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GenomesDAOが資金調達、ブロックチェーン技術でゲノム情報のセキュリティ確保

イギリスのバイオテックGenomesDAOは6月12日、Pantera CapitalおよびModular Capitalが主導する投資ラウンドでの資金調達が成功したことを発表した。

本社ロンドン・2017年設立のGenomesDAOは、ゲノムデータ収益化の際の安全性・秘匿性・監査可能性に注力するバイオテック。分散型ゲノミクス市場の革新に向けて勢いを増している。デロイトトーマツグループによるテック企業成長率ランキング「Technology Fast 50 2022 Berlin」を受賞したほか、世界保健革新サミット(World Innovation Summit for Health、WISH)参画企業でもある。

Pantera Capitalはビットコインやブロックチェーン技術エコシステム企業に特化した初の機関投資会社、Modular Capitalは2022年に設立された暗号投資会社である。

調達資金で旗艦製品Genomes.ioをさらに直接消費者向けに

新たに調達した資金により、GenomesDAOの旗艦製品である「Genomes.io」のDTC(直接消費者向け)展開を加速させるとともに、バーチャルラボの開発を推進する。バーチャルラボはゲノムデータ分析・解釈用の高度なツールを製薬会社や研究機関に提供するもので、ラボ第一陣は今夏に運営を開始する予定だ。

Genomes.ioは、GenomesDAOが「ユーザー本人をデータ所有者とする世界最大のゲノムデータベース」と称するプロダクトスイート。DNAデータを安全にストレージ・共有できるアプリケーションで、ユーザー本人によるゲノムデータの解析・保存・マネタイズを可能にする。

Image Credits:GenomesDAO

Genomes.ioにより、個人が自身の遺伝情報について知ることができ、研究開発を目的とするバイオテック企業や製薬会社はゲノムデータへの平等なアクセスが可能となる。

ゲノムデータを安全に保存するバーチャル保管庫の分散型インフラとして機能するGenomes.ioは、安全・公平・透明性の高い形でのクエリを実現するもの。アメリカの半導体大手AMDとの提携SEV-ES技術(AMD Secure Encrypted Virtualization拡張機能、仮想マシンの暗号化を支援する)を使用して構築された。

ゲノミクス市場変革の鍵となるブロックチェーン技術活用

Pantera CapitalのポートフォリオマネージャーCosmo Jiang氏が述べたとおり、ゲノムデータの解析は個人ユーザーの関心が高く、研究者にとっては価値の高い分野だ。しかし、データプライバシーの問題があるため普及が制限されてきた。この問題を解決するためにGenomes.ioが活用するのが、ブロックチェーン技術である。

GenomesDAOのCEOであるAldo de Pape氏は、ラウンドを主導したPantera CapitalおよびModular Capitalについて「ブロックチェーン企業のスケーリングにおける2社の専門知識はきわめて貴重です。当社のミッション『より安全で透明性の高い公平なゲノミクス市場の実現』を促進するうえで大きな助けとなるでしょう」と述べた。

Modular CapitalのマネージングパートナーVincent Jow氏は「高度な暗号化ソフトウェアを用いたブロックチェーンを活用することにより、消費者は自らの遺伝的アイデンティティを自分で管理する力を取り戻せます。Genomes.ioがプライバシーと収益化、高いエンゲージメントを提供することにより、この市場が構造的に改善されるのです。」とコメントした。

参考・引用元:
NEWSWIRE
GenomesDAO

(文・せな)

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