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AI機能が進化した「Google Pixel 8a」はやっぱりお買い得!?「Pixel 8」との違いをチェック

グーグルの最新スマートフォン「Google Pixel 8a」が5月14日に発売となります。Googleストアでの価格は7万2600円。ドコモ、au、ソフトバンクも取り扱っています。同モデルは、2023年10月に発売された「Google Pixel 8」の廉価版。しかし、両モデルは同じCPUを採用し、スペックにも大差はありません。

上位モデルのPixel 8が11万2900円(128GB)〜であるのに対して、Pixel 8aは7万2600円なので、4万300円も安く買えます。Pixel 8aは、Pixel 8に近い性能を備えつつ、細かい部分でコストダウンが図られた高コスパモデルと呼んで差し支えないでしょう。

筆者は発売に先駆けて1週間ほどPixel 8aを使ってみることができました。非常に気持ちよく使えるスマホでした。特に気に入ったのは下記の3つのポイントです。

1. 片手でも楽に操作できるサイズ感
2. 簡単にエモい写真が撮れるカメラ
3. 実用的かつ楽しい多彩なAI機能

それぞれについてレビューしていきます。

 

1. 片手でも楽に操作できるサイズ感

Pixel 8aのサイズは152.1×72.7×8.9mm。Pixel 8よりもベゼルが太いためか、横幅はわずかに太いのですが、それでも片手で無理なく操作できるサイズ感です。指紋センサーが画面内に搭載されていて、右手で持っても左手で持っても使いやすいのも利点。

▲左がPixel 8、右がPixel 8a

▲指紋センサーは画面内に搭載。前面カメラによる顔認証にも対応している

右側面には電源ボタンと音量ボタンを配置。左側面にはSIMスロットを搭載。nanoSIMは1枚しか挿せませんが、eSIMを追加して、2回線を併用できます。これは、キャリアが扱うモデルも同じ仕様です。底部にはUSB Type-Cの接続口を備え、イヤホンジャックは搭載されていません。

▲右側に電源ボタンと音量ボタンを搭載。電源ボタンを長押しすると、AIアシスタント「Gemini」を起動できる

▲底部にUSB Type-C接続口、スピーカー、マイクを搭載。スピーカーはディスプレイ上部にもあり、ステレオ音声を出力できる

カラバリはObsidian(黒)、Porcelain(白)、Bay(ブルー)、Aloe(グリーン)の4色で、筆者が借りたのはBay。背面パネルはマットでサラサラとした手触り。スペックシートには「複合素材」と書かれていましたが、樹脂系の素材だと思われます。ガラスを用いるPixel 8に比べると安っぽい印象は否めませんが、いい意味でカジュアルでポップなテイストと捉えることもできそうです。

▲背面はサラサラとした手触りで、指紋が付着しにくい

サイドフレームとPixelの象徴ともいえるカメラバーには再生アルミ材が使われています。Pixel 8に比べると、カメラバーの出っ張りが少なく、すっきりとした印象を受けます。

▲左がPixel 8、右がPixel 8a。カメラバーの出っ張りは、Pixel 8のほうが控えめ

▲別売りのケース(4900円)を付けると、出っ張りが相殺される

 

2. 簡単にエモい写真が撮れるカメラ

Pixel 8aのアウトカメラは広角(68メガピクセル)+超広角(13メガピクセル)。上位モデルのPixel 8は広角(50メガピクセル)+超広角(12メガピクセル)なので、有効画素数だけを比べると、Pixel 8aのほうが高性能だと思う人がいるかもしれません。

しかし実際には、Pixel 8aのカメラの性能はPixel 8よりも抑えられています。広角カメラのセンサーサイズはPixel 8が1/1.31インチであるのに対して、Pixel 8aは1/1.73。ピクセル幅もPixel 8が1.2μmで、Pixel 8aが0.8μm。レンズのF値もPixel 8がF1.68、Pixel 8aはF1.89となっています。画質面ではPixel 8に軍配が上がります。

