【達人のプラモ術】
ドイツレベル
「1/108 ハーバータグボート」
03/06
唐突に秋がやってきましたよと言わんばかりに肌寒くなった今週はといえば、10月12日・13日の2日間「第62回 全日本模型ホビーショー 」が東京ビッグサイトで開催されます。会場では各メーカーからの話題の新製品の発表もあって“ホビーの秋全開!”といった感じです。
ホビーショーレポートはまたあらためてお送りさせていただくとして、第3回となるハーバータグボートの製作も、テンションMAXでイキますよ! 今回はタグボート本体の塗装と海面の製作を進めます。(全6回の3回目/1回目、2回目)
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■スタイロフォームでベースを製作
ワンサイズ大きく変更した木箱(アンテーィクボックス)が届いたので、海面ベースの製作をスタートします。
変更後のサイズは幅24cm×長さ32cmとなり、タグボートと海面サイズのバランスが良くなりました。
このサイズに合わせて今回も、以前製作したUボート同様にスタイロフォームでベースを製作し、モデリングペーストを使って海面を作っていきます。スタイロフォームは切る、削る、接着といった加工がしやすいので、ジオラマの製作では定番の素材です。
アンテーィクボックスは内部の厚みが10cm近くあるので、30mm厚のスタイロフォームを3枚重ねることで海面の高さを調整しています。
■LED配線を通す穴を忘れずに開けておく
今回、タグボートはLEDを使い船内の明かりを光らせています。電源は単3電池2本。電源として市販のスイッチ付き電池ボックスを木箱背面に取り付けています。また木箱とスタイロフォームには、配線を通すための穴を事前に開けておきます。
今回は完成後にスタイロフォームを外すことができないため、電源とLEDを繋ぐために延長した配線は、結線部分をハンダで補強して断線を防いでいます。
■ケーキのデコレーションのごとく…
ジオラマの下地となる部分が完成したので、いよいよモデリングペーストを使い海の質感を再現していきます。
モデリングペーストは本来、アクリル絵の具の下地材として使用されるものです。ペースト状のメディウムは薄く延ばすこともできるし、今回のように厚く盛り上げて立体感のある表現にも使用できます。乾燥後はほとんど肉痩せがなく、ナイフや彫刻刀で削って形を変えることもできます。
今回使用しているのはホルベイン社の「モデリングペースト ライト」です。通常のものに比べてセラミックパウダーを多く含んでいるので、乾燥後の重さが約1/4と軽く仕上げられます。ジオラマの製作ではモデリングペーストをかなり大量に使用するので、詰め替え用(ちょっとお得)の900mlを購入しています。
このモデリングペーストをスタイロフォームの表面にペインティングナイフを使い塗り広げていきます。感覚的にはスポンジケーキに生クリームを塗っていく感じです。
またモデリングペーストは、一度厚塗りすると乾燥に時間がかかってしまうので、薄く何層も重ねていくのがコツ。塗り重ねることで海の波を表現していきます、今回はまず2層重ねて波の下地を作りました。
■船体の塗装
ジオラマの海面製作と並行して、船体の塗装も進めていきます。
本キットは発売時期で船体の塗装と船名が変わっており、現在購入できるキットは赤い船体で船名は「LUCKY XI」となっています。
作例の塗装はインストの指示通りに赤い船体で進めていますが、船室と操舵室は白に変えるなど一部アレンジしています。プラモデルなので船体の塗装は自由な発想で楽しみたいです。
船体の塗装は船底の赤から。今回は通常の赤に僅かに黒を加えた暗めの赤(軍艦の艦底色ほど暗くない赤)で塗装しています。
赤部分が乾燥した後、マスキングをして乾舷(喫水線から上甲板までの部分)の黒を塗装します。塗り分けラインは細い凸でモールドされていますが、船体を研磨サフ吹きしたことでモールドが消えてしまい、左右を均一に仕上げるのに苦労させられました。
そして船体の白いラインはマスキングして塗装してもいいのですが、シャープに仕上げたかったので、白のフィニッシュシートをカットしたものを貼ることで再現しています。
■甲板は木の質感を強調
キットの塗装指示では甲板はグレーになっているのですが、木製甲板らしくモールドも追加しているので、ここは木の質感を意識して木製甲板色で塗装し、ブラウン系のスミ入れ塗料でウエザリング(汚し)を入れます。
また船室や操舵室も指定の赤ではなく、横須賀で見たタグボートを参考に白で塗装しています。煙突は指定の黒に赤ラインを入れる予定です。
塗装の際に苦労させられたのが甲板に取り付けるパーツで、形状的に甲板の塗装後に取り付けたのですが、これがまた全然合わない上に左右の合わせ目に盛大な段差が生じます。ここは、瞬間接着剤で甲板のラインに合わせて接着し、継ぎ目と段差を修正後に再度塗り直しをするハメになりました。
船室部分の手すりや配管、浮き輪などはほとんどモールド再現なので丁重に塗り分けておきます。塗装後に船体同様にブラウン系のスミ入れ塗料で軽くウエザリングを入れています。
ということで今回はここまで。次回も船体の製作とモデリングペーストを使った海面の製作を続けます。お楽しみに!
>> [連載]達人のプラモ術
<製作・写真・文/長谷川迷人>
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- Original:https://www.goodspress.jp/howto/632505/
- Source:&GP
- Author:&GP