【達人のプラモ術】
国内最大規模の模型展示会『静岡ホビーショー』 がこの5月8日からツインメッセ静岡にて開催されました(一般公開は11日と12日の2日間)。
62回目を迎える今回は、国内のホビーメーカーなど99の企業や団体が出展。話題の新製品が数多く発表、展示されました。昨年は雨に中に泣かされましたが、今回は天候にも恵まれたこともあって、事前登録制によって入場者数は制限されたにもかかわらず多くの来場者で会場は大変な賑わいとなりました(来場者数約8万人)。
というワケで今回の「達人のプラモ術」は『2024鈴岡ホビーショーレポート』というスタイルで、会場で発表された新製品の中から、達人の目にとまったアイテムをピックアップして紹介していきましょう!
達人的には、毎年参加している静岡ホビーショーですが、今年は一般公開日の2日間の来場者の多さに驚かされました。
一般公開日の初日、11日(土)は、午前7時段階で、会場となるツインメッセ静岡の建物をすでにぐるりと一周以上の行列ができており、オープン直後の会場内は、あまりの人の多さに思うように身動きができないほどでありました。先頭の方は前日、金曜日の午後から並んだと聞いております。いやそれだけホビーショーが楽しみだということなのだと思います。
新型コロナウイルス禍の時には、中止や一般公開の自粛も余儀なくされましたが、逆に「巣ごもり需要」効果でプラモデルに戻ってきたリターン層を中心にホビーのファンは増加の傾向にあり、組合事務局によれば「コロナ前の水準を超えて、プラモ市場は拡大している」とのこと。プラモの楽しさを発信している身としては嬉しい限りであります。
さて前置きが長くなりましたが、今ホビーショーで注目したアイテムを紹介していきましよう!
■タミヤ
タミヤブースでは「1/72ロッキードマーチン F-35B ライトニングⅡ」やドイツ連邦主力戦車レオパルド2A7、さらにスーパーカーシリーズの新作「1/24 NISSAN フェアレディ 240Z ストリートカスタムが注目を集めていました。
特に「1/72 F-35B ライトニングⅡ」は昨年秋の東京ホビーショーで発表され人気を集めた「1/48 F-35B」のスケールダウンモデル。達人のプラモ術でも紹介しています。中身は単なるスケールダウンではなく、1/72サイズでの作りやすさやディテールの最適化が図られています。また1/48では機体色を調色する必要がありましたが、今回1/72では発売に併せて専用色もリリースされることになりました。
またカーモデルマニアの熱い視線を集めていたのが「日産フェアレディ240Z ストリートカスタム「。先に発売されている「フェアレディ 240ZG」のバリエーションモデルですが、ノーズ部分は新規設計となり、エンジンのエアファンネルはアルミ製パーツで再現。さらにRSワタナベ製6本ホイール、縦デュアルのマフラー、ローダウンサスペンションなどが再現されております。
達人は、久々に特別販売として再販になる「アルファロメオ ジュリア スプリントGTA」に注目。最高にカッコいいクルマなんですよ! とりあえず3個は予約確定です!
またアルファと同時に「1/24 ファイアット アバルト695SS」も特別販売アイテムとして発表されておりました。ノーマルの「フィアット500」は「達人のプラモ術」で紹介していますが、「アバルト695SS」はツーリングカーレースで活躍したイカしたホットハッチです。こちらも達人オススメです。アバルトチューンの証、サソリのマークがカッコいいんですよねぇ。価格も2750円とリーズナブルなのも嬉しい! 組みやすいキットなのでカーモデルビギナーにもオススメです。
あと達人としては「1/35 恐竜シリーズ」のプテラノドンが見逃せません。1981年に発売されたモデルの再販ですが、今回新たにキットはクリアーブラウンで成型したことで、塗装を重ねても翼の薄さをリアルに再現できるのがポイントです。
▼「1/24 フィアット アバルト 695 SS」(2750円)
2024年6月22日ごろ発売 ※特別販売商品
▼「1/24 日産フェアレディ240Zストリートカスタム」(4950円)
2024年8月発売予定
▼「1/24 アルファロメオ ジュリア スプリント GTA」(3520円)
2024年7月発売予定 ※特別販売商品
▼「1/72 ロッキード マーチンF-35B ライトニングII」(4620円)
2024年8月発売予定
▼1/35 ドイツ連邦主力戦車レオパルド2A7」(6380円)
6月15日ごろ発売
▼「1/35 恐竜シリーズ プテラノドン」(880円)
5月25日発売
達人は基本的にRCカーが苦手なのですが(操縦のセンスがない)、今回久々に欲しいと声に出した1/10 RCカーが登場。
それがコチラ、シトロエンDS。1955年のパリサロンで発表され、当時としては非常に前衛的な空力デザインを採用し、世界の自動車評論家が選んだ「20世紀の名車ランキング」で堂々3位に輝いたシトロエンの前輪駆動サルーンで、そのスタイルから「宇宙船」とも呼ばれていました。いや~今の目で見ても新鮮なデザインですよ。1/10スケールのRCカーなのでインテリア等は再現されていませんが、DSの個性的なスタイルを見事に再現しているので、ディスプレイモデルとしても楽しめますね。
▼「シトロエンDS(MB-1シャーシ)」(1万8480円)
6月15日ごろ発売予定
■ファインモールド
