調査会社Canalysによると、2024年第3四半期(7月~9月)の世界スマートフォン出荷台数は、前年同期比で5%増加し、2021年以来の好パフォーマンスとなりました。このところ低調な推移が続いていたスマホ市場で各社が積極的な価格攻勢に出たことで、消費者の需要を喚起した結果とみられています。Appleはスマホベンダーの中でシェア2位につけました。
iPhone12、13からの乗り換え需要がけん引
24年第3四半期で、Appleの出荷台数は5,450万台で、前年同期の5,000万台から約9%の純粋増となりました。スマホ市場全体でのシェアは17%から18%へと微増しました。
これまで幅広い価格レンジで広範な消費者のニーズを確保するライバルと比較して、高価格帯に位置づけられるiPhoneは購買力の高い先進国を中心に戦わざるを得ませんでした。
しかしAppleは、iPhone16シリーズで廉価モデル(iPhone16/16 Plus)と上位モデル(iPhone16 Pro/Pro Max)の性能差を縮小させたことや、インド市場での好調ぶり、独自生成AI「Apple Intelligence」をアピールする戦略が奏功したようです。Canalysのアナリストは、iPhone12、13からのアップグレードが目立った点を強調しています。
Appleの座を狙うXiaomi
存在感を目立たせているのは、シェア3位につける中国ベンダーXiaomiでしょう。
Canalysの調査では2024年第2四半期でシェアをAppleに肉薄させるにとどまりましたが、別の調査では逆転したとの見方も出ていました(Appleは正確なiPhone販売台数を公表していません)。
一時期は地元に見切りをつけ、インドで再生を図ったXiaomiですが、中~高価格帯のスマートフォン拡充や、Huaweiとともに国産ベンダーが中国内で再評価されていることなどが勢いを後押ししているようです。
今後の世界スマホ市場はAIが鍵?
すでに回復の兆しを見せている世界スマホ市場ですが、AppleのApple Intelligenceだけでなく、SamsungもGalaxy AIを大々的にブランディングしているように、今後はAI搭載スマホの登場によってさらに勢いを取り戻す可能性があります。
調査企業Countepointの予測によると、市場全体で2024年通年では前年比5%、2025年にも前年比3%の出荷台数増加が、AIへの期待感などから見込めるとのことです。
CanalysもApple Intelligenceへの影響は無視できないとし、リリース遅延がAppleの年末商戦に重大な影響を及ぼす可能性があると警鐘を鳴らしています。
Source:Canalys
- Original:https://iphone-mania.jp/apple-589981/
- Source:iPhone Mania
- Author:kihachi