iPad Pro(M4)で軽量薄型化に舵を切ったことで、Appleは今後、製品開発の方向性をこれまでから変更する可能性が指摘されています。
この変化には、改良型3nmプロセス「N3E」で製造されるM4を手始めに、Appleシリコンの改良が性能向上重視から電力効率重視に転換されることで成されると予想します。
その実現に深く関わってくるのは、TSMCの次世代プロセスである2nmプロセス「N2」になるでしょう。
Appleシリコン開発の方向性が変更!?
Appleが今後、iPhone17シリーズ、MacBook、Apple Watchの全てで製品の薄型化を目指すとしても、性能とバッテリー駆動時間を犠牲にしてそれを成し遂げることはしないと推察されます。
その場合、Apple Intelligenceを実行するのに十分な性能を保持ししたままバッテリー駆動時間も現行モデル並みを確保し、その上で薄型化を実現しようとすれば、搭載するAppleシリコンは発熱が少なく電力効率に優れたものを搭載する必要が生じます。
2025年のいつ、2nmプロセス「N2」に移行できるか
その場合、Appleシリコンを製造するTSMCの微細化プロセスが今後どのように推移するかで、Apple製品の薄型化の進展が影響を受けると考えられます。
TSMCの次の微細化は、2nmプロセスである「N2」で、量産開始時期について2025年第2四半期(4月〜6月)と予想するもの、2025年下半期(7月〜12月)と予想するものがあります。
2025年第2四半期(4月〜6月)にN2での半導体量産を開始できるのであれば、iPhone17シリーズ用A19 Proを製造することは可能でしょう。
一方、2025年下半期(7月〜12月)であればN2で製造されるAシリーズチップ搭載製品の発売時期は2026年まで遅れることになります。
例えばiPhone17 Slim(もしくはiPhone17 Air)が2025年9月ではなく2026年3月など遅れて発表されるのでなければ、iPhone18シリーズに持ち越しとなりそうです。
iPhone17 Proシリーズ用A19 Proの特性はどうなる!?
M4はA17 Proをベースに開発されているように、Apple MシリーズはApple Aシリーズをベースに開発されています。
iPhone17 Proシリーズ用A19 Proが電力効率重視で開発される、もしくはN2で製造されることで電力効率面で優れている場合、M6もその方向性を踏襲するでしょう。
2025年のApple MシリーズがM5である場合、これまで通りであればiPhone16 Proシリーズ用A18 Proをベースに開発されるはずです。
そのため、A18 Proの素性が良ければ、M5でM4以上の電力効率が実現される可能性は高いと予想されます。
ミニLEDからOLEDへの移行で薄型化できそうなMacBook
また、Apple製品の薄型化はディスプレイ側でも行われるはずです。
マイクロLEDディスプレイへの以降に頓挫したApple Watchは別として、iPadモデルとMacBookのディスプレイは今後、有機EL(OLED)ディスプレイに変更される見通しです。
これは、ミニLEDディスプレイを搭載するMacBook Proの薄型化に有用で、大幅な薄型化を実現した13インチiPad Pro(M4)と同じ効果が期待できます。
iPad AirとiPad miniもOLEDディスプレイを搭載することでiPad Pro並の薄さを実現すると予想されますが、発表時期は2026年以降に遅れそうです。
Apple Watchの薄型化はケースの改良で実現?
薄型化に難渋すると予想されるのはApple Watchで、搭載するシステム・イン・パッケージ(SiP)の改良だけでの効果は小さいと思われ、ロジックボードの小型化、バンド取り付け方法の変更による取付部小型化を実現する必要があります。
薄型化可能ならバッテリー駆動時間延長も可能
製品を薄型化できる技術を別方向に活かせば、電力効率の高さとバッテリー容量のわずかな拡大によってバッテリー駆動時間延長も実現できることになります。
まずはM4を製造する改良型3nmプロセス「N3E」の歩留まり率、2nmプロセス「N2」の量産開始時期がいつになるかに注目です。
Source:Power On/Bloomberg
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- Original:https://iphone-mania.jp/news-581970/
- Source:iPhone Mania
- Author:FT729