MM総研は、2023年度通期(2023年4月〜2024年3月)における国内パソコン出荷台数の調査結果を発表しました。個人向けパソコンの出荷台数が前年度比11.7%減と冷え込む中、AppleのMacはメーカー別シェアを伸ばし、シェア2位に躍進しています。2024年度は人工知能(AI)パソコンが注目を集め、出荷台数も伸びると予測されています。
2023年度の国内パソコン出荷、前年度比4.1%減
MM総研が発表した2023年度通期(2023年4月〜2024年3月)の国内パソコン出荷台数調査によると、国内のパソコン出荷台数は1077.5万台で前年度比4.1%減少し、3年連続での減少を記録しました。
出荷金額は1兆2,394億円で、前年度比0.4%減と、出荷台数と比べて下落幅は小幅でした。出荷平均単価は11万5,026円で、2022年度の11万823円から4,203円上昇し、平均単価は3年連続で上昇しています。各社の新製品価格が上昇していることがわかります。
全体の出荷台数減の中、シェア4位Dynabookと5位Apple、出荷台数が増加
国内パソコン出荷台数のメーカー別シェアは、トップがNECレノボ(24.3%)で、日本HP(17.3%)、富士通(14.7%)、Dell(14.4%)、Dynabook(8.3%)と続き、Appleはシェア6.2%で6位でした。
全体の出荷台数が減少する中で、上位4メーカーは対前年度比で出荷台数を減らしている一方、DynabookとAppleは小幅ながら出荷台数を伸ばしています。
個人向けパソコンではAppleが前年の3位から2位に躍進
国内パソコン出荷のうち、個人向け市場は339.3万台で、前年度比11.7%減と2桁のマイナスとなりました。
個人市場のメーカー別シェアでは、1位は前年に続きNECレノボ(22..1%)でした。Appleは、前年の3位(13.2%)から2位(15.9%)へと躍進しています。
なお、Appleは国内パソコン出荷台数シェアで2021年度に4位から3位に上昇してから、2022年度と2023年度の3年間、3位を維持していました。
MM総研は2023年度の個人向けパソコン市場について、新型コロナウイルス感染症が2023年5月に5類に移行してから低迷が続いたものの、ネット通販強化や10万円以下の商品ラインナップ強化が下支えしたと分析しています。
また、2024年度の新入学セール期間では販売台数の落ち込みに歯止めがかかっており、コロナ禍での巣ごもり需要の反動による減少も落ち着いたとみています。
2024年度、2025年度はパソコン出荷台数が増加か
MM総研は、2024年度の国内パソコン市場について、2023年度比12.1%増となる1208.3万台になると予測しています。
そのうち、個人市場は2.4%増の347.4万台、法人市場は16.6%増の860.9万台と、特に法人市場の伸びが大きいとみられます。
市場拡大の要因としてMM総研は、2025年10月のWindows10基本サポート終了、「GIGAスクール構想」で導入された端末の更新を挙げています。Windows更新による需要は2025年度の上期まで継続し、2025年度の出荷台数は2024年度をさらに上回る、と同社は予測しています。
以下のグラフにあるように、コロナ禍の影響が拡大した2019年度〜2020年度にかけて、個人・法人の両市場ともに大きく出荷台数が伸びて以降、市場の縮小が続いていましたが、2024年には回復が見込まれています。
2024年度は「AIパソコン」に注目
MM総研は、2024年度のパソコン市場では人工知能(AI)対応半導体を搭載した「AIパソコン」に注目が集まるだろう、とコメントしています。
Microsoftが5月に発表した「Copilot+PC」や、QualcommのAIに特化型プロセッサ(NPU)を搭載した各社の新型パソコンが6月以降に発表され、年末にはIntelもNPUを投入する見込みです。
MacもOSのAI機能進化に注目
Appleは現地時間6月10日(日本時間6月11日午前2時)の世界開発者会議(WWDC24)基調講演で、Mac向けの次世代OS、macOS 15を発表すると考えられます。
iPhone向けのiOS18と同様、macOS 15でもAIを活用した新機能が追加されるのではないか、と期待されています。
Source:MM総研
Photo: Apple
- Original:https://iphone-mania.jp/news-581301/
- Source:iPhone Mania
- Author:hato