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「Apple Watch、がん治療薬の効果把握に有効」科学誌Natureに掲載

Apple Watchが、がん患者への治療薬投与後の経過把握に有効であるとの論文が、科学誌Nature電子版に掲載されました。常時装着しているApple Watchから取得できる心拍数や歩数といったデータが、病院で専門的な機器を用いて計測されるデータよりも早く、治療効果の変化を把握できたそうです。

Apple Watch、病院の専門機器より早期に治療効果を把握

Apple Watchが、がん治療の経過観察に有効だとする研究論文を発表したのは、ドイツのヴュルツブルク大学病院の研究者グループです。

論文では、治療薬セルペルカチニブの投与開始後に、症状の改善がみられた珍しい症状を持つ56歳の男性がん患者が取り上げられています。

特徴的なのは、症状の改善を示したのは、従来型の血液検査やCTスキャンによる検査よりも、患者のApple Watch Series 3から得られた情報の方が早かった、ということです。

具体的には、Apple Watchから得られた歩数データから移動能力の変化を、心拍数データから心臓や血管の状態を把握できたため、治療効果に関する情報を早期に把握できたそうです。

常時装着するApple Watchで取得できるデータが活躍

Apple Watchから得られる情報をデジタルバイオマーカーとして活用することで、がん患者への投薬の効果を、病院での専門的検査よりも早期に測定できたことが特徴的です。

デジタルバイオマーカーとは、Apple Watchなどユーザーが日常的に装着できるウェアラブルデバイスやスマートフォンから入手できるデータを活用し、患者の状態を客観的に可視化する指標です。

従来型の、専用機器を用いた血液検査、MRIやCTスキャンといった検査方法では得られなかった情報を分析し、日常的な診療や医薬品の研究開発に活用できる技術として、活用が進んでいます。

がん治療への効果期待されるApple WatchやiPhone

Apple Watchなどのウェアラブルデバイスが、がん治療に活用された事例は、これまでに複数報告されています。

アメリカの臨床腫瘍学会は2022年に、ウェアラブルデバイスによって患者が治療を受けやすくなり、治療効果向上の効果が期待できるとの研究結果を発表しています。

同学会では現在、Appleが提供するResearhKitを利用してデジタルバイオマーカーを作成し、がんの症状を遠隔監視する研究も進めています。

このほか日本でも、国立がん研究センターが、働きながらがん治療を受ける患者の労働生産性を、iPhoneアプリを使って調査する研究を実施しています。

Source: Nature via MyHealthyApple 中外製薬

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