されど、ほとんどの人はPixel 8aのカメラで満足必至。上位モデルのPixel 8だけでなく、他社のハイエンドモデルと比べても遜色のない画質で写ります。

▲超広角(0.5×)で撮影

▲広角(1×)で撮影

▲2倍(2×)は、画質劣化が気にならない鮮明な画質で撮れる

▲最大の8倍(8×)で撮っても、画質劣化はこの程度

夕景や夜景など、やや暗い場所でも雰囲気のある写真が撮れます。筆者は日常的には「エモい」という言葉は使わないのですが、Pixel 8aで撮った写真にはエモさを感じたりしました。

▲海辺の夕景を撮影。波打つ水面もいい感じで写った

▲夜景も光と陰が良いバランスで写り、小さな三日月までクッキリと写った

▲料理を撮った作例。色が濃くなり過ぎず、ちょうどいい色合いで撮れた

動画はデフォルトの設定はフルHD/30fpsですが、4K/60fpsの高精細ビデオを撮ることも可能。筆者が試した範囲では、ブレが少なく、安定した画質で撮影できました。マイクの感度がいいのか、音声もクリアに録音されるように感じました。

 

3. 実用的かつ楽しい多彩なAI機能

Pixelの大きな特徴として「AI」が挙げられます。「ChatGPT」などの生成AIが注目される以前から、AIを用いた翻訳機能、画像編集機能などが搭載され、進化を続けてきました。これらAIを用いた便利機能は、上位モデルのPixel 8と同じように使えます。

グーグルが開発した生成AI「Gemini」がプリインストールされていて、従来の「Googleアシスタント」に置き換えて、使うことが可能。会話形式で知りたい情報を調べることができます。

▲「Gemini」は従来の「Googleアシスタント」と同じように使える。「Gemini」を使わず、「Googleアシスタント」を優先的に使うことも可能だ

今年1月から提供が開始された「かこって検索」にも対応しています。ウェブでもSNSでも動画でも、調べたいものが表示されたら、指でぐるっと囲むだけで検索できるという機能。ジェスチャー操作を設定している場合は、画面下に表示される白いバー、3 ボタン操作の場合はホームボタンを長押しすると起動できます。筆者はジェスチャー操作を設定していますが、うまく起動できないことがありました。かこって検索を多用するのであれば、3ボタン方式にしたほうがよさそうです。

▲「かこって検索」は、知りたいことを素早く調べられる

多くの言語に対応する「リアルタイム翻訳」は、精度が高く、スピーディーに翻訳されます。海外出張・旅行ではもちろん、訪日する外国人に接する場合にも重宝しそうです。

▲「リアルタイム翻訳」は、メッセージの翻訳、自動字幕起こし、カメラでの読み取りなど、多彩な使い方がある。使いたい言語をダウンロードしておくことで、オフラインでも使える

画像編集では、不要な被写体を除去する「消しゴムマジック」、指定した被写体を移動させたり、大きくしたりできる「編集マジック」など、高度な編集機能を簡単な操作で楽しめます。Pixel 8に初搭載された、集合写真を撮影した際に複数の写真から全員が良い表情の1枚を生成する「ベストテイク」も利用可能。動画の音声を解析して、無駄な音声を小さくしたり、除去したりできる「音声消しゴムマジック」にも対応しています。

▲不要な被写体を自動で認識、または手動で指定して除去できる「消しゴムマジック」

▲写真に写った物を動かせる「編集マジック」。隠れていた背景がAIで生成される

▲動画の音声のノイズを消せる「音声消しゴムマジック」。人の声を消すことも可能

 

■いま買うならPixel 8よりPixel 8aを選ぶのが得策

筆者がPixel 8aと上位モデルのPixel 8のスペックを細かく比べてみたところ、機能面での大きな相違点は、Pixel 8aが、ワイヤレス充電に対応しているものの、他のデバイスへの給電には対応していない、それくらいでした。Pixel 8と同じように、Pixel 8aも7年間のアップデートが保証されています。ボディの質感やカメラの細かい差分は気にならないのであれば、Pixel 8aを選ぶのが得策でしょう。ただし、Pixel 8aの登場によって、Pixel 8が値下がりしたり、割引価格で買えるキャンペーンが実施されたりする可能性もあります。今後の価格動向にも注視しましょう。

>> Google Store

<取材・文/村元正剛(ゴーズ)

村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。

 

 

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