モトローラ・モビリティ・ジャパン(以下、モトローラ)が、折りたたみ式スマートフォンの最新モデル「motorola razr 50」を9月27日に発売します。公式オンラインストアでの価格は13万5800円。量販店、amazon、楽天市場、一部のMVNOでも購入できます。
なお、ソフトバンク向けの「motorola razer 50s」も同日に発売されます。両モデルのハードウエアは共通していますが、通常版のRAM+ROMが12GB+512GBであるに対して、ソフトバンク版は8GB+256GBと少なめ。ソフトバンク版の価格は11万5200円ですが、48回払いで一定期間使った後に端末を返却すると分割支払金の残額の支払いが不要になる「新トクするサポート」を利用可能。分割支払金は1〜12カ月目が3円、13〜48カ月目は3199円に設定されています。例えば、12カ月目まで支払って返却する場合は、3円×12回+1万9800円(早トクオプション)=1万9836円で使えます。
筆者は、モトローラから通常版をお借りして、いち早く使ってみることができました。折りたたみ式スマホは、どこまで進化したのか? 実際の使い勝手をレビューします。
■2つの大画面で、閉じても開いても快適に使える
motorola razr 50の最大の特徴は、閉じた状態でも約3.6インチの大きなディスプレイを利用できること。前モデルのmotorola razr 40の外側ディスプレイは約1.5インチで “小窓” といった趣きでしたが、グ〜ンと大きくなり、閉じた状態でもアプリを使えるようになりました。
ちなみに、昨年は「motorola razr 40 Ultra」という上位モデルが発売され、約3.6インチの外側ディスプレイを搭載していました。motorola razr 50は、比較的手頃な価格のスタンダードモデルながら大画面の搭載を実現したわけです。
外側ディスプレイでは、「Gmail」や「LINE」も利用でき、キーボードを表示させてメッセージを入力することも可能。「PayPay」のバーコードを表示させて、買い物をすることもできます。「YouTube」やサブスクの音楽・動画サービスも視聴できます。つまり、大きな画面を必要としない場合は、閉じたまままでササッと使えるわけです。
開くと6.9インチの内側ディスプレイを利用可能。例えば、外側ディスプレイで「マップ」を見ている時に開くと、見ていた地図を広い画面で確認できるわけです。
前モデルからヒンジ設計が改良され、よりスムーズに開閉できるようになっています。開くときに力は要らず、すんなり開けて、開き切る直前には少し加速度がついてパンと開きます。自動車のドアを開閉する感覚に近いかもしれません。ヒンジの改良によって、折り目が目立たなくなり、耐久性も向上しているそうです。
■ハーフオープンスタイルでも便利に使える
motorola razr 50は、途中まで開いた状態でも利用できます。「スタンド」「テント」「ラップトップ」の3つのスタイルを用途に合わせて使い分けられます。また、使わないときに「スタンド」や「テント」の状態で卓上に置いて、時計として使ったり、お気に入りの写真を表示させたりすることもできます。
■カメラは画質にも使い勝手にも満足必至
外側カメラは、メイン(5000万画素/F値1.7)+超広角(1300万画素/F値2.2)。メインカメラは4つの画素を1つの大きな画素として使う「クアッドピクセル」に対応し、光学式手ぶれ補正にも対応しています。超広角カメラはマクロ撮影も可能で、2.5cmまで近寄って撮影できます。
撮影画質は明るく、ナチュラルな色調で、ほとんどの人が満足すること必至。夜景も低ノイズで、クリアな画質で写りました。
折りたたんだ状態で外側カメラで自撮りができることも大きなメリット。モトローラ独自のジェスチャー機能で、本体を持って2回捻るように動かすだけでカメラを起動できます。外側ディスプレイで撮影モードの選択ができ、「フォトブース」という新機能も起動できます。これは、プリクラのように表情を変えて4カットを連写できる機能。それぞれの写真に加えて、4枚を並べた組み写真も保存されます。
