6月4~7日の期間、台湾・台北市にて台北国際コンピュータ見本市『COMPUTEX Taipei 2024』が開催された。“AIとつながり 未来を共創 connecting AI”をテーマとした今年は、AI、6G、EV、XR、グリーンテック、web3などの技術・製品が集結。36カ国・地域から1,500社が出展企業として参加した。
数あるテクノロジーの中でも、ヘルスケアを目的としたウェアラブルデバイスは現在最も注目される市場の一つ。
ウェアラブルデバイスはリストバンド型や、イヤホンといったイヤーウェアなどが主流だが、その他のタイプに分類され、より多くのデータが取れるとして、インソール型のデバイスも最近注目されている。
今回は、COMPUTEX Taipei 2024で展示されたDecentralized Biotechnology Intelligence(dBio)社のハイスペックかつユーザーフレンドリーな製品「gMOT Cloud」を紹介したい。
インソール型デバイスにおける充電の不便さを解消
インソール型のウェアラブルデバイスというと、筆者が見てきた中ではおおむねUSBの端子がついており、そこから充電するものが主流。このタイプは充電の際にインソールを取り出し、充電しなければならず、不便ではあった。gMOT Cloudは長辺10cmほどの卵型バッテリーを靴の中に入れ、1時間でフル充電、24時間利用できるという、従来のものの不便さを解消しているのが特長だ。
独自開発のセンサーとAIによる高度な分析
1つ目は歩行に関する情報。足裏の圧力の中心の軌跡やバランスを見ることで安定性や健康状態を図る。2つ目は瞬間速度。100メートル走といった運動に対応して、20ミリ秒ごとにデータを正確にキャプチャする。
3つ目は運動強度。運動を消費されるエネルギーによって管理できる。ウォーク、ラン、ジャンプと3つのインジケーターがあり、各運動に関するデータと強度レベルが表示され、トレーニング状況を把握できる。デモ画面ではジャンプした際の高さまで把握しており、より高度データトラッキングができることが見て取れた。
4つ目は運動管理。1日の運動状況、歩数、距離、速度、消費カロリー、過去データとの分析などが可能だ。
スポーツにリハビリ、ゲームにも活用
gMOT Cloudは多様な用途向けにカスタマイズが可能だという。スポーツではトレーニングの管理をアスリートならびにトレーナーが活用できるレベルとなっており、たとえばゴルフの際にスイングの重心移動を的確にとらえる。
また医療、リハビリテーションにも有効だ。病院でのリハビリのほか、病院外での運動も患者と医師の両方が確認できる。
トレーニングやエクササイズをより楽しく行うためのゲームも用意されている。イベントのレクリエーションのような活用も視野に入れているという。
デバイスの販売にとどまらない、SaaSモデルで提供
dBioによると、現在はB2Cのプライベートブランドとして展開しているが、B2Bとしては主にAPIサービスを考えているという。たとえばブランドを持ったクライアントや医療関係に、アプリや分析結果をカスタマイズして提供することをメニューとして掲げている。
また、そのままリージョンごとにライセンスを提供して販売してもらうことも視野に入れている。さらにこれら独自開発のノウハウを利用し、スポーツ向けSoCチップの開発をおこなう姿勢だ。
dBioを含め、AIとウェアラブルの活用は会場の随所で見られた。スポーツ、ヘルスケアとAIのさらなる活用、発展に期待したい。
参考・引用元:Decentralized Biotechnology Intelligence
(文・亀川将寛)
- Original:https://techable.jp/archives/238416
- Source:Techable(テッカブル) -海外テックニュースメディア
- Author:kamekawa