MM総研が、「携帯電話の月額利用料金とサービス利用実態(2024年7月調査)」の結果を公表しました。スマートフォンの月額利用料金は、前回の調査で下落傾向が反転していましたが、今回は再び下落しています。端末購入金額は上昇が続く傾向にあります。月間データ通信量は、半数は3GB以下の小容量でした。
スマホ月額料金、平均は4,363円(端末代除く)
MM総研が発表した「携帯電話の月額利用料金とサービス利用実態(2024年7月調査)」によると、スマートフォン利用者の月額利用料金(通話料金+データ通信料金。端末の分割払いを含まない)は4,363円で、前回調査(2024年1月)から113円減少しています。
利用通信サービスごとの利用料金は以下のとおりです。スマートフォンではMNOが167円と減少幅が大きく、サブブランドは51円の小幅増、MVNOは8円の微減でした。
- MNO4ブランドのスマートフォン:5,043円(前回調査比167円減)
- MNOのフィーチャーフォン(楽天モバイルを除く):2,610円(同35円増)
- サブブランド:3,277円(同51円増)
- MVNO:1,993円(同8円減)
下降が続いていた月額利用料金が、前回調査で159円上昇し、今回は113円の減少となりました。この変化についてMM総研は、2023年以降に登場した各社の新料金プランへの移行が加速したため、と分析しています。
新プランでは、データ通信量1GBあたりの料金は従来よりも安くなったものの、データ通信量は前回比0.39GB増の微増にとどまるため、通信料金が下がったとみられます。
スマホ購入金額の平均は75,793円、続く高価格化
スマートフォン利用者全体の端末の割引前購入金額(支払い総額)は75,793円で、前回に続いてさらに1,457円増加しました。
端末購入金額の増加の要因についてMM総研は、(1)為替変動と物価高騰によるスマートフォン本体の価格上昇、(2)売れ筋価格帯として2万円〜3万円の低価格帯端末の比率が減少して6万円以上の中高価格帯の比率上昇、という要因が前回に続いて影響していると分析しています。
5G対応の有無別では、5G対応スマホ利用者の平均は84,907円、4G/3Gスマホ利用者は56,204円で、5G対応の方が3万円近く高くなっています。
利用通信サービス別の端末購入金額は以下のとおりです。スマートフォンでは、MNOの増加幅は小さい一方で、サブブランドとMVNOの増加幅の大きさが目立ちます。
- MNO4ブランドのスマートフォン:80,777円(前回調査比871円増)
- MNOのフィーチャーフォン:21,279円(同81円減)
- サブブランド:67,216円(同3,289円増)
- MVNO:59,285円(同2,416円増)
データ通信量は3GB以下が約半数、10GBまでが75%
スマートフォン利用者の月間データ通信量の平均(「わからない」回答者を除く)は11.47GBで、中央値は3GBとなりました。
有効回答者のみを集計すると、月間通信量が3GB以下のユーザーが52.9%を占めています。
平均値は増加傾向にありますが、中央値は以前の調査から3GBのままであり、利用データ量の二極化が進んでいるといえます。
月間通信量が10GBまでのユーザーが75.4%で、前回調査から0.2ポイント減少し、10GB超のユーザーがその分増加しています。
「わからない」回答者を除いて、利用通信サービス別の月間データ通信量は以下のとおりです。MNO利用者のデータ通信量が、サブブランドとMVNOの2倍以上となっています。
- MNO4ブランドのスマートフォン:13.58GB
- サブブランド:6.39GB
- MVNO:6.52GB
年代別では以下のとおりとなり、若い世代ほどデータ通信量が多い傾向にあります。
- 20代以下:18.80GB
- 30代:15.57GB
- 40代:12.08GB
- 50代:10.03GB
- 60代:6.34GB
音声通話:MNO利用者でもIP・アプリ通話が携帯番号を超える
スマートフォン利用者に、携帯電話番号とIP電話・アプリ電話での1週間あたりの音声通話時間を尋ねたところ、以下の結果となりました。
利用通信サービスがMNO、サブブランド、MVNOのいずれも、IP・アプリ通話が携帯電話番号から通話を上回っています。
MVNO利用者は音声通話時間がMNO、サブブランド利用者の半分強と短くなっています。
通信サービス | 携帯電話番号から | IP電話・アプリ電話から | 合計 |
---|---|---|---|
MNO4社 | 18.2分 | 22.7分 | 40.9分 |
サブブランド | 18.7分 | 20.3分 | 38.9分 |
MVNO | 9.4分 | 12.7分 | 22.1分 |
スマホ利用時間は1,213分/週、前回から2分減
スマートフォンの1週間あたり利用時間(通話時間を除く)は、全体では1,213分(20時間13分)でした。前回調査から2分間短くなっています。
利用通信サービス別では以下のとおりです。前回調査と比べて、サブブランド利用者の利用時間が伸びたことで、サブブランド利用者のスマートフォン利用時間がわずかにMNO利用者を上回っています。
- MNO4社:1,227分(前回比53分減)
- サブブランド:1,231分(前回比103分増)
- MVNO:1,120分(前回比49分増)
SNSと動画配信の利用時間は前回から減、音楽配信は増
SNS、音楽配信、有料動画配信の各サービスの利用率と、1週間あたりの利用時間は以下のとおりでした。
- SNS全体:利用率 67.4%、利用時間 121分/週(前回比6分増)
- 音楽配信サービス:利用率55.2%、利用時間140分/週(前回比15分増)
- 有料動画配信サービス:利用率67.8%、180分/週(前回比21分減)
SNS:X(Twitter)が利用率トップから転落!
SNSでは、前回調査で利用率トップだったX(Twitter)が2位に順位を下げ、前回2位のInstagramが1位になっています。
- Instagram:利用率 66.5%、利用時間 118分/週
- X(旧 Twitter):利用率 64.3%、利用時間 134分/週
- Facebook:利用率 36.1%、利用時間 69分/週
- TikTok:利用率 31.8%、利用時間 178分/週
- Threads:利用率 15.1%、利用時間 82分/週
音楽配信:Apple Musicが利用率3位、利用時間はトップ
音楽配信サービスの利用率の順位は前回と同じです。Apple Musicは利用率で3位ながら、利用時間トップを前回から維持しています。
- YouTube Music:利用率 28.6%、利用時間 98分/週
- Spotify:利用率 25.5%、利用時間 160分/週
- Apple Music:利用率 22.6%、利用時間 200分/週
- Amazon Music Unlimited:利用率 15.2%、利用時間 152分/週
- LINE Music:利用率 10.2%、利用時間 116分/週
有料動画配信:利用率で不動のAmazon、利用時間順位競争は僅差
有料動画配信サービスでは、Amazonプライムビデオの利用率が最も高いのは前回から同じです。利用時間では、U-NEXTの244分が最長となっているほか、YouTube Premium 230分、Netflix 212分などが競っています。
- Amazonプライムビデオ:利用率が39.8%、利用時間 148分/週
- Netflix:利用率 17.1%、利用時間 212分/週
- YouTube Premium:利用率 13.1%、利用時間 230分/週
- Hulu:利用率 7.0%、利用時間 203分/週
- U-NEXT(旧 Paraviを含む):利用率 6.7%、利用時間 244分/週
Source:MM総研
- Original:https://iphone-mania.jp/carrier-584657/
- Source:iPhone Mania
- Author:hato