米教育出版大手Super Duper Publications(以下Super Duper)は5月28日、オンライン療法プラットフォームを提供するCoviu社との提携を発表した。Super Duperの擁する豊富な教材コンテンツをCoviuの使いやすいシステムに組み込むことで、言語聴覚士が直面する遠隔療法の課題に取り組む。
今回の提携によって、言語聴覚士はSuper Duperの教材やアクティビティ、アセスメントにオンラインでアクセス可能となる。児童に対しては、セラピストによる対面指導と遜色ない効果的な遠隔療法を提供できる。「Super Duperの使命は言語聴覚士の重要な仕事を支援すること。今回の提携で、遠隔療法の分野で私たちの影響力を広げられます」と、Super Duper社創設者兼社長のSharon Webber氏は意気込む。
Super Duperの教材をCoviuプラットフォームに導入
言語聴覚士の資格も持つCoviuの米国責任者Kellie Paul氏は、「Super Duperの著名な教材をCoviuプラットフォームに導入できたのは喜ばしいこと。最先端技術で専門家をサポートし、地理的ハードルを越えて最高の療育を届けることは、まさに当社の理念です」と語った。
地理的制約を乗り越え、質の高い療育を届ける
一方、2015年設立のCoviuは、特別支援教育に特化した遠隔医療のソリューションを提供する企業。2020年には6万人以上のユーザーが300万件以上のビデオ相談を行った実績を持つ。これまでに900万件以上のオンライン診療・療育を、9万人以上の医療専門家に提供してきた。
Coviuのプラットフォームは、言語聴覚療法や行動健康など、特別支援教育に不可欠なテレアセスメントとテレセラピー機能を備えており、教育機関や人材紹介会社、テレヘルス事業者を顧客に抱える。地理的制約を乗り越え、質の高い療育を届けるための強力なツールだ。
両社の取り組みは、遠隔教育や多職種連携の重要性が認識され始めた日本でも注目を集めそうだ。文部科学省の調査では、小中学校の通常学級に在籍する6.5%の児童・生徒に発達障害の可能性があると推定されており、手厚い支援体制の整備が急務となっている。政府の「遠隔教育の推進に向けた施策方針」でも、「特別支援教育の充実」が重点項目の一つに挙げられた。
子ども一人ひとりに寄り添った支援の充実に向け、老舗出版社と新興企業の連携から学ぶべきことは多い。
参考・引用元:
Super Duper Publications
Coviu
文部科学省「遠隔教育の推進に向けた施策方針」
(文・嘉島亜麻実)
- Original:https://techable.jp/archives/237521
- Source:Techable(テッカブル) -海外テックニュースメディア
- Author:芥田かほる