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ホワイトハッカー集団YesWeHack、2,600万ユーロを調達|サイバーセキュリティ市場で存在感

今年6月、フランスのサイバーセキュリティスタートアップYesWeHackが、シリーズCラウンドで2,600万ユーロの資金調達を行ったと発表した。同社は企業のセキュリティ強化に貢献し、サイバー犯罪の脅威から社会を守る存在として、ますます存在感を示している。

サイバー攻撃激化の中で注目されるホワイトハッカー

Image Credits:YesWeHack

YesWeHackは2015年創業だが、すでに世界40カ国500社以上の顧客を抱える。バグバウンティおよび脆弱性管理プラットフォームで業界で先駆的な存在だ。

バグバウンティとは、企業のWebサイトやアプリの脆弱性を発見した「ホワイトハッカー(倫理に基づくハッキングを行う技術者)」に報奨金を支払うビジネスモデルを指す。

今回の調達のリードインベスターはWendelで、Adelie、Seventure Partnersなどの新規投資家が参加。Bpifrance、Open CNP、Eiffel Investment Groupなどの既存株主も追加出資した。

YesWeHackの強みはなんといっても、数万人もの倫理的ハッカーを擁するハッカー・コミュニティにある。世界中から集まったホワイトハッカーたちが、企業のセキュリティ体制をスピーディかつ低コストでテストする。

フランス政府機関や大企業など、機密性の高い案件も数多く手がけており、Louis Vuitton、Decathlon、Tencentなどグローバル企業との取引実績もある。

ホワイトハッカーたちはWebサイトやモバイルアプリ、IoT機器、ITインフラの脆弱性を発見し修正する。すでに世界中の数百の民間企業、公的機関、政府がYesWeHackの社内トリアージ、パーソナライズされたサポート、カスタマイズ可能なモデル、成果報酬型の料金体系の恩恵を受けている。

YesWeHackは厳格なセキュリティ、財務トレーサビリティ、プライバシー要件を遵守。ISO 27001およびISO 27017の認証を取得し、CREST認定も受けている。プラットフォーム自体も常時パブリックバグバウンティプログラムの対象となっている。

資金調達でプレゼンスの拡大を目指す

今回調達した資金は、AI技術への投資や新サービスの立ち上げ、海外展開の加速に充てる計画だ。創業者兼CEOのGuillaume Vassault-Houlière氏は「この投資のおかげで、顧客満足度をさらに高め、サイバーセキュリティ分野で最も活発なセグメントの1つにおいて、革新的なソリューションを開発し続けることができる」と意気込みを語った。

セキュリティ大手Tenableの共同創業者で、YesWeHackの取締役会メンバーに就任したRenaud Deraison氏は次のようにコメントしている。

「YesWeHackの専門家コミュニティは、顧客のデジタルインフラのセキュリティを継続的にテストする、世界で最も適格なコミュニティの1つ。同社のミッションに貢献できることを光栄に思う」

サイバー攻撃が激化する中、ホワイトハッカーの力を活用したバグバウンティサービスが脚光を浴びつつある。YesWeHackの今後に注目していきたい。

参考・引用元:
YesWeHack
Business Wire

(文・嘉島亜麻実)

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