スケールモデルのみならず『紅の豚』や『天空の城ラピュタ』のプラモデルでもお馴染みのファインモールドのブースでは、3月に急性硬膜下血腫で急逝した漫画家の鳥山明氏がデザインとボックスアートを手がけた「1/12?ワールドファイターコレクション」の再販を発表(全7種類)。リアルとユーモラスが見事に融合したディフォルメデザインのミリタリーフィギュア。銃や装備品は実物資料や写真を参考に出来る限り正確に再現。これはコレクションしたくなるフィギュアですよ。
▼「1/12? ワールドファイターコレクション WWII アメリカ陸軍 歩兵 ロジャース軍曹&トンプソンM1A1 プラモデル FT02」(2860円)
2024年6月30日発売予定
▼「1/12? ワールドファイターコレクション アメリカ陸軍 女性兵士(湾岸戦争) サンディ&コルトM16A2 プラモデル FT05」(2860円)
2024年6月30日発売予定
■アオシマ
アオシマ(青島文化教材社)は創業100周年を記念して、「ハコスカ」の愛称で呼ばれた「KPGC10 スカイラインGT-R」を1/24スケールの「スナップカー」シリーズ最新作として発表。
同シリーズはプラモデルを作った経験、塗装経験がない人でも楽しめる配慮がなされたカーモデルです。キットは接着剤が不要で、ボディは塗装をしなくても良いように成型色そのままでも実車のようなカラーリングが再現されています。パーツ構成もシンプルで組み立ても簡単で、年少者でも購入しやすいように値段もリーズナブルなスケールモデルです。
今回発表された「KPGC10 スカイラインGT-R」は、ブースに実車が展示されギャラリーの注目を集めていました。
▼「KPGC10 スカイラインGT-R(シルバー)」(3740円)
2024年6月発売予定
■BANDAI SPIRITS
今回、BANDAI SPIRITSで目に留まったのが映画『ゴジラ×コング 新たなる帝国』版のゴジラのプラモデルだ。映画『ゴジラvsメカゴジラ』の西島伸司氏のプロデュースによるゴジラの骨格に外皮パーツを組みつけていくことで、マッチョなフォルムのUSAゴジラを固定ポーズで再現。展示モデルはまだ監修中のものだったが、帝国完成度が高い! これは欲しい!
あとBANDAI SPIRITSのブースで大いに注目したのが盆栽のプラモデルです。まだ商品化企画進行中とのことで、発売されるかは未定だけれど、自然物をテーマにこれまで積み上げてきた技術力と表現力をつぎ込んだプラモデルになるのだそうです。詫び寂びの世界をプラモで再現。バンダイ恐るべし! 達人的には製品化、バリエーション展開熱望です(オイ!)。
▼『ゴジラ(2024)fromゴジラ×コング 新たなる帝国』(7480円)
2024年12月発売予定
▼「盆栽プラモデル」(参考商品、価格未定)
発売未定
■海外メーカーのニューアイテム
海外メーカーの新製品発表も相変わらず盛況なのですが、ご存知の通りの長く続く円安の影響もあって、輸入キット価格の高騰が続いています。魅力的なアイテム数多いだけに悩ましいところではあります。
ウクライナの模型メーカー、アーモリーホビーからは1/32スケールの「DH.89ドラゴンラピッド」(イギリスの航空機メーカーであったデ・ハビランドが1930年代に開発した複葉の双発輸送機)が発表されていました。ボックスアートとパーツの展示のみでしたが、マニア好みの機体で、ガレージキットを除いて1/32ではキット化されていなかったこともあって、達人的には期待大! 好きな機体だけにこれは欲しい!
また1/48スケールで「1/48 ヴォート F4U-1A/2 コルセア」を発売して話題を集めた新進メーカー、マジックファクトリーから1/48スケールでアメリカ海兵隊攻撃機「A-4M スカイホーク」がリリース。こちらも期待大!
ドイツレベルからは1/144スケールで、航続距離を伸ばし武装を強化した「UボートTypeⅨ CX40」が完全新金型で登場。同タイプの一隻は日本海軍に譲渡されロ-501として就役しています。Uボートマニアとしては見逃せません。
イタレリの「1/12 ブガッティタイプ35Bロードスター」も気になります。キットは先に発売されているロードスターにライトフェンダーを新金型で追加したバリエーションモデルですが、これがまたカッコ良いのですよ。
▼イタレリ「1/12 ブガッティタイプ35Bロードスター」(2万8600円)
2024年5月発売予定(プラッツ扱い)
▼レベル「1/144 UボートTypeⅨ CX40」(4730円)
2024年夏発売予定
▼マジックファクトリー「アメリカ海兵隊攻撃機 A-4M スカイホーク」(1万2460円)
2024年6月30日発売予定(ビーバーコーポレーション扱い)
▼アーモリーホビー「1/32 DH.89ドラゴンラピッド」(1万6940円)
6月以降発売(ビーバーコーポレーション扱い)
>> [連載]達人のプラモ術
<取材・文/長谷川迷人>
長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTube「
モデルアート公式チャンネル」などでもレビューを配信中。
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- Original:https://www.goodspress.jp/features/603031/
- Source:&GP
- Author:&GP