iPhone15シリーズをはじめとするiPhoneの販売不振が、Appleは当然としてディスプレイサプライヤーであるSamsung Displayの業績にも深刻な影響を及ぼしています。
Samsung Displayは新型11インチiPad Pro用OLEDディスプレイの製造にも苦慮しており、回復に向けた出口が見えにくい状況です。
中国市場でのiPhone販売低迷の影響がサプライヤーに
中国市場を中心とした、iPhone15シリーズの販売不振が続いています。
中国では景気動向だけではなくHuaweiの人気回復によってハイエンドスマートフォン市場でiPhoneの販売台数が減少していることもあり、短期間で増加に転じることはないでしょう。
減少し続けるSamsung Displayの売上高と営業利益
そうしたiPhoneの影響が、iPhone向けOLEDディスプレイの大多数を供給するSamsung Displayに利益の大幅減少という形で現れ始めました。
Samsung Displayの2024年第1四半期(1月〜3月)の売上高は2023年第1四半期(1月〜3月)比で18%減、営業利益は56%減でした。
また、2023年第4四半期(10月〜12月)との比較では、売上高が44%減、営業利益は83%減と状況が悪化し続けています。
上記の数値はSamsung Display全体のものですが、営業利益の70%をiPhone向けOLEDディスプレイで稼ぎ出していることを鑑みると、それが主原因であることは間違いありません。
LG Displayよりも技術力が劣っていた部分が明らかに
そうした状況で新型iPad ProにOLEDディスプレイが搭載されることはSamsung Display製OLEDディスプレイの販路が広がるという点で効果がありますが、iPhone向けOLEDディスプレイとは異なる仕様であるため歩留まり率の改善に苦慮しています。
この分野では、技術力に劣ると思われていたLG Displayが車載ディスプレイの知見を活かして12.9インチOLEDディスプレイに加え11インチOLEDディスプレイも製造することになりました。
揶揄しながらもAppleからの受注が重要なSamsungグループ
Samsung Displayは現状を打破するための方策の1つとして、折りたたみディスプレイの品質改善による販売枚数増加を計画している模様です。
Appleが開発する折りたたみデバイスに採用してもらうためには、折りたたみディスプレイの折り目を現行製品よりも大幅に目立たなくなることが必須とのこともあり、Samsung Displayは改良したものを最新の折りたたみGalaxyスマートフォンに搭載する見通しです。
これは、Galaxy Z Fold6やGalaxy Z Flip6のことでしょう。
GalaxyシリーズではiPhoneを揶揄しながらも、SamsungグループとしてはApple向け製品の販売金額が大きく最終的にAppleからの受注金額を増やすことを検討しない訳にはいきません。
Source:The Elec
Photo:Apple Hub/Facebook
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- Source:iPhone Mania
- Author:FT729