ASUS JAPANがAndroidスマートフォンの最新モデル「Zenfone 11 Ultra」の日本発売を発表しました。7月5日発売で、ASUS公式オンラインストアでの価格は、RAM 12GB+ROM 256GBモデルが13万9800円、RAM 16GB+ROM 512GBモデルが15万9800円となっています。量販店やAmazon、楽天市場などでも購入できます。
Zenfoneは「8」から「10」まで、コンパクトで高性能であることを特徴としていました。最新フラッグシップとして登場した「11 Ultra」は6.78インチの大画面ディスプレイを搭載。手にするとずっしりとした重さを感じ、従来モデルとは全く異なる趣。使い勝手はどう変わったのか? 「&GP」は発売に先駆けて実機を試せる機会を得ました。率直な使用感を交えてレビューします。
■重厚感のあるボディは好みが分かれるかも…
ディスプレイは6.78インチの有機EL。ピーク輝度は2500ニトで、リフレッシュレートは最大144Hzと、非常に高い性能を有しています。
背面パネルは擦りガラスのような手触り。ASUSのロゴである「Aモノグラム」がデザインされ、アクセントとなっています。カラバリは4色ですが、上位の16GB+512GBモデルは2色のみとなっています。
非常に高級感のあるボディですが、やや厚み(8.9mm)があり、重い(約224g)ことには評価が分かれそうです。スペック重視のギーク層には刺さりそうですが、従来のコンパクトなZenfoneを気に入っていた人は戸惑うかもしれません。
■30倍ズームでも鮮明に撮れる
筆者が実際に使ってみて、大いに気に入ったのがカメラです。アウトカメラは広角(5000万画素/F値1.9)+超広角(1300万画素/F値2.2)+望遠(3200万画素/F値2.4)という構成。屋内外を問わず、晴天でも曇天でも、シチュエーションを選ばず、きれいに撮影できました。望遠とデジタルを組み合わせたズームは最大30倍で、30倍にしても、かなり鮮明に写ることにも驚かされました。
メインの広角カメラには「6軸ハイブリッドジンバルスタビライザー3.0」を搭載。従来モデルから継承されている機能で、写真も動画も手ブレを抑えて撮影できることが利点。安定して撮影するためのガイドを表示することもできます。
インカメラも3200万画素/F値2.05と高性能。実際よりも明るい顔色で写り、補正もできるので、セルフィーやビデオ通話も積極的に楽しめそうです。
■トレンドのAI機能にもアグレッシブ
プロセッサーは現行最高峰と言って差し支えないであろうSnapdragon 8 Gen 3。AIの処理性能を高めたチップで、それを生かした新しいAI機能も搭載されています。
まずは「AI文字起こし」機能。「レコーダー」アプリで録音した音声の文字起こしができる機能で、日本語、英語、中国語を含む8言語に対応。まだベータ版ですが、日本語の文字起こしを試してみたところ、精度はまずまず。要約できる機能もあり、仕事の効率化につながるように思えました。
電話をリアルタイムで通訳する「AI通話翻訳」という機能も搭載。これも8言語に対応し、事前に言語パックをダウンロードしておくことで、ネットにつながらない環境でも利用可能。現時点ではベータ版ですが、使い方は簡単で、シンプルな会話はスムーズに行えそうな印象。海外でホテルやレストランを予約するときにも重宝しそうです。
ほかに、あいまいなキーワードで「ギャラリー」の画像を検索できる機能、オリジナルの壁紙が生成される機能、AIを用いたノイズキャンセング機能なども搭載。スマホのAI機能は、GoogleのPixelとサムスンのGalaxyがリードしている印象がありましたが、そこにZenfoneが肩を並べたように感じました。
■弱点はわずか。 “性能怪獣” 再来の予感
5500mAhの大容量バッテリーを搭載し、電池持ちも良好。最大65Wの急速充電に対応し、最短で約39分で充電できるとのこと。最大15Wのワイヤレス充電にも対応しています。
デュアルスピーカーを搭載し、スマホの中では音質はかなりいいほうだと感じました。3.5mmのイヤホンジャックもあり、有線のヘッドフォンで音楽を聴きたい人、ゲームをプレイしたい人にも最適。
生体認証は指紋と顔の両方に対応。指紋センサーはディスプレイに搭載され、片手持ちで親指を当てやすい位置にあることにも好印象。
おサイフケータイに対応し、防水(IPX5/IPX8)・防塵(IP6X)にも対応。nanoSIMは2枚装着できますが、microSDカードは装着できません。eSIMにも非対応。これらは弱点と言っていいでしょうが、逆に言えば、弱点はそれだけ。
Zenfoneはかつて、性能の高さから “性能怪獣” とうたったことがあります。Zenfone 11 Ultraに触れていると、そのキャッチコピーを思い出しました。スペックを最重視するヘヴィユーザーには、見逃せない1台に仕上がっていますよ!
<取材・文/村元正剛(ゴーズ)>
村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
【関連記事】
◆4万円台キープなのに急速充電対応&AI機能追加!「OPPO Reno11 A」はさらに高コスパに
◆安すぎっ! 6万円台から買えるハイエンドスマホ「POCO F6 Pro」の実力は?
◆4Kディスプレイをやめた「Xperia 1 VI」は使い勝手が大幅向上。最注目はテレマクロ機能
- Original:https://www.goodspress.jp/reports/612887/
- Source:&GP
- Author:&GP