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Apple Music失速?世界最大手レーベルは売上30%の大幅減

Apple Musicなど、音楽ストリーミングサービスの成長が鈍化していることが、世界最大の音楽レーベル、Universal Music Groupの業績から判明しました。今後、ストリーミング各社は料金の引き上げや、会員向けサービスでの差別化競争が進むとみられます。

会員数の発表が止まったままのApple Music

Appleは、2015年6月にApple Musicのサービスを開始して以来、会員数が1,000万人増えるごとに発表していましたが、2019年6月に6,000万人突破を発表してから、会員数の発表が止まっています。

Appleが方針を変更したのでなければ、5年間以上経っても会員数が7,000万人を突破していない可能性があります。

成長の鈍化は、Apple Musicに限らず、業界最大手のSpotifyやAmazon Musicなど音楽ストリーミングサービス業界全体に共通しているとみられます。

ちなみにAppleが先日発表した2024年4月〜6月の業績で、Apple Musicを含むサービス部門の売上は前年同期比14%増えていますが、サービス部門にはApp StoreやiCloudなどが含まれており、内訳は公開されていません。

世界最大手Universal Musicのストリーミング売上、30%減のショック

世界最大の音楽レーベルであるUniversal Music Groupは、現地時間7月25日の業績発表で、ストリーミングサービス部門の売上高が30%と大幅に落ち込んだことを発表しました。この業績発表後、同社の株価は約30%もの下落に見舞われました。

音楽レーベル各社は、音楽業界最大の収入源となったストリーミングの成長鈍化を一時的なものと説明しているが、多くの投資家はストリーミングサービスの成長は鈍っており、とくにAppleとAmazonが新規顧客の獲得に苦戦していることに気づいている、とBloombergは報じています。

同メディアはまた、レコードレーベル各社が、人員削減や組織再編を行なっているのは、ストリーミングサービスが急成長の時代から低成長の時代へと移行したことを受けたものだ、とも指摘しています。

各社は料金引き上げ、サービス差異化競争が激化か

音楽ストリーミングサービス低成長の時代に収益を確保するため、AppleやSpotify、Amazonなど各社は料金の引き上げに動くとみられます。

また、限られた市場の奪い合いのため、有料サービスの差異化も激化するとみられます。

Spotifyについては、有料会員向けの限定サービスとして、限定盤のアナログレコードやコンサートチケットの早期予約、そして先行リリースなどの特典を設けることが検討されている模様です。

追加料金なしで利用可能な独自サービスが魅力のApple Music

Apple Musicを利用するには、無料トライアル期間後は有料会員になる必要がありますが、WebやAndroidデバイスからも利用できるので、Apple製品ユーザー以外も利用可能です。

会員になれば、追加料金なしでリアルタイム歌詞表示空間オーディオ、ロスレスやハイレゾロスレスの高音質再生などの機能が利用可能で、Spotifyよりもサービスが優れているとの評価もあります。

Apple Musicは、クラシック専門アプリ「Apple Music Classical」の提供を日本でも2023年3月に開始しています。

Apple Musicは、楽曲再生回数に応じてアーティストに支払われるロイヤリティが他ストリーミングサービスと比べて高く設定されています。ここ最近では、空間オーディオ対応楽曲を提供するアーティストへのロイヤリティ支払い率の引き上げ世界各地のラジオ再生状況を把握可能にするなど、アーティスト向けサービスにも力を入れています。

Source: Bloomberg

Photo: Apple (1), (2)

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