今年6月、米国の金融リスク技術プロバイダー、OscilarはAI駆動型詐欺検出システムを発表した。このシステムは、米国の金融決済の要であるACH(自動決済機関)ネットワークを狙う詐欺を、かつてない速さと精度で識別・防止する。
ACHとは、給与振込や請求書支払い、ネットショッピングなど、あらゆる電子決済を処理する米国の中枢システムだ。その取引量は急増しており、それに伴い詐欺被害も拡大。特に中小企業の半数以上が損失を回収できていない深刻な状況にある。
リアルタイム分析で不正を即座に検知
同システムは、個人の不正行為による詐欺から組織犯罪まで、現代の金融を脅かす6つの主要な詐欺タイプに対応する。特筆すべきは、FBI報告で2023年に29億ドルの被害を出し、サイバー犯罪で2番目に大きな被害額とされるビジネスメール詐欺(BEC)への対策だ。
Oscilarの共同創業者兼CEOであるNeha Narkhede氏は「私たちはインターネットの安全とオンライン取引の保護のためにこの会社を設立しました」「新製品は、顧客のリアルタイムでの詐欺防止と、安心できる取引をサポートします」と語る。
従来の本人確認や2要素認証を超え、口座の使用パターンや取引の意図を分析するOscilarのシステムは、金融機関やフィンテック企業にとって、ますます巧妙になる脅威から顧客資産を守る強力な盾となりそうだ。
参考・引用元:
Oscilar
PR Newswire
(文・嘉島亜麻実)
- Original:https://techable.jp/archives/239542
- Source:Techable(テッカブル) -海外テックニュースメディア
- Author:Haruka Isobe