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キャンプだけじゃもったいない!クレイジークリークのアウトドア座椅子は夏レジャーのマストアイテム

【アウトドア銘品図鑑】

広げるだけでどこでも背もたれを作れるアウトドア版座椅子「オリジナルチェア」を発明したブランド、クレイジークリーク。

1980年代後期、スキー好きの創業者が“雪の上で座っても濡れない、テントの中で座っても疲れないように”と、カヌーのシートをベースに開発したのが「オリジナルチェア」になります。

今では、フォームの厚みが1cmの「ザ チェア2.0」や、肉抜きフォーム素材を採用して軽く、丸めて収納できる「HEX2.0」シリーズなんかもラインナップされています。

この春には「オリジナルチェア」(9900円/全7色)にカモ柄「オリジナルチェア スペシャルエディションカモ」(1万2100円)が仲間入りしたこともうれしいニュース。

現在のキャンプシーンではヘリノックスに代表される軽くてコンパクトに持ち運べる脚付きチェアが市場を席巻していますが、おもしろいことに「オリジナルチェア」に回帰するキャンパーも目立ちます。それはなぜなのか?

「オリジナルチェア スペシャルエディションカモ」のサンプルを取り寄せ、その魅力を探ってみました。

 

■シンプルな構造だけど計算尽くし

「オリジナルチェア」シリーズは重量745g。ヘリノックスの軽量モデルは500g程度ですから超軽量というわけではありません。

▲収納サイズ42×42×H6cm

けれどもわずらわしい組み立ては不要でパッと広げるだけで使えるのはとにかく楽ちん。

二つ折りのマットで、収納は両脇を面ファスナーで留めるだけ。単純だけどこの潔さに好感を持てます。

しかも黒いテープ全てが面ファスナー。

面ファスナーはどうしても汚れがからまったり、フック面が伸びたりして次第に接着力が弱まります。端っこに申し訳程度の面ファスナーがついているようではすぐに剥がれてしまってイラッとしますが、「オリジナルチェア」は長い面ファスナーで開きを押さえてくれるんです。

開くだけで準備完了。

風が吹くとパタンと背もたれが倒れるので頼りなく思えますが、座るとどうでしょう! 背もたれにはカーボンファイバー製の補強ステイが入っているのでしっかり背中を支えてくれます。

グッと背もたれに寄りかかってもいい具合に支えてくれます。

ピンと張っているわけではありませんが、体に沿って支えていて、包まれるような安心感。

また、マットと背もたれにはそれぞれ1.25cm厚のクローズドフォームが入っていて、よほどゴツゴツ石が点在している川原でもない限りおしりが痛くなるようなことはありません。

▲バックルにもロゴが刻まれている

座ったら両側のベルトを引っ張って、自分にとって心地よい角度にします。その際、座面前方が少し浮きますがそれが正解。

ただ、それだとどうしても折りたたみ部分に負荷がかかるわけで…。ということで底をチェック!

うれしいことに、一番負荷がかかる折りたたみ部分にはちゃんと補強がなされています。こういう細かな配慮がクレイジークリークのいいところ。

ベルトはウイングという三角の布に縫い付けられていて、力が分散されることで縫い目がほつれにくくなっています。

旧モデルは背もたれにロゴがプリントされていましたが、現行モデルはウイングにロゴが移されています。このさりげなさも好印象。

ちなみにこのウイング、親交のあるデイナ・グリーソン(ミステリーランチ創業者)がアドバイスしたとか。こんな逸話も楽しいですね。

 

■ビーチや車内でも活躍

「オリジナルチェア」は「ザ チェア2.0」よりもやや厚手のフォームが採用されていて、地面の冷たさや凸凹をより感じにくくなっています。

テントの中にチェアを入れるとフロアを傷つけることがありますが、「オリジナルチェア」ならそんな心配なし。創業者の思惑通り、背もたれがあると雨の日の滞在もめちゃ楽です。

それだけではなく、広げればマットとしても使用可能。カバーするのはおしりと背中だけですが、草地や砂地の上であれば案外いい感じに眠れます。

軽量化を目指しつつもチェアのある文化的なひとときを手放せない地べたキャンパーにとって、これほどうれしいことはありません。

もちろんエアマット派の備えにもなりますよ!

面ファスナーをちょっとゆるめて留めれば、ボトルとストールやてぬぐいを挟んで持ち運ぶなんてことも可能です。お花見や花火大会、フェスならこんな身軽なスタイルで出かけて、会場でゆるっと過ごせるというわけ。

脚付きのスタンダードなチェアを持ち込めないフェス会場があるし、花火だって近くの人の視線を遮っちゃう危険度大。その点「オリジナルチェア」であれば周囲に迷惑をかけることなくくつろげます。これ大事。

「オリジナルチェア」は地面に置いて使うほか、背もたれのない公園のベンチやクルマの荷室に座るときに併用して座り心地を格上げ、なんてこともできます。

軽さと座り心地のよさを両立させるチェアはほかにもありますが、「オリジナルチェア」は壊れにくく、単独でも組み合わせても使える。そんな懐の深さが人々を魅了する理由です。

>> クレイジークリーク

>> [連載]アウトドア銘品図鑑

<取材・文/大森弘恵 撮影協力/エイアンドエフ >

大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。X

 

 

 

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