半分まで開いた状態で、横向きにして「動画」モードにすると、自動で「カムコーダーモード」がオンになります。これは、ビデオカメラに近い操作感で動画を撮れるモードで、ディスプレイの左半分にプレビュー、右半分にタッチパネルが表示。タッチパネルをなぞってズーム操作ができます。
さらに、動画撮影時にはAIを用いた「アダプト型手ぶれ補正」と「水平ロック」を利用可能。「アダプト型手ブレ補正」は主要被写体の動きを予測して、主要被写体がフレームの中央にくるように補正される機能。「水平ロック」は撮影中にスマホの向きを変えても、水平が維持するように補正される機能。動き回るペットを撮影する際に役立つように感じました。
なお、内側ディスプレイの上部にも3200万画素(F値2.4)のカメラが搭載されていて、クアッドピクセルに対応しています。ただし、自撮りは外側カメラで行えるので、内側カメラは主にビデオ通話のためのものと考えていいでしょう。
■生成AI機能は “進化途上” という印象
モトローラは「moto ai」と称して、スマホにAI機能の導入を進めています。motorola razr 50は、先に紹介した動画撮影時のAI機能に加えて、AIで壁紙を作成できる機能を搭載しています。1つは「Style Sync」という機能で、自分が着ている服を撮ったり、「フォト」に保存したお気に入りの画像を選択したりすると、それに合った壁紙デザインが生成されるというもの。ほんの数秒で、複数の候補が作られるので、“気が向いたら壁紙を変えて、気分も変える” といった使い方ができます。
さらに、今後のアップデートで「Magic Canvas」という機能が追加される予定。これはテキストで画像のイメージを指定することで、オリジナルの画像が生成されるという機能だそう。
Googleの生成AI「Gemini」アプリもプリインストールされています。閉じたまま外側ディスプレイでも利用でき、電源ボタンの長押しでも起動できるように初期設定されていました。
■パフォーマンスや電池持ちも満足できる水準
プロセッサーはMediaTek Dimensity 7300X(最大2.5GHz)。ミッドレンジ向けで、折りたたみ式のデュアルディスプレイに最適化されたチップとのこと。閉じた状態でも開いた状態でもサクサクと操作でき、日常的な用途でストレスを感じることはなさそうです。
バッテリー容量は4200mAh。筆者が使った感覚では、1日は余裕で持つが2日間持たせるのは厳しいという印象。充電器は同梱されていませんが、30Wの急速充電、15Wのワイヤレス充電に対応しているので、対応の充電器を持っていれば、それを活かせます。
内蔵スピーカーは内側ディスプレイの上部と底部に搭載。Dolby Atmosに対応し、音量もかなり大きくできるので、音楽や動画、ゲームを楽しみたい人も満足できるでしょう。
■気になっていた人は、そろそろ買い時かも!?
9月17日に東京都内で開催された発表会では、モトローラのブランドアンバサダーにSnowManの目黒蓮さんが就任することも発表されました。9月18日から目黒さんが出演するテレビCMも放映され、モトローラにとって “勝負モデル” としたいという意気込みをヒシヒシと感じました。
実際に使ってみても、完成度が高く、折りたたみスマホが気になっていた人は、そろそろ本気で検討してもいいのでは? と思った次第。モトローラによると「メインターゲットはZ世代」とのことですが、ガラケーを使いこなしていた世代とも相性がよさそうです。
とことん安く使いたい人は、ソフトバンク版を「新トクするサポート」を利用して購入するのが得策。ですが、通常版のほうがメモリとストレージ容量が多く、専用のケースも同梱。さらに、購入者特典として「ディスプレイ破損1回無料サポート」が提供されます。長期的に使うのなら、通常版にアドバンテージがありそうです。
<取材・文/村元正剛(ゴーズ)>
村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/627625/
- Source:&GP
- Author:&GP