが干渉してしまうため後からオペレーターを乗せられなってしまいます(インストにはオペレーターを乗せる順番指示がない)。組み立て順としては、まずフロアにシートを接着。続いてオペレーターをシートに接着。その後にダッシュボードを取り付けて、最後にハンドル(パーツK4)を接着します。またシートとフィギュアを接着する前にフロア左側サイドコンソールにデカールを貼っておかないといけません。
デカールの指示がインストではなく塗装図に記載されているため、デカールを貼るタイミングが分かりにくく、フロアを完成させた後、工程17『キャブの組み立て』でドアパネルをフロアに取り付けていくのですが、この時点ではドア内側のデカールを貼ることができません。
ところで運転手を組んでいて気が付いてちょっと感動したですが、建機ではよく見る運転中に片手でハンドルを操作する旋回ノブが再現されていたことです。フロア組み上げちゃったらほとんど見えないのですが…こういうこだわり大事ですよね。
■オペレーターのフィギュアの塗装
最近はカーモデルでもドライバーフィギュアが付属しなくなりました。フィギュアを乗せてしまうとせっかく塗装したインテリアが見えなくなる、またフィギュアの顔の塗装が苦手という理由から嫌遠されることが多かったのも事実です。
今回製作のラフテレーンクレーンはミリタリーモデルと同じ1/35スケールということもありますが、オペレーターのフィギュアが付属しています。
フィギュアを乗せるメリットは、人間と対比することで、メカのサイズが実感できることだと思います。クルマなど身近に存在するものは大きさも実感しやすいですが、戦車や戦闘機などはなかなか実際のサイズが想像できません。そこにフィギュアがあれば「おおぉこんなサイズなのね」と対比できます。
今回は建機ですが、やはりオペレーターを乗せることで普通のクルマと比べて着座位置は高いんだ、車体もタイヤもデカいのねと実感できるワケです。
■ウインドウパーツの塗装
ウインドウパーツの塗装は、専用のマスクシールが付属しているのでサクサクと進められます。フロントウインドウはかなり大きめサイズのクリアパーツですが、薄く透明度も高く歪みもありません。ただし傷が付きやすいのでランナーからの切り離しなど取り扱いは丁寧に行いたいところ。マスキングの後、裏面はセミグロスブラック、表面はグロスブラックで塗装していきます。
またウインドウパーツはキャブ(運転席)を組み上げてしまうと手を入れることができなくなるので、事前に内側をMr.ハイコーティングIIで磨き上げ、皮脂の汚れを落として磨いておきます。同剤は静電気によるパーツへのホコリの付着も抑えてくれるので、完成後にクリアパーツの内側にホコリが!(カーモデルあるある)で泣くことも防げます。
■旋回台とキャブの完成
自身のポカミスもあり、今回はなかなか苦戦しましたが、無事旋回台とキャブが完成しました。シャシーと組み合わせてみると建機らしさが120パーセント増しになりました。やはり車体色をイエローにしたのは正解かなと思っています。
次回はいよいよ本キットのキモともいえる伸縮可能なクレーンのアームを作ります…が、えっマジ!とも言える問題発生!(またかよ)
いやどう解決するか…乞うご期待です。
ではまた次回お会いしましょう。
>> [連載]達人のプラモ術
<製作・写真・文/長谷川迷人>
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- Original:https://www.goodspress.jp/howto/594667/
- Source:&GP
- Author:&GP